世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2018年の世界各国における鶏の飼養数ランキングで、中国が5,128,792羽と圧倒的な1位を占めており、2位のインドネシア（3,700,618羽）を大きく引き離しています。これに続くのはアメリカ（1,506,000羽）、ブラジル（1,465,647羽）、パキスタン（1,210,000羽）といった国々です。日本は323,126羽で11位にランクインしています。このデータは国の農業構造や消費習慣、地政学的な要因が鶏の飼養数に与える影響を反映しており、それぞれの国の食糧生産と需要バランスを示しています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	5,128,792,000
2	インドネシア	アジア	3,700,618,000
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,506,000,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,465,647,000
5	パキスタン	アジア	1,210,000,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	977,326,000
7	インド	アジア	790,877,000
8	メキシコ	南アメリカ	568,372,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	507,050,000
10	トルコ	アジア	353,561,000
11	日本	アジア	323,126,000
12	ベトナム	アジア	316,916,000
13	バングラデシュ	アジア	282,145,000
14	タイ	アジア	272,699,000
15	マレーシア	アジア	260,826,000
16	フランス	ヨーロッパ	239,290,000
17	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	212,425,000
18	モロッコ	アフリカ	206,327,000
19	サウジアラビア	アジア	195,009,000
20	ナイジェリア	アフリカ	192,525,000
21	ウクライナ	ヨーロッパ	186,737,000
22	ドミニカ共和国	南アメリカ	183,116,000
23	ポーランド	ヨーロッパ	182,200,000
24	イギリス	ヨーロッパ	178,000,000
25	フィリピン	アジア	175,772,000
26	コロンビア	南アメリカ	173,488,000
27	大韓民国	アジア	172,993,000
28	南アフリカ	アフリカ	171,063,000
29	カナダ	北アメリカ	169,149,000
30	エジプト	アフリカ	161,066,000
31	ペルー	南アメリカ	160,659,000
32	エクアドル	南アメリカ	158,473,000
33	アルジェリア	アフリカ	137,077,000
34	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	127,450,000
35	アルゼンチン	南アメリカ	113,604,000
36	オランダ	ヨーロッパ	105,104,000
37	ベラルーシ	ヨーロッパ	101,376,000
38	オーストラリア	オセアニア	99,784,000
39	中国、台湾 中国省	アジア	96,001,000
40	チュニジア	アフリカ	94,983,000
41	ガーナ	アフリカ	81,955,000
42	ミャンマー	アジア	76,565,000
43	コートジボワール	アフリカ	76,397,000
44	ルーマニア	ヨーロッパ	73,289,000
45	セネガル	アフリカ	72,523,000
46	ネパール	アジア	72,245,000
47	レバノン	アジア	70,490,000
48	イエメン	アジア	66,214,000
49	ウズベキスタン	アジア	65,670,000
50	エチオピア	アフリカ	59,420,000
51	チリ	南アメリカ	56,641,000
52	イラク	アジア	54,161,000
53	クウェート	アジア	53,012,000
54	ケニア	アフリカ	49,889,000
55	スーダン	アフリカ	49,294,000
56	ベルギー	ヨーロッパ	47,469,000
57	マリ	アフリカ	47,255,000
58	カメルーン	アフリカ	46,191,000
59	ホンジュラス	南アメリカ	45,785,000
60	イスラエル	アジア	45,752,000
61	カザフスタン	アジア	42,782,000
62	モルドバ共和国	ヨーロッパ	40,000,000
63	ザンビア	アフリカ	39,614,000
64	マダガスカル	アフリカ	39,488,000
65	ラオス人民民主共和国	アジア	39,218,000
66	タンザニア連合共和国	アフリカ	38,121,000
67	ブルキナファソ	アフリカ	37,988,000
68	グアテマラ	南アメリカ	37,945,000
69	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	37,666,000
70	アンゴラ	アフリカ	37,486,000
71	ギリシャ	ヨーロッパ	37,300,000
72	リビア	アフリカ	36,170,000
73	南スーダン	アフリカ	34,226,000
74	ウガンダ	アフリカ	34,137,000
75	ギニア	アフリカ	33,489,000
76	ハンガリー	ヨーロッパ	31,844,000
77	スウェーデン	ヨーロッパ	31,756,000
78	ウルグアイ	南アメリカ	31,678,000
79	アゼルバイジャン	アジア	30,498,000
80	トーゴ	アフリカ	29,934,000
81	ヨルダン	アジア	28,374,000
82	ガイアナ	南アメリカ	27,973,000
83	パナマ	南アメリカ	26,278,000
84	キューバ	南アメリカ	25,614,000
85	コスタリカ	南アメリカ	25,249,000
86	カタール	アジア	25,000,000
87	ニカラグア	南アメリカ	24,991,000
88	ニュージーランド	オセアニア	24,162,000
89	アラブ首長国連邦	アジア	24,130,000
90	シエラレオネ	アフリカ	22,599,000
91	チェコ	ヨーロッパ	22,428,000
92	ベナン	アフリカ	21,304,000
93	パラグアイ	南アメリカ	21,280,000
94	スリランカ	アジア	20,531,000
95	ニジェール	アフリカ	19,893,000
96	トルクメニスタン	アジア	19,630,000
97	デンマーク	ヨーロッパ	19,351,000
98	マラウイ	アフリカ	18,846,000
99	ブルガリア	ヨーロッパ	18,830,000
100	コンゴ民主共和国	アフリカ	18,443,000
101	ブルネイ ダルサラーム	アジア	18,397,000
102	エルサルバドル	南アメリカ	17,589,000
103	シリア・アラブ共和国	アジア	16,477,000
104	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	16,229,000
105	モザンビーク	アフリカ	15,885,000
106	セルビア	ヨーロッパ	15,685,000
107	ノルウェー	ヨーロッパ	15,598,000
108	モーリシャス	アフリカ	15,525,000
109	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	15,121,000
110	ジンバブエ	アフリカ	14,893,000
111	ジャマイカ	南アメリカ	13,890,000
112	カンボジア	アジア	13,200,000
113	フィンランド	ヨーロッパ	13,190,000
114	スロバキア	ヨーロッパ	13,030,000
115	アフガニスタン	アジア	12,565,000
116	スイス	ヨーロッパ	11,535,000
117	クロアチア	ヨーロッパ	10,881,000
118	パレスチナ国	アジア	10,838,000
119	リトアニア	ヨーロッパ	10,204,000
120	プエルトリコ	南アメリカ	8,970,000
121	グルジア	アジア	8,220,000
122	リベリア	アフリカ	7,977,000
123	アルバニア	ヨーロッパ	7,272,000
124	中央アフリカ共和国	アフリカ	6,822,000
125	タジキスタン	アジア	6,636,000
126	スリナム	南アメリカ	6,362,000
127	チャド	アフリカ	5,893,000
128	ハイチ	南アメリカ	5,796,000
129	ルワンダ	アフリカ	5,442,000
130	フィジー	オセアニア	5,348,000
131	バルバドス	南アメリカ	5,008,000
132	オマーン	アジア	4,860,000
133	モーリタニア	アフリカ	4,665,000
134	パプアニューギニア	オセアニア	4,587,000
135	キルギスタン	アジア	4,567,000
136	アルメニア	アジア	4,406,000
137	ナミビア	アフリカ	4,283,000
138	中国、香港特別行政区	アジア	4,256,000
139	スロベニア	ヨーロッパ	3,866,000
140	ソマリア	アフリカ	3,779,000
141	シンガポール	アジア	3,737,000
142	エスワティニ	アフリカ	3,559,000
143	ガボン	アフリカ	3,276,000
144	バハマ	南アメリカ	3,236,000
145	ブルンジ	アフリカ	3,215,000
146	コンゴ	アフリカ	2,905,000
147	エストニア	ヨーロッパ	2,059,000
148	ギニアビサウ	アフリカ	2,000,000
149	北マケドニア	ヨーロッパ	1,828,000
150	ベリーズ	南アメリカ	1,642,000
151	バーレーン	アジア	1,482,000
152	エリトリア	アフリカ	1,298,000
153	ブータン	アジア	1,145,000
154	ガンビア	アフリカ	1,043,000
155	東ティモール	アジア	938,000
156	モンゴル	アジア	878,000
157	ボツワナ	アフリカ	846,000
158	中国、マカオ特別行政区	アジア	773,000
159	モンテネグロ	ヨーロッパ	666,000
160	キリバス	オセアニア	640,000
161	ニューカレドニア	オセアニア	560,000
162	コモロ	アフリカ	539,000
163	バヌアツ	オセアニア	538,000
164	カーボベルデ	アフリカ	500,000
165	セントルシア	南アメリカ	465,000
166	サモア	オセアニア	441,000
167	レソト	アフリカ	419,000
168	赤道ギニア	アフリカ	369,000
169	トンガ	オセアニア	335,000
170	フランス領ポリネシア	オセアニア	325,000
171	サントメ・プリンシペ	アフリカ	319,000
172	グレナダ	南アメリカ	272,000
173	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	250,000
174	ソロモン諸島	オセアニア	244,000
175	アイスランド	ヨーロッパ	228,000
176	ドミニカ	南アメリカ	201,000
177	ミクロネシア連邦	オセアニア	191,000
178	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	155,000
179	セーシェル	アフリカ	134,000
180	ルクセンブルク	ヨーロッパ	123,000
181	ツバル	オセアニア	54,000
182	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	20,000
183	クック諸島	オセアニア	19,000
184	ニウエ	オセアニア	18,000
185	ナウル	オセアニア	5,000
186	トケラウ	オセアニア	5,000
+ すべての国を見る

2018年における鶏の飼養数は、国際連合食糧農業機関（FAO）が収集したデータに基づいており、各国の経済状況、消費者動向、農業政策と密接に関連しています。総合的に見て、中国が1位にランクすることは同国の巨大な人口規模と、豚肉と並んで鶏肉が主要なタンパク源となっている食文化を反映しています。中国の鶏飼養数は2位のインドネシアの約1.4倍となっており、世界最大の動物性タンパク質消費市場としての存在感を示しています。

同様に、インドネシアも豊かな人口構成や農村部における家禽生産の普及がその順位に寄与しています。一方、アメリカやブラジルは商業化された集約的な鶏肉生産が普及しており、世界的な輸出大国としても認知されています。ブラジルは特に輸出面での競争力が高く、鶏肉の主要供給国としての役割を果たしています。これに対して、日本の323,126羽という数値は他のアジア諸国に比べ比較的少なく、日本が自給率の低い農業構造に依存していることを反映しています。

このデータから、鶏の飼養数は地域ごとの消費需要や農地、気候、政策などの多方面から影響を受けていることが分かります。たとえば、イランやパキスタンのような国々では、養鶏が安価なタンパク質供給源として重要な役割を果たしています。一方で、欧州諸国の飼養数は他の地域に比べて低めであり、これは高水準な農地規制、安全基準、そして多様なタンパク質の供給源が存在することに起因しています。

地政学的な観点から言えば、鶏の飼養数の多寡は国家の食糧安全保障政策とも密接に関係しています。特に輸入依存度が高い国々においては、農業及び畜産の自給力向上が喫緊の課題です。同時に、資源争奪や紛争地域にいながらも、自国の食糧安全を確保するための鶏の飼養試みが行われている場面もあります。

未来に向けての主な課題としては、急速に増加する世界人口とそれに伴う食肉需要の上昇による環境負荷の軽減が挙げられます。飼養数の増加に伴う土地利用の圧迫や温室効果ガス排出量を抑制する取り組みが必要となるでしょう。具体的には、養鶏における技術革新、水資源の効率化、飼料生産の持続可能性を向上させる取り組みが求められます。一例として、次世代型の閉鎖環境型飼育技術や、地産地消型の鶏肉供給モデルの採用が挙げられます。

国際協力においては、地域間で養鶏技術の共有や、家禽を育てるための抗生物質使用問題への取り組みが重要です。特に動物用抗生物質の過剰使用は公衆衛生上のリスクを高めるため、これを適切に管理するためのルール策定が急務です。

最終的に、鶏の飼養数に関するデータは、単なる生産量だけでなく、それが示す社会経済的背景や課題を考慮に入れる必要があります。各国政府や国際機関が、食糧安全保障、環境保全、そして持続可能な開発目標（SDGs）の達成を視野に入れた具体的な政策を進めることが、世界全体の利益となるでしょう。