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カメルーンの牛飼養数推移(1961-2022)

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した最新の2024年7月時点のデータによると、カメルーンにおける牛の飼養数は1961年から大幅に増加し、2022年にはおよそ6,041,029頭に達しています。この期間中、牛の飼養数は着実な増加傾向を示している一方で、いくつかの時期には顕著な減少や停滞が見られました。特に、2008年から2010年にかけての減少や、2016年から2018年にかけての伸び悩みが確認されています。

年度 飼養数(頭)
2022年 6,041,029
2021年 6,008,881
2020年 5,976,733
2019年 5,955,076
2018年 5,809,072
2017年 5,822,972
2016年 5,829,739
2015年 6,066,463
2014年 5,950,000
2013年 5,805,297
2012年 5,527,128
2011年 5,084,754
2010年 4,843,104
2009年 5,000,300
2008年 5,046,000
2007年 6,000,000
2006年 6,000,000
2005年 6,000,000
2004年 5,900,000
2003年 5,800,000
2002年 5,600,000
2001年 5,800,000
2000年 5,882,000
1999年 5,500,000
1998年 4,846,000
1997年 4,737,000
1996年 4,623,000
1995年 4,650,000
1994年 4,700,000
1993年 4,700,000
1992年 4,700,000
1991年 4,700,000
1990年 4,697,000
1989年 4,582,000
1988年 4,470,575
1987年 4,361,540
1986年 4,255,154
1985年 4,151,370
1984年 3,561,000
1983年 3,430,900
1982年 3,511,900
1981年 3,782,385
1980年 3,681,030
1979年 3,100,000
1978年 3,000,000
1977年 2,917,250
1976年 2,750,000
1975年 2,600,000
1974年 2,400,000
1973年 2,325,000
1972年 2,325,000
1971年 2,500,000
1970年 2,325,000
1969年 2,100,000
1968年 1,900,000
1967年 1,850,000
1966年 1,882,000
1965年 1,740,000
1964年 1,600,000
1963年 1,850,000
1962年 1,750,000
1961年 1,750,000

カメルーンの牛飼養数推移データを見ると、1960年代初頭には約175万頭で推移していました。その後、1970年代から1980年代前半にかけて飼養数が安定的に増加し、1980年代には400万頭を超える規模にまで成長しました。この傾向は主に、国内の農村部での畜産業の拡大および牧草地の増加といった生産環境の強化に起因します。また、当時の政府がおこなった農業振興政策も資するところが大きかったと考えられます。

1990年代に入ると、飼養数はさらに右肩上がりの成長を続けましたが、いくつかの要因によりやや変動も見られました。例えば、1995年から1996年にかけて小幅の減少が見られましたが、1999年には大きく増加し、550万頭に達しています。この期間の増減は、主に市場需要の高まりや輸入牛肉との競争、生産者の経済的活動の変化などによる影響が指摘されています。

2000年代には大台の600万頭に迫る一方で、2008年から2010年にかけて飼養数が急激に減少している点が注目されます。この減少の背景には、当時の疫病発生による家畜の損失や牧草地の劣化、さらには地域衝突による社会不安などが挙げられます。また、牧草地として利用されてきた地域における土地開発や人口増加による影響も、牛飼養マーケットの混乱を招いた一因でしょう。

直近10年となる2012年以降はおおむね安定した回復傾向が続いており、2022年までにはおよそ6,041,029頭の水準に達しています。しかし、2016年から2018年にかけては再び停滞した時期が見られ、ここでもカメルーン国内の課題が明らかです。特に、気候変動の影響により干ばつが発生したことや、地域紛争による経済活動の低迷が影響したと考えられます。

このように、カメルーンの牛飼養数は成長を続ける一方で、疫病、気候変動、地域紛争といった複雑な要因に脅かされる場面もあります。また、土地収奪や都市化の進行、さらには輸入される安価な牛肉競争などの課題も、国内の畜産業に対して継続的なリスクとして存在しています。

未来を見据えた際には、これらの課題に対処するため、さまざまな政策的措置が求められます。例えば、家畜の疫病を予防するための獣医サービスの強化や、気候変動への適応を目指した持続可能な農牧業技術の導入が挙げられます。また、地域紛争が畜産業に与える影響を軽減するため、政府および国際機関による平和維持活動の支援が不可欠といえるでしょう。さらに、小規模生産者への助成や技術支援による生産性向上を図ることも重要です。

結論として、カメルーンの牛飼養数の全体的な成長は畜産業の発展を示す好例ですが、過去の不安定な時期に反映されるように、多くのリスクにさらされていることも事実です。多角的な政策や国際的支援の下で、持続可能な成長を目指す枠組みの構築が急務といえます。これは、カメルーン国内の経済的安定のみならず、食料安全保障や地域社会の生活改善にも寄与するでしょう。