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ウガンダの米生産量推移(1961年~2023年)

ウガンダの米生産量の推移は、1960年代から2022年にかけて大きく変動しながらも、長期的には増加傾向を示しています。特に、1990年代から2000年代には安定した成長が見られ、2021年には急激な増加により過去最高の727,120トンを記録しました。2022年もほぼ同水準の730,000トンとなり、ウガンダは米生産の重要な国としての地位を確立しつつあります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 260,000
-64.38% ↓
2022年 730,000
0.4% ↑
2021年 727,120
94.94% ↑
2020年 373,000
124.7% ↑
2019年 166,000
-16.69% ↓
2018年 199,266
5.61% ↑
2017年 188,674
-12.21% ↓
2016年 214,910
-9.77% ↓
2015年 238,193
0.5% ↑
2014年 237,008
10.75% ↑
2013年 214,000
0.94% ↑
2012年 212,000
-9.01% ↓
2011年 233,000
6.83% ↑
2010年 218,111
6% ↑
2009年 205,765
15.69% ↑
2008年 177,857
9.79% ↑
2007年 162,000
5.19% ↑
2006年 154,000
0.65% ↑
2005年 153,000
26.45% ↑
2004年 121,000
-8.33% ↓
2003年 132,000
10% ↑
2002年 120,000
5.26% ↑
2001年 114,000
4.59% ↑
2000年 109,000
14.74% ↑
1999年 95,000
5.56% ↑
1998年 90,000
12.5% ↑
1997年 80,000
-2.44% ↓
1996年 82,000
6.49% ↑
1995年 77,000 -
1994年 77,000
4.05% ↑
1993年 74,000
8.82% ↑
1992年 68,000
11.48% ↑
1991年 61,000
12.96% ↑
1990年 54,000
20% ↑
1989年 45,000
95.65% ↑
1988年 23,000
15% ↑
1987年 20,000
-4.76% ↓
1986年 21,000
10.53% ↑
1985年 19,000
-5% ↓
1984年 20,000
-9.09% ↓
1983年 22,000
15.79% ↑
1982年 19,000
26.67% ↑
1981年 15,000
-11.76% ↓
1980年 17,000
13.33% ↑
1979年 15,000
-41.63% ↓
1978年 25,700
22.38% ↑
1977年 21,000
-27.59% ↓
1976年 29,000
81.25% ↑
1975年 16,000
6.67% ↑
1974年 15,000
72.41% ↑
1973年 8,700
-44.59% ↓
1972年 15,700
-28.64% ↓
1971年 22,000
92.31% ↑
1970年 11,440
139.98% ↑
1969年 4,767
66.21% ↑
1968年 2,868
-63.34% ↓
1967年 7,824
26.23% ↑
1966年 6,198
30.48% ↑
1965年 4,750
106.52% ↑
1964年 2,300
39.39% ↑
1963年 1,650
-58.75% ↓
1962年 4,000
25% ↑
1961年 3,200 -

ウガンダの米生産量に関するデータは、国内農業の進展とともに長期的な生産量の増加傾向を示しています。1961年にはわずか3,200トンだった生産量は、1990年代から本格的に成長を始め、安定して拡大していきました。この背景には、農業技術の導入、灌漑設備の向上、および米が国内で重要な食糧作物として位置付けられていることなどがあります。2000年以降は大規模な生産拡大が見られましたが、特筆すべきは2020年からの劇的な変化です。2020年には373,000トン、そして2021年には727,120トンという急激な増加を遂げています。これらは過去のトレンドと比較しても異例の跳躍です。

地政学的な視点から、この急激な生産増加は、地域の安定化や農業投資の拡大、あるいは気候条件の影響を受けている可能性があります。また、ウガンダ政府が農業セクターに重点を置き、持続可能な灌漑手法や現代的な農業機械の導入を促進していることも一因と考えられます。ただし、新型コロナウイルスの流行により、輸出入が制限されたことが逆に国内での供給増加を後押しした可能性も否定できません。

しかしながら、2022年にかけて急増した米の生産量が今後も持続可能であるかどうかは疑問が残ります。ウガンダの気候は乾燥化の進行により不安定性を増しており、長期的な灌漑や土壌管理が不可欠になります。また、農業従事者への教育や技術支援が不足しているため、平均的な農業収益が十分に確保できていないという課題もあります。

他国と比較すると、ウガンダの2022年の生産量はアジアの主要米生産国、特にインドや中国には遠く及びません。例えば、インドは年間約1億5,000万トン、中国は約1億4,000万トンという莫大な生産量を誇っています。しかし、アフリカ諸国内では、ナイジェリアやエジプトに次ぐ規模の生産国となりつつあります。このため、ウガンダはアフリカ全体の米需要を支える重要な役割を担う可能性があります。

今後、ウガンダが継続して米生産を強化し、地域の食糧安全保障に貢献するためには、いくつかの具体的な対策が求められます。第一に、灌漑インフラの拡大と更新を通じて乾燥化による影響を最小限に抑えることが必要です。第二に、小規模農家への技術支援を強化することで、生産効率を一層向上させることができます。第三に、気候変動に対応した米品種の開発と導入を進めることで、将来のリスクに対処できるでしょう。また、アフリカ各国との農業協力を進めることで、地域間の知識共有と市場の拡大が期待されます。

結論として、ウガンダの米生産量は過去数十年で著しく成長し、アフリカにおける主要生産国となるための基盤を築いています。しかし、持続可能な成長を実現するためには、構造的な課題の解決と国際的な協力が不可欠です。国際連合や地域機関の支援を活用しながら、効率的で環境に配慮した農業政策を推進すべきです。このような取り組みは、ウガンダ国内での食糧安全保障を強化するだけでなく、アフリカ全体の食糧供給の安定化にも寄与するでしょう。