Skip to main content

パキスタンの牛飼養数推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データ(2024年7月更新)によると、パキスタンの牛飼養数は1961年の約1,418万頭から2022年の約5,343万頭まで増加し、約3.76倍に拡大しました。この増加傾向はほぼ一貫しており、特に2000年代以降に急激な増加を記録しています。また、近年の伸びは持続的で、現在も成長の余地があると推測されます。このデータは、パキスタンの農業・畜産業が国の経済や食料供給において重要な役割を果たしていることを示しています。

年度 飼養数(頭) 増減率
2023年 55,450,000
3.77% ↑
2022年 53,436,000
3.77% ↑
2021年 51,495,000
3.77% ↑
2020年 49,624,000
3.77% ↑
2019年 47,821,000
3.77% ↑
2018年 46,084,000
3.79% ↑
2017年 44,400,000
3.74% ↑
2016年 42,800,000
3.78% ↑
2015年 41,241,000
3.77% ↑
2014年 39,743,000
3.77% ↑
2013年 38,299,000
3.77% ↑
2012年 36,908,000
3.77% ↑
2011年 35,567,000
3.74% ↑
2010年 34,285,000
3.8% ↑
2009年 33,029,000
3.77% ↑
2008年 31,830,000
3.77% ↑
2007年 30,673,000
3.77% ↑
2006年 29,558,812
22.05% ↑
2005年 24,218,000
1.94% ↑
2004年 23,757,000
1.95% ↑
2003年 23,303,000
1.95% ↑
2002年 22,858,000
1.94% ↑
2001年 22,424,000
1.91% ↑
2000年 22,004,000
1.91% ↑
1999年 21,592,000
1.89% ↑
1998年 21,192,000
1.87% ↑
1997年 20,802,000
1.85% ↑
1996年 20,424,000
14.43% ↑
1995年 17,848,000
0.19% ↑
1994年 17,814,000
0.2% ↑
1993年 17,779,008
0.19% ↑
1992年 17,745,008
0.19% ↑
1991年 17,711,008
0.19% ↑
1990年 17,677,008
0.19% ↑
1989年 17,643,008
0.19% ↑
1988年 17,609,008
0.19% ↑
1987年 17,575,008
0.19% ↑
1986年 17,541,008
5.99% ↑
1985年 16,549,000
1.2% ↑
1984年 16,352,000
1.21% ↑
1983年 16,157,000
1.21% ↑
1982年 15,964,000
1.2% ↑
1981年 15,774,000
4.89% ↑
1980年 15,038,000
0.31% ↑
1979年 14,992,000
0.31% ↑
1978年 14,946,000
0.3% ↑
1977年 14,901,000
0.31% ↑
1976年 14,855,000
0.3% ↑
1975年 14,810,000
0.31% ↑
1974年 14,764,000
0.31% ↑
1973年 14,719,000
0.31% ↑
1972年 14,674,000
0.31% ↑
1971年 14,629,000
0.31% ↑
1970年 14,584,000
0.31% ↑
1969年 14,539,000
0.31% ↑
1968年 14,494,000
0.31% ↑
1967年 14,449,000
0.31% ↑
1966年 14,404,000
0.31% ↑
1965年 14,359,000
0.31% ↑
1964年 14,314,000
0.32% ↑
1963年 14,269,000
0.32% ↑
1962年 14,224,000
0.32% ↑
1961年 14,179,000 -

1961年以降のパキスタンの牛飼養数推移データを分析すると、60年以上の間に約3.76倍の増加を記録しており、パキスタンにおける牛の飼養業は持続的かつ安定した成長を遂げていることが分かります。具体的には、1961年には約1,418万頭だった牛の飼育頭数が2000年には約2,200万頭、2022年には約5,343万頭に達しています。この動向は、畜産業が同国の農村経済や農民の生計において極めて重要であることを反映しているほか、肉類や乳製品の需要増加とも深く関係しています。

特に2000年代以降の急増は顕著で、2006年の2,955万頭から2022年の5,343万頭までわずか16年間で約1.8倍に増加しています。この背景には、国内人口の増加や都市化の進展、乳製品や牛肉の需要が急伸したことが挙げられます。また、飼養技術の改善や畜産業における政策支援、輸出市場の拡大なども寄与していると考えられます。さらに、牛は農業用の労働力としても重要であり、その役割は現代でも変わらず続いています。

一方で、急激な成長に伴う課題も少なくありません。飼料や水資源の不足、放牧地の減少、家畜病の流行などが懸念されます。例として、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより物流が一時的に混乱し、飼料供給が滞る問題も発生しました。また、インドなど周辺地域でも牛の飼養は行われていますが、パキスタンの増加率はその中でも上位に位置しており、地域間競争が将来的な課題となる可能性もあります。

さらに、気候変動の影響も無視できません。パキスタンは近年大規模な洪水に見舞われる頻度が増加しており、このような自然災害によって放牧地が損傷し、飼養環境が劣化する可能性があります。また、牛の増加は温室効果ガスであるメタンの排出量増加に寄与するため、環境面での対応も重要です。

これらの課題に対応するため、いくつかの具体的な対策を提案します。一つ目は、飼料の効率的な利用や高栄養の飼料の普及です。これにより、牛の生産性を高めながら資源の使用量を最適化できます。二つ目は、牛病の予防や管理を支援するための獣医サービスを強化することです。これにより、感染症による損害を最小化できます。三つ目は、耐災害型の放牧地整備や水資源管理技術の導入です。自然災害への備えが、将来的な持続可能性の鍵となるでしょう。最後に、メタン排出削減を目的とした政策や技術を導入することで、環境負荷を軽減し、国際的な気候変動対策に貢献することが重要です。

以上の分析から、パキスタンの牛飼養数の増加は、同国の農業・畜産業の活性化と食料供給面での需要増加を反映している一方で、資源管理や環境保全における課題も浮き彫りにされています。国や国際機関が協力して持続可能な対応策を講じることで、畜産業の将来をより安定的かつ環境に優しいものにすることが求められるでしょう。