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ジャマイカの米生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ジャマイカの米生産量は1961年の4,877トンから徐々に減少し、2000年代初頭からはほぼゼロに近い水準に留まっています。最盛期には5,588トン(1963年)、また短期間の回復期も見られましたが、2017年以降は年間1トン程度となり、実質的な生産停止に近い状況です。これは自然災害、農業政策、経済状況の変化、そして輸入依存の構造が関与している可能性があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2019年 1 -
2017年 1
-92.65% ↓
2016年 14
-24.44% ↓
2015年 18
-18.18% ↓
2014年 22
-47.62% ↓
2013年 42
-86.05% ↓
2012年 301
28.25% ↑
2011年 235
-11.1% ↓
2010年 264
76% ↑
2009年 150
50% ↑
2008年 100
53.85% ↑
2007年 65
3150% ↑
2006年 2
-33.33% ↓
2005年 3
-70% ↓
2004年 10
-28.57% ↓
2003年 14
40% ↑
2002年 10
-69.7% ↓
2001年 33
175% ↑
2000年 12
-61.29% ↓
1999年 31
3.33% ↑
1998年 30
3.45% ↑
1997年 29
-3.33% ↓
1996年 30
-81.01% ↓
1995年 158
-37.55% ↓
1994年 253
-5.95% ↓
1993年 269
-46.84% ↓
1992年 506
-9.96% ↓
1991年 562
155.45% ↑
1990年 220
-57.36% ↓
1989年 516
-70.19% ↓
1988年 1,731
-23.31% ↓
1987年 2,257
-8.66% ↓
1986年 2,471
-42% ↓
1985年 4,260
-20.58% ↓
1984年 5,364
58.37% ↑
1983年 3,387
120.51% ↑
1982年 1,536
-17.42% ↓
1981年 1,860
-22.14% ↓
1980年 2,389
96.3% ↑
1979年 1,217
-49.48% ↓
1978年 2,409
83.75% ↑
1977年 1,311
-33.92% ↓
1976年 1,984
-25.44% ↓
1975年 2,661
817.59% ↑
1974年 290
18.85% ↑
1973年 244
51.55% ↑
1972年 161
-66.87% ↓
1971年 486
-20.33% ↓
1970年 610
-14.21% ↓
1969年 711
18.3% ↑
1968年 601
-18.45% ↓
1967年 737
-46.98% ↓
1966年 1,390
-43.01% ↓
1965年 2,439
-11.08% ↓
1964年 2,743
-50.91% ↓
1963年 5,588
10% ↑
1962年 5,080
4.16% ↑
1961年 4,877 -

ジャマイカの米生産量は、1960年代の初頭には4,000から5,000トン台の間で推移していましたが、1964年以降急激に減少し始めました。特に1966年から1972年の間、年間生産量が1,000トン以下になる低迷期を迎え、以降も断続的な減少が継続しています。最も顕著なのは1990年代以降で、この期間には100トン未満の年が多く、2000年を境に年間生産量がわずか数トンにとどまります。FAOの最新データを見ると、2017年以降はほぼゼロとなっており、米生産は実質的に停止したと言えるでしょう。

この長期的な低迷にはいくつかの要因が考えられます。まず、ジャマイカの地理的条件として、国土が比較的小さく、適切な水資源や農地の確保が難しい点が挙げられます。米の生産には大量の水が必要ですが、ジャマイカの気候や灌漑インフラの発展不足がそれを制約している可能性があります。また、同時期に起こった政策変更や輸入米への依存度の高まりが国内生産をさらに圧迫したと考えられます。1960年代から70年代の減少は当時の世界的な米需要の増加に伴う輸入品価格の低下と関連している可能性もあります。

経済面で見ると、ジャマイカの農業は砂糖やバナナの輸出作物産業に重点を置いてきました。1970年代以降は観光業の拡大が進み、農業よりもサービス業が重視されるようになったことも、米生産の衰退につながった要因の一つです。さらに、自然災害の影響も無視できません。ジャマイカはハリケーンなどの災害に頻繁に見舞われる国であり、これが農地や生産施設に大きな被害を及ぼしてきました。

今後改善を図るためには、いくつかの具体的な方策が考えられます。一つは、米の生産に必要な灌漑技術の改善です。政府および国際機関は、水資源の効率的利用を可能にするインフラ整備を支援するべきです。また、多様な農業の基盤を構築するために、ジャマイカ独自の気候に適した品種の研究や導入も重要と言えるでしょう。

さらに地域間協力も課題解決の鍵となります。カリブ諸国との連携を強化し、輸入米の価格競争力に対抗できるような共同生産体制を整備することで、輸入依存度を緩和する可能性があります。同時に、輸出に頼らない地元農業の活性化を目指し、小規模生産者への支援拡充や新興農業技術の導入を加速させるべきです。

結論として、ジャマイカの米生産量低下は、環境条件、経済政策、そして国際輸入依存の多要因に起因します。現状は厳しいものの、農業インフラの構築、地域統合の促進、そして政府の持続的な政策支援によって解決の糸口が見つかる可能性は十分にあります。国際機関や地域協力の枠組みを通じて、持続可能な農業政策を設け、生産能力を回復させることが期待されます。

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