世界の米生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2021年の米生産量ランキングによると、1位は中国で212,843,000トン、2位はインドで194,200,000トンが生産され、これらの2カ国で世界全体の米生産量の大部分を占めています。続いて、バングラデシュやインドネシア、ベトナムが上位にランクインしました。日本は10,525,400トンで12位となり、アメリカ（13位）や韓国（15位）よりも高い順位ですが、アジア主要国に比べると生産量ではやや劣っています。米生産量はアジア地域で特に顕著であり、世界的な食糧安全保障において重要な役割を果たしています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	212,843,000
2	インド	アジア	194,200,000
3	バングラデシュ	アジア	56,383,442
4	インドネシア	アジア	54,415,294
5	ベトナム	アジア	43,852,729
6	タイ	アジア	32,977,775
7	ミャンマー	アジア	27,438,300
8	フィリピン	アジア	19,960,170
9	パキスタン	アジア	13,984,009
10	カンボジア	アジア	12,207,000
11	ブラジル	南アメリカ	11,660,605
12	日本	アジア	10,525,400
13	アメリカ合衆国	北アメリカ	8,689,970
14	ナイジェリア	アフリカ	8,342,000
15	大韓民国	アジア	5,211,037
16	スリランカ	アジア	5,149,596
17	ネパール	アジア	5,130,625
18	マダガスカル	アフリカ	4,391,386
19	エジプト	アフリカ	4,241,894
20	タンザニア連合共和国	アフリカ	4,045,400
21	ペルー	南アメリカ	3,538,444
22	ラオス人民民主共和国	アジア	3,494,890
23	コロンビア	南アメリカ	2,980,100
24	ギニア	アフリカ	2,475,325
25	マレーシア	アジア	2,441,597
26	マリ	アフリカ	2,420,245
27	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,100,000
28	シエラレオネ	アフリカ	1,978,905
29	コートジボワール	アフリカ	1,659,000
30	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,595,345
31	コンゴ民主共和国	アフリカ	1,580,620
32	中国、台湾 中国省	アジア	1,560,870
33	イタリア	ヨーロッパ	1,459,310
34	アルゼンチン	南アメリカ	1,453,187
35	セネガル	アフリカ	1,382,120
36	ウルグアイ	南アメリカ	1,309,000
37	エクアドル	南アメリカ	1,207,000
38	パラグアイ	南アメリカ	1,180,600
39	ガーナ	アフリカ	1,143,000
40	ドミニカ共和国	南アメリカ	1,105,600
41	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,076,412
42	トルコ	アジア	1,000,000
43	ガイアナ	南アメリカ	860,000
44	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	743,571
45	ウガンダ	アフリカ	727,120
46	アフガニスタン	アジア	622,300
47	スペイン	ヨーロッパ	617,180
48	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	550,182
49	ベナン	アフリカ	519,667
50	カザフスタン	アジア	503,771
51	ニカラグア	南アメリカ	492,028
52	ブルキナファソ	アフリカ	451,014
53	モーリタニア	アフリカ	428,400
54	オーストラリア	オセアニア	422,978
55	イラク	アジア	422,463
56	パナマ	南アメリカ	406,370
57	モザンビーク	アフリカ	390,000
58	ウズベキスタン	アジア	334,226
59	カメルーン	アフリカ	315,294
60	スリナム	南アメリカ	263,749
61	メキシコ	南アメリカ	257,041
62	リベリア	アフリカ	255,600
63	ギリシャ	ヨーロッパ	245,340
64	チャド	アフリカ	242,647
65	キューバ	南アメリカ	225,786
66	ギニアビサウ	アフリカ	213,918
67	エチオピア	アフリカ	200,000
68	コスタリカ	南アメリカ	198,197
69	ケニア	アフリカ	186,000
70	ポルトガル	ヨーロッパ	175,900
71	トーゴ	アフリカ	165,541
72	ハイチ	南アメリカ	155,000
73	マラウイ	アフリカ	155,000
74	チリ	南アメリカ	146,085
75	ニジェール	アフリカ	134,000
76	ルワンダ	アフリカ	131,758
77	ブルンジ	アフリカ	120,000
78	タジキスタン	アジア	106,908
79	トルクメニスタン	アジア	86,214
80	ザンビア	アフリカ	65,876
81	フランス	ヨーロッパ	62,340
82	ブルガリア	ヨーロッパ	58,120
83	ホンジュラス	南アメリカ	53,820
84	モロッコ	アフリカ	50,901
85	中央アフリカ共和国	アフリカ	50,265
86	ウクライナ	ヨーロッパ	49,480
87	キルギスタン	アジア	46,338
88	東ティモール	アジア	45,455
89	ブータン	アジア	40,508
90	ガンビア	アフリカ	40,173
91	スーダン	アフリカ	40,000
92	南スーダン	アフリカ	26,024
93	グアテマラ	南アメリカ	24,143
94	エルサルバドル	南アメリカ	19,146
95	北マケドニア	ヨーロッパ	18,962
96	ベリーズ	南アメリカ	14,990
97	ルーマニア	ヨーロッパ	14,980
98	アンゴラ	アフリカ	10,514
99	フィジー	オセアニア	10,368
100	アゼルバイジャン	アジア	10,062
101	ハンガリー	ヨーロッパ	9,520
102	ブルネイ ダルサラーム	アジア	4,100
103	南アフリカ	アフリカ	3,081
104	ジンバブエ	アフリカ	2,908
105	ソロモン諸島	オセアニア	2,748
106	ガボン	アフリカ	1,738
107	ソマリア	アフリカ	1,632
108	コンゴ	アフリカ	1,000
109	エスワティニ	アフリカ	1,000
110	パプアニューギニア	オセアニア	882
111	サウジアラビア	アジア	814
112	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	351
113	アルジェリア	アフリカ	306
114	ミクロネシア連邦	オセアニア	179
115	プエルトリコ	南アメリカ	167
116	コモロ	アフリカ	4
117	中国、香港特別行政区	アジア	0
+ すべての国を見る

国連食糧農業機関（FAO）の2021年のデータによると、米の生産量はアジアを中心に非常に偏った傾向を示しており、中国とインドだけで世界全体の米の生産量の三分の二近くを占めています。中国は212,843,000トン、インドは194,200,000トンを生産しており、大規模な耕地面積と効率的な生産技術により高い生産性を維持しています。3位以下の国々、バングラデシュ（56,383,442トン）、インドネシア（54,415,294トン）、ベトナム（43,852,729トン）も東南アジアの国々であり、この地域が世界の主要な米供給地となっています。

一方で、日本の米生産量は10,525,400トンと12位に位置していますが、アジア諸国と比較すると相対的に生産量は控えめです。しかし、日本の米は高品質であり、多くの場合、高付加価値な商品として国内外で消費されています。この点では、量よりも質が重視される特殊な市場状況が反映されています。一方、13位のアメリカは8,689,970トンで、日本よりも生産量が少ないですが、カリフォルニア州を中心に輸出を意識した生産を行っています。

米の生産は、自然に影響を大きく受ける分野であるため、地球温暖化の進行や異常気象の頻発が今後の課題となります。さらに、これには地政学的なリスクも絡んできます。たとえば、南アジアや東南アジアでは水資源をめぐる国間の緊張が増しているほか、中国やインドのような人口が多い国では食糧不足が地域的な安全保障問題に発展する可能性もあります。

また、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で、各国の農業従事者の労働力不足や物流の遅延が米の生産や輸出に課題をもたらしました。特に輸入依存度が高い国々では、こうした影響で食糧安全保障が脅かされる状況が明らかになっています。たとえば、アフリカ諸国や中東では米の輸入に大きく依存する国が多く、輸送コストの増加が現地での価格高騰を引き起こしているのが現状です。

今後の課題としては、まず主要生産国であるアジア諸国において気候変動への適応策が急務となっており、耐乾性米や塩害に強い品種の開発、灌漑施設の強化が必要です。また、生産量の少ない国、特にアフリカ大陸では、土壌改良や技術移転を通じた生産能力の向上が重要です。さらに、国際協力による食糧流通網の改善が、地域的な食糧不足を緩和する鍵となります。たとえば、国際機関や先進国による補助的な融資・技術提供が農業インフラ整備を後押しし、将来的な食糧危機を回避する可能性が期待されています。

地政学的観点では、各国間の水資源の管理と適切な農地活用が紛争回避の重要な鍵となるでしょう。特に、アジアの主要流域を共有する国々間では協定を通じた平和的な水資源の配分が欠かせません。また、アメリカやブラジルなどの非アジア生産国は、輸出拡大を通じて世界の食糧安定に寄与するポジションにあります。日本においても、農業の効率化や高付加価値米の輸出拡大を目指すと同時に、国産米の多角的な消費推進を進める必要があります。

結論として、米生産は多様な地理的、気候的、社会的要因に強く影響される領域であるため、各国が総力を挙げて食糧安全保障を維持する取り組みが求められます。また、将来の気候変動や地政学的なリスクに備えて国際的な協力体制を構築し、全世界での持続可能な米の生産と流通を目指すことが不可欠です。