国際連合食糧農業機関が2024年7月に発表したデータによると、ウガンダの牛飼養数は1961年の約361万8000頭から2022年の約1464万1481頭まで増加しました。この期間には、小さな減少や急激な増加がいくつかの年に見られましたが、全体としては一貫した上昇傾向にあります。特に、2000年代後半以降の増加幅が目覚ましく、2008年には1億頭を超える過去最大の増加が観測されました。
ウガンダの牛飼養数推移(1961-2022)
年度 | 飼養数(頭) |
---|---|
2022年 | 14,641,481 |
2021年 | 14,624,111 |
2020年 | 14,515,333 |
2019年 | 14,785,000 |
2018年 | 14,572,000 |
2017年 | 14,189,000 |
2016年 | 14,368,000 |
2015年 | 14,031,000 |
2014年 | 13,623,000 |
2013年 | 12,985,900 |
2012年 | 12,805,900 |
2011年 | 12,466,638 |
2010年 | 12,103,532 |
2009年 | 11,751,002 |
2008年 | 11,408,740 |
2007年 | 7,182,293 |
2006年 | 6,973,100 |
2005年 | 6,770,000 |
2004年 | 6,567,000 |
2003年 | 6,519,000 |
2002年 | 6,328,000 |
2001年 | 6,144,000 |
2000年 | 5,965,500 |
1999年 | 5,820,000 |
1998年 | 5,651,000 |
1997年 | 5,460,000 |
1996年 | 5,301,000 |
1995年 | 5,233,000 |
1994年 | 5,106,000 |
1993年 | 5,370,000 |
1992年 | 5,209,000 |
1991年 | 5,121,000 |
1990年 | 4,913,200 |
1989年 | 4,416,500 |
1988年 | 4,259,800 |
1987年 | 3,905,200 |
1986年 | 5,200,000 |
1985年 | 5,000,000 |
1984年 | 4,993,100 |
1983年 | 4,871,300 |
1982年 | 4,821,100 |
1981年 | 4,745,400 |
1980年 | 4,770,600 |
1979年 | 5,242,200 |
1978年 | 5,245,600 |
1977年 | 4,911,100 |
1976年 | 4,989,500 |
1975年 | 4,867,900 |
1974年 | 4,773,300 |
1973年 | 4,628,700 |
1972年 | 4,472,600 |
1971年 | 4,223,900 |
1970年 | 4,280,500 |
1969年 | 3,971,000 |
1968年 | 3,682,325 |
1967年 | 3,626,643 |
1966年 | 3,496,797 |
1965年 | 3,496,797 |
1964年 | 3,463,937 |
1963年 | 3,464,603 |
1962年 | 3,382,762 |
1961年 | 3,618,000 |
ウガンダは農業を基盤とする経済構造を持ち、特に家畜生産における牛の飼養は国民生活や経済活動にとって重要な位置を占めています。ウガンダの牛飼養数のデータを時系列で見ると、変動があるものの全体として増加傾向を示していることが分かります。この推移は、農村地域における生計の向上、政府やNGOによる農業支援政策、生活の安定に寄与する家畜の重要性などが背景にあります。
1960年代から1970年代にかけては、牛飼養数は緩やかに増加しましたが、一部の年では停滞や微減も見られました。これには、政府の政策変化や農業技術の遅れ、地域間の輸送インフラの未整備などが影響したと考えられます。その後、1970年代後半から1980年代は、内戦や政情不安が国内経済と農業に大きな打撃を与えた結果、1980年には牛飼養数が急減しています。1987年に約390万5200頭まで減少する年があったのは、このような社会的混乱の最高潮だった背景を反映しています。
1990年代以降は内戦終結や復興政策の開始により、牛飼養数は再び安定的な増加を示しました。さらに2000年代後半以降に見られる急激な増加は、農業政策の拡張、技術支援による生産拡大、特に農牧兼業を促進する動きが進展したことに起因すると考えられます。2008年以降の各年で1,000万頭を超える数字に達した要因として、市場の拡大や家畜用インフラの改善、国際的需要の高まりが挙げられます。一方で、2010年代後半以降は増加ペースがやや鈍化しており、停滞または微減を示す年もいくつか見られます。
地政学的背景としては、ウガンダが他国に比べて自然災害の影響が軽微であることが牛飼養の安定に寄与しています。ただし、土壌劣化や干ばつ、洪水の影響を受ける地域では牧草の供給が不足する恐れがあり、持続可能性を脅かす要因になり得ます。また、政治的な安定性と経済政策の方向性によっても、飼養数は変動する可能性があります。
今後の課題としては、次のような点が挙げられます。第一に、飼養技術の改善です。牛の健康管理、生産性向上、それに伴う飼料供給の効率化には、さらなる技術支援が必要です。第二に、国内外市場の拡大です。牛肉や乳製品の需要に応じた供給網の整備が進めば、農家の収入向上が期待できます。第三に、生態系の保護を意識した持続可能な牧畜です。森林伐採を伴わない土地利用の推進や、乾燥地帯に適応した飼養方法の普及が求められるでしょう。
結論として、このデータからは、ウガンダの牛飼養数が増加基調にありつつも、持続的な発展が求められていることが明らかです。今後は、政府、国際機関、NGOなどが協力し、技術革新や持続可能な政策を進めることが牛生産のさらなる拡大と安定に寄与すると考えます。これにより、ウガンダの経済発展と農村の生活向上に大きく貢献できる可能性があります。