世界の牛飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）の発表によると、2001年度の牛飼養数ランキングにおいて1位はインド（1億8,966万頭）、2位はブラジル（1億7,638万8,726頭）、3位は中国（1億774万4,000頭）でした。このランキングでは、上位10カ国が世界全体の飼養数の大部分を占めており、日本は49位（約453万頭）にランクインしました。一方で、大規模な農牧業を持つ国々と、経済規模に対して牛の数が比較的少ない国々との間に顕著な差が見られます。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	インド	アジア	189,660,000
2	ブラジル	南アメリカ	176,388,726
3	中国	アジア	100,774,000
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	97,297,500
5	アルゼンチン	南アメリカ	48,851,400
6	エチオピア	アフリカ	35,383,312
7	メキシコ	南アメリカ	30,620,933
8	オーストラリア	オセアニア	27,721,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	27,519,840
10	コロンビア	南アメリカ	24,510,400
11	パキスタン	アジア	22,424,000
12	バングラデシュ	アジア	22,380,000
13	フランス	ヨーロッパ	21,137,970
14	タンザニア連合共和国	アフリカ	17,037,000
15	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	15,474,090
16	ナイジェリア	アフリカ	15,133,400
17	ドイツ	ヨーロッパ	14,567,737
18	カナダ	北アメリカ	13,608,200
19	南アフリカ	アフリカ	13,500,000
20	チャド	アフリカ	12,068,000
21	ケニア	アフリカ	11,475,861
22	ミャンマー	アジア	11,243,000
23	インドネシア	アジア	11,137,700
24	トルコ	アジア	10,761,000
25	イギリス	ヨーロッパ	10,600,000
26	ウルグアイ	南アメリカ	10,595,000
27	パラグアイ	南アメリカ	9,889,260
28	ウクライナ	ヨーロッパ	9,423,700
29	ニュージーランド	オセアニア	9,281,000
30	マダガスカル	アフリカ	8,800,000
31	イラン（イスラム共和国）	アジア	8,500,100
32	アイルランド	ヨーロッパ	7,049,700
33	ネパール	アジア	6,982,664
34	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	6,500,096
35	スペイン	ヨーロッパ	6,410,780
36	ジンバブエ	アフリカ	6,270,000
37	ウガンダ	アフリカ	6,144,000
38	マリ	アフリカ	6,116,077
39	イタリア	ヨーロッパ	6,050,000
40	ニジェール	アフリカ	5,810,869
41	カメルーン	アフリカ	5,800,000
42	ポーランド	ヨーロッパ	5,734,339
43	ウズベキスタン	アジア	5,353,400
44	ソマリア	アフリカ	5,256,000
45	ペルー	南アメリカ	5,035,612
46	ブルキナファソ	アフリカ	4,894,190
47	エクアドル	南アメリカ	4,657,016
48	タイ	アジア	4,640,355
49	日本	アジア	4,531,000
50	ベラルーシ	ヨーロッパ	4,220,500
51	カザフスタン	アジア	4,106,600
52	オランダ	ヨーロッパ	4,047,000
53	キューバ	南アメリカ	4,038,400
54	アンゴラ	アフリカ	4,000,000
55	チリ	南アメリカ	3,980,000
56	ベトナム	アジア	3,899,683
57	エジプト	アフリカ	3,801,071
58	ニカラグア	南アメリカ	3,300,000
59	中央アフリカ共和国	アフリカ	3,200,000
60	モンゴル	アジア	3,097,600
61	セネガル	アフリカ	3,061,000
62	ベルギー	ヨーロッパ	3,037,760
63	ギニア	アフリカ	3,033,942
64	ルーマニア	ヨーロッパ	2,870,000
65	カンボジア	アジア	2,868,727
66	ザンビア	アフリカ	2,700,000
67	モロッコ	アフリカ	2,647,100
68	グアテマラ	南アメリカ	2,568,200
69	ナミビア	アフリカ	2,508,570
70	フィリピン	アジア	2,495,600
71	ボツワナ	アフリカ	2,468,000
72	アフガニスタン	アジア	2,249,000
73	オーストリア	ヨーロッパ	2,155,447
74	ドミニカ共和国	南アメリカ	2,106,800
75	大韓民国	アジア	1,954,025
76	エリトリア	アフリカ	1,950,000
77	デンマーク	ヨーロッパ	1,906,911
78	ホンジュラス	南アメリカ	1,859,737
79	アゼルバイジャン	アジア	1,722,900
80	スウェーデン	ヨーロッパ	1,651,500
81	アルジェリア	アフリカ	1,613,040
82	スイス	ヨーロッパ	1,611,351
83	トルクメニスタン	アジア	1,600,000
84	ベナン	アフリカ	1,598,592
85	チェコ	ヨーロッパ	1,582,027
86	モーリタニア	アフリカ	1,565,178
87	パナマ	南アメリカ	1,533,461
88	イラク	アジア	1,458,000
89	ハイチ	南アメリカ	1,440,000
90	ポルトガル	ヨーロッパ	1,414,000
91	イエメン	アジア	1,342,000
92	コートジボワール	アフリカ	1,336,442
93	ガーナ	アフリカ	1,315,000
94	コスタリカ	南アメリカ	1,288,900
95	ラオス人民民主共和国	アジア	1,216,600
96	エルサルバドル	南アメリカ	1,216,300
97	グルジア	アジア	1,156,300
98	スリランカ	アジア	1,153,200
99	タジキスタン	アジア	1,061,700
100	フィンランド	ヨーロッパ	1,037,400
101	ノルウェー	ヨーロッパ	978,854
102	キルギスタン	アジア	947,021
103	シリア・アラブ共和国	アジア	836,868
104	ルワンダ	アフリカ	815,898
105	ハンガリー	ヨーロッパ	805,000
106	コンゴ民主共和国	アフリカ	792,986
107	チュニジア	アフリカ	763,000
108	マラウイ	アフリカ	749,029
109	リトアニア	ヨーロッパ	748,300
110	マレーシア	アジア	748,183
111	レソト	アフリカ	732,191
112	モザンビーク	アフリカ	722,199
113	アルバニア	ヨーロッパ	708,400
114	スロバキア	ヨーロッパ	646,148
115	ブルガリア	ヨーロッパ	639,778
116	ギリシャ	ヨーロッパ	613,060
117	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	570,000
118	ギニアビサウ	アフリカ	515,000
119	エスワティニ	アフリカ	505,966
120	アルメニア	アジア	497,306
121	スロベニア	ヨーロッパ	493,670
122	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	440,000
123	クロアチア	ヨーロッパ	438,423
124	ジャマイカ	南アメリカ	400,000
125	プエルトリコ	南アメリカ	396,350
126	モルドバ共和国	ヨーロッパ	394,006
127	イスラエル	アジア	390,000
128	ラトビア	ヨーロッパ	366,700
129	ブルンジ	アフリカ	360,440
130	フィジー	オセアニア	340,000
131	ブータン	アジア	325,944
132	ガンビア	アフリカ	323,167
133	オマーン	アジア	313,500
134	サウジアラビア	アジア	306,202
135	ジブチ	アフリカ	297,000
136	トーゴ	アフリカ	278,500
137	北マケドニア	ヨーロッパ	265,000
138	エストニア	ヨーロッパ	252,800
139	ルクセンブルク	ヨーロッパ	205,193
140	東ティモール	アジア	166,195
141	中国、台湾 中国省	アジア	153,933
142	シエラレオネ	アフリカ	150,000
143	リビア	アフリカ	130,210
144	バヌアツ	オセアニア	130,000
145	ガイアナ	南アメリカ	120,000
146	ニューカレドニア	オセアニア	110,000
147	アラブ首長国連邦	アジア	101,795
148	コンゴ	アフリカ	90,000
149	スリナム	南アメリカ	90,000
150	パプアニューギニア	オセアニア	88,000
151	レバノン	アジア	78,124
152	アイスランド	ヨーロッパ	70,168
153	ヨルダン	アジア	65,370
154	グアドループ	南アメリカ	63,200
155	ベリーズ	南アメリカ	58,037
156	キプロス	アジア	53,434
157	コモロ	アフリカ	53,000
158	リベリア	アフリカ	36,000
159	ガボン	アフリカ	36,000
160	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	30,300
161	レユニオン	アフリカ	30,089
162	マルティニーク	南アメリカ	28,342
163	サモア	オセアニア	28,000
164	パレスチナ国	アジア	26,601
165	カーボベルデ	アフリカ	21,500
166	バルバドス	南アメリカ	21,000
167	クウェート	アジア	20,331
168	マルタ	ヨーロッパ	19,200
169	ミクロネシア連邦	オセアニア	13,900
170	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	13,600
171	ドミニカ	南アメリカ	13,400
172	ソロモン諸島	オセアニア	13,000
173	トンガ	オセアニア	11,250
174	モーリシャス	アフリカ	11,000
175	セントルシア	南アメリカ	10,000
176	バーレーン	アジア	10,000
177	カタール	アジア	9,671
178	フランス領ギアナ	南アメリカ	9,200
179	フランス領ポリネシア	オセアニア	8,500
180	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	5,800
181	赤道ギニア	アフリカ	5,000
182	グレナダ	南アメリカ	4,400
183	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	4,300
184	サントメ・プリンシペ	アフリカ	4,100
185	フェロー諸島	ヨーロッパ	2,371
186	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,617
187	中国、香港特別行政区	アジア	1,500
188	セーシェル	アフリカ	1,250
189	バハマ	南アメリカ	682
190	シンガポール	アジア	200
191	クック諸島	オセアニア	160
192	ニウエ	オセアニア	113
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2001年の牛飼養数データは、農業生産や食肉消費、乳製品生産、農村経済の活性化など、さまざまな経済活動における基盤としての牛の役割を広範に理解するための重要な指標です。この年、インドが世界で最も多くの牛を飼養しており、食文化や宗教的背景により、牛が食肉供給よりも乳製品生産の中心的な役割を果たしている点が特徴的です。ブラジルも大規模な飼養数を誇り、その多くが食肉輸出向けで、世界有数の牛肉輸出国として地位を確立しています。中国では、農村開発や都市化の進展が牛の飼養パターンを変化させており、経済成長に伴う消費多様化とともに肉用牛の需要が増加傾向にあります。

これに対し、日本は49位で約453万頭の飼養数を持ちます。これは産業規模としては比較的小さく、地理的制約や土地資源の限界、輸入品の安さなどが要因とされています。日本国内では、特に高価格帯の和牛ブランドや乳製品生産が主流で、規模よりも品質を重視する傾向が見られます。

世界的には、牛飼養数が多い国は主に熱帯や温帯地域に集中しています。例えば、ブラジルやアルゼンチンといった南米諸国、アメリカ合衆国、オーストラリアなどです。これらの国々は広大な牧草地を持つため、牛の放牧が可能で、生産コストを抑えられる点が強みとなっています。一方で、エチオピアやナイジェリアなどのアフリカ諸国でも多くの牛が飼養されていますが、これらは主に農村部の家畜資源として利用され、近代的な農業インフラの欠如が課題となっています。

このデータから浮かび上がる現状の課題は多岐にわたります。地球温暖化や自然災害による牧草地や飲料水不足は、畜産業全体に深刻な影響を与える懸念があります。また、家畜由来のメタンガス排出が環境問題の一因とされており、持続可能な畜産業への移行が急務です。さらに、食肉需要の増加は、無秩序な農地開発や森林破壊につながるリスクを伴っています。特にブラジルでは、牛肉生産に関連するアマゾンの森林伐採問題が国際的な注目を集めています。

このような背景を踏まえ、いくつかの提言を行います。まず、持続可能な飼養システムの導入が鍵となります。放牧地の効率的利用や、責任ある土地管理を促進する政策は、過剰な森林伐採を抑制し、環境への負荷を軽減する重要な手段です。また、先進国を中心に、家畜飼料を効率的に利用し、排出ガスを削減する技術開発が必要です。さらに、国際機関を通じて「持続可能な畜産業のベストプラクティス」を各国が共有し、互いに学ぶ仕組みを作ることが求められます。

例えば、日本では良質な和牛生産技術を他国が学び、逆にブラジルやアルゼンチンからは農地の持続可能な使い方や大規模畜産技術を学ぶ、といった交流が現実的です。さらに、伝統的な農村経済に依存するエチオピアのような国々には、資金供与や技術支援を通じて近代化を推進する国際的な枠組みの強化が求められます。

結論としては、2001年度の牛飼養数データは、各国の農業政策や地理的条件、文化的要素が飼養数に与える影響を如実に物語っています。同時に、畜産業が直面する環境問題や持続可能性の課題も浮き彫りにしています。国際的な協力と技術革新を通じて、環境と経済のバランスを保ちながら、持続可能な農業システムを構築することが、未来への重要な道筋となるでしょう。