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ベネズエラ (ボリバル共和国)の米生産量推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データ(2024年7月更新)によると、ベネズエラ (ボリバル共和国)の米生産量は長期的な推移の中で大きく変動しています。最高生産量は2009年の1,100,511トンに達しましたが、2022年には478,473トンに減少しました。特に2015年以降は生産量の急激な減少が見られ、近年は不安定な傾向を示しています。

年度 生産量(トン)
2022年 478,473
2021年 743,571
2020年 704,531
2019年 516,752
2018年 490,583
2017年 588,587
2016年 498,469
2015年 802,015
2014年 1,158,056
2013年 1,084,012
2012年 1,045,878
2011年 1,018,258
2010年 899,584
2009年 1,100,511
2008年 1,092,268
2007年 1,054,857
2006年 1,122,870
2005年 1,004,518
2004年 974,091
2003年 678,890
2002年 668,164
2001年 761,064
2000年 676,775
1999年 720,193
1998年 701,168
1997年 792,239
1996年 779,906
1995年 756,950
1994年 728,054
1993年 723,406
1992年 622,620
1991年 610,508
1990年 495,000
1989年 415,800
1988年 383,266
1987年 373,247
1986年 321,527
1985年 471,722
1984年 407,841
1983年 449,475
1982年 608,523
1981年 681,292
1980年 618,908
1979年 613,584
1978年 501,600
1977年 495,940
1976年 206,288
1975年 362,925
1974年 296,552
1973年 301,899
1972年 164,691
1971年 153,038
1970年 226,233
1969年 243,874
1968年 244,592
1967年 223,052
1966年 194,955
1965年 199,900
1964年 165,753
1963年 131,117
1962年 103,133
1961年 80,658

ベネズエラの米生産量推移を振り返ると、大きな変動を伴い、時々の経済的、社会的、地政学的要因が生産に影響を与えていることがわかります。1960年代から1980年代にかけては、農業技術の導入や生産インフラの整備により、米生産は持続的な増加を見せ、1980年では約618,908トンと、初期の数値から飛躍的な成長を遂げました。この期間は、当時石油収入による経済の安定が農業振興への資金投入を可能にしていたことが背景とされています。

1990年代から2000年代初頭にかけても生産量はおおむね増加傾向を維持していましたが、1990年代後半以降になると、大統領政権の変化や政策の影響を受け、一部の年では顕著な減少も見られました。ただ、2004年から2009年にかけて急速に生産量が増加し、2009年には約1,100,511トンと過去最高を記録しました。この伸びは、国家の農業支援政策や当時の経済状況が農業の促進に寄与した結果と考えられます。

しかし、2015年以降の米生産量は急激に減少しています。この減少の背後には、経済危機の悪化、政情不安、人材や資源の不足、そしてインフラの老朽化など、多くの課題が絡み合っています。特に2016年から2022年にかけての生産量の減少は顕著で、2022年の478,473トンはピーク時の約半分以下にまで減少している状況です。また、天候不良や新型コロナウイルスのパンデミックが農業労働力や物流に与えた悪影響も軽視できません。このような状況では、国内の食糧安全保障に深刻なリスクが伴います。

国際的に見ると、日本では2020年の米生産量が約760万トン、中国では約2億トンを超えています。このような主要な米生産国との比較において、ベネズエラの生産規模は小規模であるだけでなく、安定性に欠けていることが際立っています。隣国であるコロンビアやブラジルでも、米の生産量は増加傾向にあり、これはベネズエラの経済および農業政策の停滞が地域的な競争力を低下させていることを示しています。

今後の課題として、国内農業の再生、特に米の生産基盤の立て直しが重要です。具体的には、以下のような施策が提言されます。最初に、農業インフラの再建と機械化を進めることです。これにより、生産効率および収穫量の向上が期待されます。さらに、農業従事者への荷重減少策や適切な補助金政策を適用し、労働意欲を刺激する必要があります。また、環境リスクに対応するための灌漑システムの整備や、気候変動を見越した耐性作物の導入も重要です。これらは、持続可能な農業を目指す上で欠かせない取り組みです。

国際協力の促進も重要です。例えば、多国間の技術提供や専門家派遣を通じて、ベネズエラの農業生産性を引き上げることが期待できます。具体的には、国際連合や地域連携機関による農業支援の枠組みを活用することで、効率的な改善を図ることが考えられます。

結論として、ベネズエラの米生産は、過去には成長を遂げた一方で、近年では深刻な減少を見せており、これは国家全体の経済基盤や社会安定性に影響を及ぼしています。国および国際社会が一体となり、農業政策の見直しと生産支援に取り組むことで、ベネズエラの米生産は再び回復の兆しを見せる可能性があります。