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モザンビークの米生産量推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データ(2024年7月更新)によると、モザンビークの米生産量は近年で大きな成長を遂げてきました。1961年に85,000トンであった米の生産量は、2018年にピークの413,000トンを記録しました。ただし、その後は若干の減少を見せ、2022年には365,000トンへと減少しています。全体的な成長傾向は顕著ですが、一定の変動が見られる点が興味深い特徴となっています。

年度 生産量(トン)
2022年 365,000
2021年 390,000
2020年 376,000
2019年 341,000
2018年 413,000
2017年 402,000
2016年 331,000
2015年 357,000
2014年 383,000
2013年 341,000
2012年 343,000
2011年 271,000
2010年 258,000
2009年 179,000
2008年 88,177
2007年 103,007
2006年 97,610
2005年 64,634
2004年 91,242
2003年 117,491
2002年 93,362
2001年 166,945
2000年 180,806
1999年 186,087
1998年 191,000
1997年 180,218
1996年 139,000
1995年 112,982
1994年 101,212
1993年 65,615
1992年 32,618
1991年 56,341
1990年 96,355
1989年 95,000
1988年 93,000
1987年 90,000
1986年 93,000
1985年 86,000
1984年 84,000
1983年 82,000
1982年 80,000
1981年 78,000
1980年 75,000
1979年 70,000
1978年 52,000
1977年 68,000
1976年 45,000
1975年 101,000
1974年 120,000
1973年 119,000
1972年 100,000
1971年 110,743
1970年 98,757
1969年 88,500
1968年 78,426
1967年 85,000
1966年 79,000
1965年 93,000
1964年 105,000
1963年 100,000
1962年 85,000
1961年 85,000

モザンビークの米生産量の長期的な推移を見ると、1960年代から1970年代前半にかけては緩やかな増加が見られます。この時期、100,000トンを超える年もあり、国内の農業生産が比較的安定していたことが示されています。しかし、1970年代後半から1980年代にかけての期間では、生産量が著しく低下しています。この背後には、独立後の政情不安や内戦が影響していることが考えられます。たとえば、独立直後の1976年には45,000トン、1980年代初頭には70,000トン前後へと急激に落ち込みました。このデータから、地政学的リスクが農業生産に深刻な影響を与えたことがわかります。

1990年代以降、モザンビークの米生産量は再び回復基調に転じ、1996年には初めて139,000トンを記録し、1997年には飛躍的に180,218トンとなりました。この背景には、平和協定後の経済安定化や農業分野の改革支援があったと考えられます。また、2000年代後半以降、生産量に大きな変動が見られますが、2010年には過去最高となる258,000トンへと到達し、2012年から2018年にかけての期間にはさらに顕著な増加を遂げています。特に2018年には413,000トンを記録し、過去の傾向から大きく前進したといえるでしょう。

一方、2018年以降のデータは、生産量がピークを過ぎて減少に転じていることを示しています。例えば、2022年の生産量は365,000トンと、2018年の413,000トンに比べて減少しています。この減少には複数の要因が関与している可能性があると推測されます。異常気象(例えば洪水や干ばつ)や、農業技術の整備不足、インフラの未発展、さらには国際的な市場変動などが挙げられます。

モザンビークにおける米生産の課題として、まず第一に農業インフラの未整備が挙げられます。農地への灌漑設備の導入率が低く、気候変動の影響を受けやすい状態が続いています。また、農民に対する技術支援や資金援助の限定的な供給も、収量の安定化を妨げる要因となっています。さらに、グローバル市場での競争力が不足しており、輸出の拡大が難しいという側面も存在します。

このような背景を踏まえると、モザンビークが米の生産量を持続的に増加させるためには、農地の効率的な利用や農業技術の向上に向けた投資が必要です。具体的な対策としては、灌漑インフラの整備を急ぎ、気候変動への適応能力を高めることが挙げられます。また、農村部の農業者に対して新しい栽培技術を普及させるための教育や訓練を充実させるべきです。さらには、地域間の協力関係を強化し、近隣諸国との貿易の促進を図ることも重要です。例えば、アフリカ連合や地域経済共同体を活用した貿易協力の枠組みを構築することが求められます。

この取り組みを進める中で、国際機関による支援も決定的な役割を果たすと言えます。例えば、FAOや世界銀行が資金援助や技術支援を提供し、広範囲なプロジェクトを推進することが可能です。これにより、モザンビークの米の生産能力を強化し、持続可能な繁栄を実現する道が拓けるでしょう。モザンビークにおける米生産の持続的成長は、国内の食料安全保障を確保し、ひいては地域の経済発展にも寄与すると期待されます。