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世界の米生産量ランキング2023(最新)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2023年度の米の生産量ランキングによれば、1位はインド(206,727,000トン)、2位は中国(206,603,200トン)、3位はバングラデシュ(58,613,458トン)でした。日本は12位で10,136,000トンを生産し、主に国内消費を中心とした輸出量の少ない米生産国としてのポジションを維持しています。一方で、アメリカやブラジルといった非アジア諸国も一定の生産量を持ちながら、輸出市場での活躍が目立ちます。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 インド アジア 206,727,000
2 中国 アジア 206,603,200
3 バングラデシュ アジア 58,613,458
4 インドネシア アジア 53,980,993
5 ベトナム アジア 43,497,625
6 タイ アジア 33,070,957
7 ミャンマー アジア 25,650,000
8 フィリピン アジア 20,059,562
9 パキスタン アジア 14,803,800
10 カンボジア アジア 12,900,000
11 ブラジル 南アメリカ 10,285,663
12 日本 アジア 10,136,000
13 アメリカ合衆国 北アメリカ 9,901,510
14 ナイジェリア アフリカ 8,902,200
15 ネパール アジア 5,724,200
16 エジプト アフリカ 5,600,000
17 マダガスカル アフリカ 5,117,636
18 大韓民国 アジア 4,897,839
19 スリランカ アジア 4,513,431
20 ラオス人民民主共和国 アジア 3,835,000
21 イラン(イスラム共和国) アジア 3,598,594
22 タンザニア連合共和国 アフリカ 3,588,000
23 ギニア アフリカ 3,534,800
24 ペルー 南アメリカ 3,367,614
25 マリ アフリカ 3,023,891
26 コロンビア 南アメリカ 3,006,100
27 マレーシア アジア 2,166,738
28 コートジボワール アフリカ 2,011,500
29 コンゴ民主共和国 アフリカ 1,812,345
30 朝鮮民主主義人民共和国 アジア 1,775,788
31 セネガル アフリカ 1,519,700
32 ガーナ アフリカ 1,463,000
33 中国、台湾 中国省 アジア 1,461,000
34 シエラレオネ アフリカ 1,399,500
35 イタリア ヨーロッパ 1,378,640
36 ウルグアイ 南アメリカ 1,372,700
37 エクアドル 南アメリカ 1,313,000
38 アルゼンチン 南アメリカ 1,163,209
39 ロシア連邦 ヨーロッパ 1,065,700
40 ガイアナ 南アメリカ 995,000
41 パラグアイ 南アメリカ 978,450
42 ドミニカ共和国 南アメリカ 947,005
43 トルコ アジア 900,000
44 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 722,370
45 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 698,544
46 アフガニスタン アジア 597,000
47 ブルキナファソ アフリカ 504,254
48 ニカラグア 南アメリカ 498,969
49 オーストラリア オセアニア 496,633
50 ベナン アフリカ 492,626
51 カザフスタン アジア 485,183
52 モーリタニア アフリカ 458,200
53 パナマ 南アメリカ 436,135
54 ブルンジ アフリカ 412,369
55 カメルーン アフリカ 358,433
56 ウズベキスタン アジア 355,674
57 スペイン ヨーロッパ 334,100
58 ウガンダ アフリカ 260,000
59 リベリア アフリカ 256,200
60 メキシコ 南アメリカ 252,100
61 ケニア アフリカ 229,064
62 ギニアビサウ アフリカ 226,400
63 チャド アフリカ 223,952
64 スリナム 南アメリカ 203,156
65 エチオピア アフリカ 202,000
66 ギリシャ ヨーロッパ 190,440
67 トーゴ アフリカ 183,100
68 ポルトガル ヨーロッパ 178,830
69 モザンビーク アフリカ 161,920
70 ニジェール アフリカ 142,600
71 ハイチ 南アメリカ 136,000
72 タジキスタン アジア 134,485
73 ルワンダ アフリカ 133,628
74 キューバ 南アメリカ 130,000
75 マラウイ アフリカ 124,300
76 チリ 南アメリカ 109,233
77 トルクメニスタン アジア 86,617
78 東ティモール アジア 83,000
79 コスタリカ 南アメリカ 76,119
80 フランス ヨーロッパ 68,270
81 ブルガリア ヨーロッパ 64,160
82 ザンビア アフリカ 62,680
83 モロッコ アフリカ 56,222
84 ガンビア アフリカ 55,100
85 中央アフリカ共和国 アフリカ 53,326
86 グアテマラ 南アメリカ 51,193
87 キルギスタン アジア 46,765
88 ブータン アジア 40,804
89 アンゴラ アフリカ 39,830
90 ホンジュラス 南アメリカ 34,870
91 南スーダン アフリカ 33,000
92 スーダン アフリカ 21,880
93 北マケドニア ヨーロッパ 19,997
94 ベリーズ 南アメリカ 17,701
95 アゼルバイジャン アジア 13,973
96 イラク アジア 12,602
97 ルーマニア ヨーロッパ 12,070
98 ウクライナ ヨーロッパ 11,080
99 エルサルバドル 南アメリカ 11,000
100 ハンガリー ヨーロッパ 8,330
101 フィジー オセアニア 7,165
102 ブルネイ ダルサラーム アジア 3,700
103 プエルトリコ 南アメリカ 3,628
104 南アフリカ アフリカ 3,082
105 ソロモン諸島 オセアニア 2,753
106 ソマリア アフリカ 2,000
107 ガボン アフリカ 1,731
108 エスワティニ アフリカ 1,001
109 コンゴ アフリカ 1,000
110 パプアニューギニア オセアニア 885
111 サウジアラビア アジア 816
112 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 326
113 アルジェリア アフリカ 307
114 ミクロネシア連邦 オセアニア 182
115 ジンバブエ アフリカ 74
116 コモロ アフリカ 21
117 中国、香港特別行政区 アジア 0
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2023年のデータでは、インドと中国がほぼ同水準の米生産量を誇り、世界の生産量の大部分を占めています。アジアは世界の米生産の中心地であり、ランキング上位10カ国のうち8カ国を占めています。これらの国々の共通点は、広大な農地と肥沃な土壌、また米を主食とする文化的背景が生産の背景にある点です。特にインドは、国内の膨大な需要を満たすだけでなく、近年は輸出量の増加にも力を入れています。

日本は12位で、10,136,000トンの生産量を記録しました。日本の米生産は、高品質のコメの生産と国内消費支援に重点を置いており、海外輸出は限定的です。日本市場の特徴的な点は、品質やブランド重視の流れが根強く、米食文化の変化や消費量の減少が進む中でも、高価格帯の付加価値生産を追求している点です。これに対してアメリカやブラジルは、大規模な農業方式により安価な米を大量生産しており、特にアメリカは輸出向けのコメ生産を強みにしています。

地域ごとの課題にも目を向けると、東南アジアでは気候変動が米生産に与える影響が顕著です。例えば、タイやベトナムといった主要輸出国は、降雨量の減少や洪水といった自然災害に直面しています。その結果、生産量の不安定さが課題であり、農業インフラや灌漑技術の革新が求められています。また、日本でも農業従事者の高齢化が長年の課題となっており、これを解決するためには、若者への農業支援や新技術の導入が必要とされています。

さらに地政学的な視点では、紛争や輸出規制が世界の米市場に影響を及ぼす可能性があります。例えば、インドによる一部米輸出の制限は、国際市場で価格上昇を引き起こしました。これにより、輸入依存度の高い国々で食糧安全保障への懸念が高まっています。これらの背景を考えると、グローバルな米の流通網の安定化が重要と言えます。

将来的な提案としては、生産国間の協力を通じた技術共有が挙げられます。たとえば、日本の高度な精密農業技術を東南アジアやアフリカ諸国に展開することで生産効率を上げる取り組みが期待されています。また、気候変動に対応した耐性品種の開発や、災害復旧のための資源配分の適正化も必要です。さらに、国際機関や政府は農業インフラへの投資を進めることで、長期的な生産基盤の強化を図るべきです。

このデータから導き出される結論は、米が地域ごとの事情や地政学的条件に強く影響を受ける一方で、安全保障と持続可能性が重要な課題として浮かび上がるということです。日本においても輸出拡大の余地があるため、これを踏まえた国際的戦略を構築することが求められます。