世界の米生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1999年の米生産量ランキングによると、中国が約1億9,850万トンで首位、インドが約1億3,450万トンで続いており、この二国だけで世界の米生産の大部分を占めています。3位のインドネシアが約5,080万トン、4位バングラデシュが約3,440万トン、5位ベトナムが約3,140万トンと、ほかの国々と比較して大きく差があります。これら上位国の多くはアジア地域に集中しており、アジアが世界の主食である米の生産において中心的な役割を果たしていることが分かります。一方、日本は10位に位置し、約1,146万トンを生産しており、アメリカは11位で、日本をわずかに下回っています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	198,487,008
2	インド	アジア	134,495,904
3	インドネシア	アジア	50,866,388
4	バングラデシュ	アジア	34,430,000
5	ベトナム	アジア	31,393,800
6	タイ	アジア	24,171,412
7	ミャンマー	アジア	20,122,000
8	フィリピン	アジア	11,786,625
9	ブラジル	南アメリカ	11,709,694
10	日本	アジア	11,468,800
11	アメリカ合衆国	北アメリカ	9,345,230
12	パキスタン	アジア	7,733,417
13	大韓民国	アジア	7,065,900
14	エジプト	アフリカ	5,816,960
15	ネパール	アジア	4,216,465
16	カンボジア	アジア	4,040,900
17	ナイジェリア	アフリカ	3,277,000
18	スリランカ	アジア	2,857,100
19	マダガスカル	アフリカ	2,570,000
20	イラン（イスラム共和国）	アジア	2,348,241
21	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,343,000
22	コロンビア	南アメリカ	2,185,232
23	ラオス人民民主共和国	アジア	2,102,815
24	マレーシア	アジア	2,036,641
25	ペルー	南アメリカ	1,955,027
26	中国、台湾 中国省	アジア	1,916,300
27	アルゼンチン	南アメリカ	1,658,200
28	イタリア	ヨーロッパ	1,427,100
29	オーストラリア	オセアニア	1,389,800
30	ウルグアイ	南アメリカ	1,328,222
31	エクアドル	南アメリカ	1,289,684
32	ギニア	アフリカ	1,092,490
33	スペイン	ヨーロッパ	845,100
34	タンザニア連合共和国	アフリカ	728,600
35	マリ	アフリカ	727,140
36	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	720,193
37	コートジボワール	アフリカ	609,625
38	ドミニカ共和国	南アメリカ	566,501
39	ガイアナ	南アメリカ	562,260
40	キューバ	南アメリカ	559,000
41	ロシア連邦	ヨーロッパ	443,394
42	ウズベキスタン	アジア	442,900
43	メキシコ	南アメリカ	394,434
44	セネガル	アフリカ	364,000
45	コンゴ民主共和国	アフリカ	350,000
46	トルコ	アジア	340,000
47	アフガニスタン	アジア	280,000
48	コスタリカ	南アメリカ	264,317
49	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	256,789
50	シエラレオネ	アフリカ	247,235
51	パナマ	南アメリカ	224,341
52	ガーナ	アフリカ	209,750
53	ニカラグア	南アメリカ	205,610
54	カザフスタン	アジア	199,300
55	リベリア	アフリカ	196,300
56	モザンビーク	アフリカ	186,087
57	スリナム	南アメリカ	180,295
58	イラク	アジア	180,000
59	ギリシャ	ヨーロッパ	170,465
60	チャド	アフリカ	158,282
61	ポルトガル	ヨーロッパ	151,650
62	パラグアイ	南アメリカ	128,093
63	ハイチ	南アメリカ	125,000
64	フランス	ヨーロッパ	110,256
65	ウガンダ	アフリカ	95,000
66	ブルキナファソ	アフリカ	94,209
67	マラウイ	アフリカ	92,833
68	モーリタニア	アフリカ	86,463
69	トーゴ	アフリカ	81,061
70	ギニアビサウ	アフリカ	80,300
71	カメルーン	アフリカ	67,470
72	ウクライナ	ヨーロッパ	63,600
73	ニジェール	アフリカ	61,989
74	チリ	南アメリカ	61,000
75	ブルンジ	アフリカ	58,630
76	エルサルバドル	南アメリカ	57,364
77	ケニア	アフリカ	52,711
78	グアテマラ	南アメリカ	48,398
79	タジキスタン	アジア	47,326
80	ブータン	アジア	46,958
81	モロッコ	アフリカ	34,650
82	ベナン	アフリカ	34,040
83	東ティモール	アジア	33,585
84	トルクメニスタン	アジア	33,300
85	ガンビア	アフリカ	31,700
86	中央アフリカ共和国	アフリカ	21,000
87	フランス領ギアナ	南アメリカ	19,883
88	北マケドニア	ヨーロッパ	17,430
89	フィジー	オセアニア	17,301
90	アゼルバイジャン	アジア	15,874
91	キルギスタン	アジア	15,066
92	ザンビア	アフリカ	14,700
93	エチオピア	アフリカ	14,000
94	ベリーズ	南アメリカ	12,619
95	ホンジュラス	南アメリカ	12,446
96	ルワンダ	アフリカ	8,919
97	ハンガリー	ヨーロッパ	7,487
98	アンゴラ	アフリカ	7,402
99	ブルガリア	ヨーロッパ	7,000
100	ルーマニア	ヨーロッパ	3,813
101	ソロモン諸島	オセアニア	3,240
102	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,110
103	南アフリカ	アフリカ	2,900
104	ソマリア	アフリカ	2,000
105	コンゴ	アフリカ	1,273
106	コモロ	アフリカ	1,137
107	ガボン	アフリカ	961
108	パプアニューギニア	オセアニア	650
109	ジンバブエ	アフリカ	463
110	アルジェリア	アフリカ	456
111	ブルネイ ダルサラーム	アジア	300
112	レユニオン	アフリカ	109
113	エスワティニ	アフリカ	100
114	ミクロネシア連邦	オセアニア	97
115	ジャマイカ	南アメリカ	31
116	中国、香港特別行政区	アジア	0
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1999年における米生産量のランキングでは、中国が圧倒的な1位となり、2位のインドとの間に約6,400万トンの差をつける結果となりました。中国とインドだけで、世界の米生産量全体の50%以上を占めており、世界的な米の安定供給においてアジアの圧倒的な重要性を示しています。このデータは、アジアが温暖な気候や豊富な水資源、そして農業に適した地理的条件に恵まれていることを反映しているといえます。

3位以下のインドネシア、バングラデシュ、ベトナムも重要な米生産国であり、この中でも特にベトナムやタイは、米の輸出市場においても大きな存在感を持っています。また、日本に関しては10位にランクインしており、1,146万トンの米生産量を記録しています。これは国内の需要を満たすためには十分ですが、輸出を目的とする規模ではないことを意味しており、自国消費が主体である日本の農業構造を反映しています。

特徴的なのは、トップ10にランクインする国々の多くがアジア地域に属している点です。これは、同地域が人口が集中し、伝統的に米が主食である文化的背景を持っていることを反映しています。この地域の米生産には、安定したモンスーンや肥沃な土壌、急速な農業技術の進歩が寄与しています。一方で、アメリカ（11位）、ブラジル（9位）など非アジア地域の国々も一定の生産量を誇り、これらは地域特性に応じた効率的な農業経営による成果といえます。

しかし、このデータから浮かび上がる課題もあります。例えば、ベトナム、タイ、ミャンマーなどでは、米生産が地域の基幹産業である一方で、農業収益の低さから深刻な貧困問題や労働力の流出が続いています。これらの国が直面する課題は、気候変動や土壌劣化といった農業環境の変化がさらに厳しい圧力を加える可能性があるため、早急な対策が必要です。

また、日本や韓国のように、都市化や高齢化が続いている国々では、農業従事者の減少が米生産量の維持に大きな影響を与えています。これに対し、日本は技術の高度化や耕作地の大規模化、さらには輸入に頼る選択肢を含めた食料安全保障政策の再構築が重要となるでしょう。

さらに、地政学的背景に目を向けると、アジア地域の中でもインドや中国では、米の安定供給が単に国内需給の問題ではなく、地域間関係や食料安全保障政策においても重要な役割を果たします。例えば、インドが隣国に安定した米を提供することは、地域の平和維持や外交関係強化にとって不可欠です。一方、米生産の主要国が遭遇する自然災害や洪水は、国際的な米供給に長期的な影響を及ぼす可能性があります。

今後の対策としては、まずアジア全体での効率的な水資源管理や農業技術の共有化が挙げられます。気候変動の影響を最小限に抑えるための耐性高い作物の育種や、災害時の国際的な米備蓄協定の締結も有効な手段となるでしょう。さらには、労働環境の改善や農業を通した若者の雇用促進を図ることも、農業産業の持続性を確保するうえで鍵となります。

結論として、1999年の米生産データは、アジア地域が世界の食料安全保障においてきわめて重要であることを示唆しています。同時に、気候変動や社会構造の変化が農業に与える課題も浮かび上がりました。今後、国際的な協力の強化や技術革新、政策改善を通じて、持続可能で安定した米の供給体制を構築する努力が求められます。