世界の牛飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、1993年度の世界牛飼養数ランキングでは、1位がインド（約2億3600万頭）、2位がブラジル（約1億5500万頭）、3位がアメリカ（約9900万頭）という結果でした。日本は43位で約502万頭を飼養しており、主要国に比べると規模はやや小さい状況です。一方、インドやブラジルといった国々は、その広大な土地と人口規模が高い飼養数を裏付けています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	インド	アジア	203,634,000
2	ブラジル	南アメリカ	155,134,074
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	99,175,900
4	中国	アジア	85,640,000
5	アルゼンチン	南アメリカ	52,665,200
6	ロシア連邦	ヨーロッパ	52,226,000
7	メキシコ	南アメリカ	31,974,240
8	エチオピア	アフリカ	29,450,000
9	コロンビア	南アメリカ	25,324,000
10	オーストラリア	オセアニア	24,061,808
11	バングラデシュ	アジア	23,569,000
12	ウクライナ	ヨーロッパ	22,456,800
13	フランス	ヨーロッパ	20,446,184
14	パキスタン	アジア	17,779,008
15	ドイツ	ヨーロッパ	16,207,340
16	ナイジェリア	アフリカ	14,807,320
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	13,325,000
18	タンザニア連合共和国	アフリカ	13,322,700
19	南アフリカ	アフリカ	13,100,000
20	ケニア	アフリカ	13,000,000
21	トルコ	アジア	11,951,000
22	カナダ	北アメリカ	11,860,000
23	イギリス	ヨーロッパ	11,851,000
24	インドネシア	アジア	10,829,200
25	マダガスカル	アフリカ	10,287,000
26	ウルグアイ	南アメリカ	10,217,000
27	ミャンマー	アジア	9,611,000
28	カザフスタン	アジア	9,576,300
29	パラグアイ	南アメリカ	8,600,000
30	ニュージーランド	オセアニア	8,308,000
31	イラン（イスラム共和国）	アジア	7,996,160
32	チャド	アフリカ	7,979,000
33	ポーランド	ヨーロッパ	7,642,576
34	イタリア	ヨーロッパ	7,600,300
35	タイ	アジア	7,473,000
36	ネパール	アジア	6,237,231
37	アイルランド	ヨーロッパ	6,236,400
38	ベラルーシ	ヨーロッパ	6,220,600
39	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	5,463,082
40	ウガンダ	アフリカ	5,370,000
41	ウズベキスタン	アジア	5,275,000
42	マリ	アフリカ	5,178,741
43	日本	アジア	5,024,000
44	スペイン	ヨーロッパ	4,976,000
45	エクアドル	南アメリカ	4,803,000
46	オランダ	ヨーロッパ	4,797,000
47	カメルーン	アフリカ	4,700,000
48	キューバ	南アメリカ	4,583,000
49	ソマリア	アフリカ	4,200,000
50	ジンバブエ	アフリカ	4,180,000
51	ブルキナファソ	アフリカ	4,177,500
52	ペルー	南アメリカ	3,954,900
53	チリ	南アメリカ	3,691,730
54	エジプト	アフリカ	3,688,000
55	ルーマニア	ヨーロッパ	3,683,100
56	ニジェール	アフリカ	3,645,810
57	ベトナム	アジア	3,333,000
58	ニカラグア	南アメリカ	3,170,000
59	アンゴラ	アフリカ	3,100,000
60	モンゴル	アジア	2,819,000
61	大韓民国	アジア	2,813,815
62	ザンビア	アフリカ	2,800,000
63	セネガル	アフリカ	2,693,000
64	中央アフリカ共和国	アフリカ	2,674,400
65	カンボジア	アジア	2,542,000
66	チェコ	ヨーロッパ	2,511,737
67	オーストリア	ヨーロッパ	2,400,725
68	グアテマラ	南アメリカ	2,400,000
69	ドミニカ共和国	南アメリカ	2,371,000
70	モロッコ	アフリカ	2,348,258
71	デンマーク	ヨーロッパ	2,195,000
72	コスタリカ	南アメリカ	2,122,000
73	ホンジュラス	南アメリカ	2,077,460
74	ナミビア	アフリカ	2,073,540
75	フィリピン	アジア	1,913,860
76	ギニア	アフリカ	1,874,470
77	ボツワナ	アフリカ	1,821,000
78	スウェーデン	ヨーロッパ	1,807,366
79	アフガニスタン	アジア	1,800,000
80	スイス	ヨーロッパ	1,745,087
81	スリランカ	アジア	1,704,100
82	リトアニア	ヨーロッパ	1,701,000
83	イラク	アジア	1,480,000
84	パナマ	南アメリカ	1,436,600
85	アゼルバイジャン	アジア	1,433,300
86	ポルトガル	ヨーロッパ	1,336,000
87	アルジェリア	アフリカ	1,313,820
88	エリトリア	アフリカ	1,268,560
89	フィンランド	ヨーロッパ	1,252,300
90	ハイチ	南アメリカ	1,251,000
91	タジキスタン	アジア	1,246,100
92	コンゴ民主共和国	アフリカ	1,225,482
93	コートジボワール	アフリカ	1,205,000
94	モーリタニア	アフリカ	1,200,000
95	エルサルバドル	南アメリカ	1,196,900
96	スロバキア	ヨーロッパ	1,181,660
97	ガーナ	アフリカ	1,168,640
98	イエメン	アジア	1,162,896
99	ハンガリー	ヨーロッパ	1,159,000
100	ラトビア	ヨーロッパ	1,144,300
101	ベナン	アフリカ	1,140,200
102	キルギスタン	アジア	1,122,400
103	ラオス人民民主共和国	アジア	1,019,800
104	トルクメニスタン	アジア	1,004,000
105	モザンビーク	アフリカ	1,000,000
106	ノルウェー	ヨーロッパ	974,736
107	ブルガリア	ヨーロッパ	973,727
108	グルジア	アジア	906,400
109	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	900,000
110	マラウイ	アフリカ	796,728
111	シリア・アラブ共和国	アジア	707,168
112	マレーシア	アジア	703,116
113	チュニジア	アフリカ	659,000
114	レソト	アフリカ	658,305
115	アルバニア	ヨーロッパ	654,700
116	エストニア	ヨーロッパ	614,600
117	エスワティニ	アフリカ	607,513
118	モルドバ共和国	ヨーロッパ	591,473
119	クロアチア	ヨーロッパ	589,635
120	ギリシャ	ヨーロッパ	587,177
121	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	550,000
122	スロベニア	ヨーロッパ	503,770
123	ルワンダ	アフリカ	500,000
124	アルメニア	アジア	498,863
125	ジャマイカ	南アメリカ	460,000
126	ギニアビサウ	アフリカ	430,760
127	プエルトリコ	南アメリカ	428,778
128	ブルンジ	アフリカ	418,974
129	イスラエル	アジア	366,100
130	シエラレオネ	アフリカ	360,200
131	ガンビア	アフリカ	345,558
132	ブータン	アジア	338,000
133	フィジー	オセアニア	315,000
134	北マケドニア	ヨーロッパ	284,919
135	トーゴ	アフリカ	230,600
136	サウジアラビア	アジア	229,222
137	オマーン	アジア	200,000
138	ジブチ	アフリカ	200,000
139	ガイアナ	南アメリカ	190,000
140	リビア	アフリカ	155,000
141	バヌアツ	オセアニア	150,000
142	中国、台湾 中国省	アジア	141,250
143	ニューカレドニア	オセアニア	120,000
144	スリナム	南アメリカ	97,000
145	パプアニューギニア	オセアニア	94,000
146	東ティモール	アジア	93,153
147	レバノン	アジア	75,000
148	アイスランド	ヨーロッパ	73,912
149	コンゴ	アフリカ	68,000
150	ヨルダン	アジア	64,100
151	キプロス	アジア	60,954
152	アラブ首長国連邦	アジア	60,428
153	ベリーズ	南アメリカ	58,000
154	グアドループ	南アメリカ	56,100
155	コモロ	アフリカ	43,800
156	ガボン	アフリカ	37,288
157	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	36,000
158	リベリア	アフリカ	36,000
159	バルバドス	南アメリカ	31,000
160	マルティニーク	南アメリカ	30,000
161	レユニオン	アフリカ	25,340
162	サモア	オセアニア	25,000
163	モーリシャス	アフリカ	24,000
164	マルタ	ヨーロッパ	21,500
165	カーボベルデ	アフリカ	17,867
166	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	16,000
167	ミクロネシア連邦	オセアニア	14,000
168	ドミニカ	南アメリカ	13,450
169	ソロモン諸島	オセアニア	13,000
170	バーレーン	アジア	12,500
171	セントルシア	南アメリカ	12,400
172	カタール	アジア	11,651
173	クウェート	アジア	11,128
174	トンガ	オセアニア	9,500
175	フランス領ギアナ	南アメリカ	8,290
176	フランス領ポリネシア	オセアニア	7,500
177	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	6,200
178	赤道ギニア	アフリカ	4,800
179	グレナダ	南アメリカ	4,250
180	サントメ・プリンシペ	アフリカ	3,700
181	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	3,500
182	セーシェル	アフリカ	2,850
183	フェロー諸島	ヨーロッパ	2,129
184	中国、香港特別行政区	アジア	2,070
185	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,449
186	バハマ	南アメリカ	800
187	シンガポール	アジア	400
188	クック諸島	オセアニア	220
189	ニウエ	オセアニア	113
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1993年度の牛飼養数データは、各国の農業や食糧事情、土地利用の状況を示す重要な指標となっています。インドがトップに立った背景には、宗教的な要因や農村部での牛の多目的利用（農作業や乳利用など）が挙げられます。インドでは牛肉消費が比較的少ない一方で乳製品の需要が高く、飼養される牛は食料生産と生活基盤の両面で大きな役割を果たしています。

2位のブラジルは、広大な牧草地を活用し世界有数の牛肉輸出国として知られています。このようにブラジルは国内需要だけでなく、輸出も視野に入れた飼育規模の拡大が進んだと考えられます。この点において、ブラジルの牛飼養は地球規模での食肉供給と密接に結びついています。

3位のアメリカでは、一頭あたりの生産効率が非常に高いことが特徴です。この国は先進的な畜産技術を持ち、牛肉を中心とした畜産物の供給で世界市場を支えています。また、大規模な農業経営が発展している点がアメリカの特徴です。

一方で、43位の日本では、牛飼養数が約502万頭と多くはありません。これは国土の狭さや農地の限界、生産コストの高さが主因となっています。ただし、日本の場合、和牛など品質に特化した高付加価値の生産に力を入れています。これにより、少数ながら高品質の牛肉を国内外に提供することに成功しています。日本の畜産業は、数量ではなく質で競争力を持つ戦略を採っています。

また、下位の国々や地域、特にアフリカや発展途上国における牛飼養数は顕著に少なく、これらの国々では家畜の飼育が食料資源としてだけでなく、資産や労働力としても活用されている背景があります。例えば、エチオピアやナイジェリアなどでは、第一次産業が主要な経済基盤となっており、牛は農村経済に直接的な恩恵をもたらしています。

しかし、このデータからは、いくつかの課題も浮き彫りになります。まず、地球規模での環境負荷の問題です。特に、牛の飼育に伴う温室効果ガス（メタン）の排出量や、牧草地開発による森林破壊が挙げられます。ブラジルのような牛肉輸出大国では、アマゾンの森林伐採が環境面での大きな課題となっており、サステナブルな農業生産モデルへの転換が急務とされています。

また、地政学的なリスクとして、牛飼養数の多い国々が社会問題や紛争に直面するケースもあります。例えば、ソ連解体後のロシアやウクライナでは、経済混乱により牛飼養数が減少し、食料供給力が脅かされる可能性がありました。このような背景は、農業生産基盤を安定させる政策の必要性を浮き彫りにしました。

今後注目すべき課題として、気候変動の影響や、人口増加に伴う食料需要の増加があります。これに対応するためには、高効率で低環境負荷の飼育技術の開発、ならびに牧草栽培と畜産の統合的な取り組みが求められます。特にアフリカ諸国では、気候変動による干ばつや洪水が牛の生産性を脅かしており、国際協力によるリスク緩和策が必要となります。

結論として、1993年の牛飼養数ランキングは、単なる数値だけでなく、世界の食料生産、環境問題、地域経済の複雑な関連性を示す重要なデータです。これを踏まえた現代的な政策として、先進国と途上国が連携し、持続可能で効率的な畜産業の実現を目指すべきです。一例として、低所得国への飼料技術の移転や、環境負荷を考慮した投資の促進が有効であると考えられます。このような取り組みによって、世界全体での安定した食料供給と環境保護の両立が期待されます。