世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1992年度のデータを見ると、世界の鶏飼養数において中国が約2億3,500万羽で1位となり、全体の中で圧倒的な比率を占めています。次いで、アメリカ合衆国が約1億670万羽で2位、インドネシアが約7,357万羽で3位にランクインしています。日本は約3,346万羽で6位に位置しており、アジア地域での養鶏規模の大きさが見て取れます。世界全体では、アジア諸国が鶏飼養数の大部分を占め、多くの国で食料供給や経済活動における重要な資源として鶏が利用されていることが示されています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	2,350,000,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,067,000,000
3	インドネシア	アジア	735,773,000
4	ブラジル	南アメリカ	639,625,000
5	ロシア連邦	ヨーロッパ	630,152,000
6	日本	アジア	334,658,000
7	インド	アジア	284,025,000
8	メキシコ	南アメリカ	235,749,000
9	フランス	ヨーロッパ	213,960,000
10	ウクライナ	ヨーロッパ	208,836,000
11	イラン（イスラム共和国）	アジア	170,000,000
12	タイ	アジア	163,755,000
13	パキスタン	アジア	159,400,000
14	トルコ	アジア	152,530,000
15	スペイン	ヨーロッパ	144,717,000
16	イタリア	ヨーロッパ	135,000,000
17	ナイジェリア	アフリカ	118,000,000
18	イギリス	ヨーロッパ	116,300,000
19	カナダ	北アメリカ	108,000,000
20	ルーマニア	ヨーロッパ	106,032,000
21	バングラデシュ	アジア	100,563,000
22	オランダ	ヨーロッパ	99,359,000
23	ドイツ	ヨーロッパ	95,632,000
24	南アフリカ	アフリカ	88,000,000
25	中国、台湾 中国省	アジア	87,691,000
26	ベトナム	アジア	87,200,000
27	サウジアラビア	アジア	82,000,000
28	フィリピン	アジア	81,525,000
29	モロッコ	アフリカ	76,000,000
30	アルジェリア	アフリカ	76,000,000
31	アルゼンチン	南アメリカ	74,000,000
32	コロンビア	南アメリカ	74,000,000
33	大韓民国	アジア	73,324,000
34	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	72,000,000
35	ペルー	南アメリカ	62,535,000
36	オーストラリア	オセアニア	60,071,000
37	カザフスタン	アジア	59,300,000
38	エクアドル	南アメリカ	58,627,000
39	エジプト	アフリカ	50,933,000
40	マレーシア	アジア	50,231,000
41	ベラルーシ	ヨーロッパ	49,730,000
42	ポーランド	ヨーロッパ	45,623,000
43	チュニジア	アフリカ	38,000,000
44	ハンガリー	ヨーロッパ	35,556,000
45	ウズベキスタン	アジア	34,000,000
46	ドミニカ共和国	南アメリカ	32,500,000
47	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	31,581,000
48	キューバ	南アメリカ	31,380,000
49	ギリシャ	ヨーロッパ	27,376,000
50	ミャンマー	アジア	26,774,000
51	アゼルバイジャン	アジア	26,665,000
52	ケニア	アフリカ	25,870,000
53	チリ	南アメリカ	25,726,000
54	コンゴ民主共和国	アフリカ	25,568,000
55	コートジボワール	アフリカ	25,311,000
56	タンザニア連合共和国	アフリカ	25,000,000
57	モルドバ共和国	ヨーロッパ	23,642,000
58	イスラエル	アジア	23,080,000
59	マリ	アフリカ	22,300,000
60	ポルトガル	ヨーロッパ	22,137,000
61	モザンビーク	アフリカ	22,000,000
62	レバノン	アジア	21,500,000
63	ブルガリア	ヨーロッパ	20,907,000
64	ウガンダ	アフリカ	20,576,000
65	イエメン	アジア	20,400,000
66	ザンビア	アフリカ	19,000,000
67	カメルーン	アフリカ	19,000,000
68	グアテマラ	南アメリカ	18,300,000
69	デンマーク	ヨーロッパ	18,259,000
70	ブルキナファソ	アフリカ	18,111,000
71	ヨルダン	アジア	17,966,000
72	シリア・アラブ共和国	アジア	17,513,000
73	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	17,000,000
74	リビア	アフリカ	17,000,000
75	リトアニア	ヨーロッパ	16,600,000
76	セネガル	アフリカ	15,516,000
77	マダガスカル	アフリカ	13,795,000
78	ジンバブエ	アフリカ	13,500,000
79	ネパール	アジア	13,496,000
80	オーストリア	ヨーロッパ	13,479,000
81	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	12,600,000
82	プエルトリコ	南アメリカ	12,430,000
83	キルギスタン	アジア	12,161,000
84	パラグアイ	南アメリカ	11,973,000
85	ガーナ	アフリカ	11,232,000
86	グルジア	アジア	11,211,000
87	コスタリカ	南アメリカ	11,000,000
88	イラク	アジア	11,000,000
89	マラウイ	アフリカ	11,000,000
90	ニジェール	アフリカ	10,311,000
91	ホンジュラス	南アメリカ	10,128,000
92	クロアチア	ヨーロッパ	10,104,000
93	アイルランド	ヨーロッパ	9,920,000
94	カンボジア	アジア	9,901,000
95	ニュージーランド	オセアニア	9,600,000
96	クウェート	アジア	9,297,000
97	ラトビア	ヨーロッパ	9,115,000
98	ウルグアイ	南アメリカ	9,000,000
99	アルメニア	アジア	8,934,000
100	ラオス人民民主共和国	アジア	8,906,000
101	スリランカ	アジア	8,746,000
102	ジャマイカ	南アメリカ	8,500,000
103	スウェーデン	ヨーロッパ	8,230,000
104	ベナン	アフリカ	8,224,000
105	パナマ	南アメリカ	8,203,000
106	ギニア	アフリカ	8,169,000
107	レユニオン	アフリカ	7,681,000
108	トルクメニスタン	アジア	7,500,000
109	アラブ首長国連邦	アジア	7,100,000
110	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	6,800,000
111	タジキスタン	アジア	6,586,000
112	アフガニスタン	アジア	6,400,000
113	アンゴラ	アフリカ	6,300,000
114	スリナム	南アメリカ	6,193,000
115	スロベニア	ヨーロッパ	6,152,000
116	エルサルバドル	南アメリカ	6,030,000
117	ニカラグア	南アメリカ	6,000,000
118	シエラレオネ	アフリカ	6,000,000
119	トーゴ	アフリカ	5,742,000
120	エストニア	ヨーロッパ	5,538,000
121	モーリシャス	アフリカ	5,400,000
122	スイス	ヨーロッパ	5,341,000
123	中国、香港特別行政区	アジア	5,051,000
124	ハイチ	南アメリカ	5,000,000
125	フィンランド	ヨーロッパ	4,967,000
126	北マケドニア	ヨーロッパ	4,297,000
127	チャド	アフリカ	4,200,000
128	モーリタニア	アフリカ	3,800,000
129	ノルウェー	ヨーロッパ	3,689,000
130	カタール	アジア	3,517,000
131	リベリア	アフリカ	3,500,000
132	パプアニューギニア	オセアニア	3,100,000
133	キプロス	アジア	3,100,000
134	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,047,000
135	中央アフリカ共和国	アフリカ	2,954,000
136	ガイアナ	南アメリカ	2,800,000
137	フィジー	オセアニア	2,800,000
138	オマーン	アジア	2,650,000
139	バルバドス	南アメリカ	2,560,000
140	ガボン	アフリカ	2,400,000
141	アルバニア	ヨーロッパ	2,392,000
142	ブルンジ	アフリカ	2,383,000
143	ナミビア	アフリカ	1,900,000
144	シンガポール	アジア	1,800,000
145	コンゴ	アフリカ	1,750,000
146	バハマ	南アメリカ	1,700,000
147	ボツワナ	アフリカ	1,500,000
148	ソマリア	アフリカ	1,500,000
149	ベリーズ	南アメリカ	1,450,000
150	ルワンダ	アフリカ	1,449,000
151	エスワティニ	アフリカ	992,000
152	東ティモール	アジア	923,000
153	マルタ	ヨーロッパ	900,000
154	ギニアビサウ	アフリカ	850,000
155	レソト	アフリカ	800,000
156	ガンビア	アフリカ	673,000
157	バーレーン	アジア	600,000
158	カーボベルデ	アフリカ	510,000
159	中国、マカオ特別行政区	アジア	450,000
160	コモロ	アフリカ	410,000
161	アイスランド	ヨーロッパ	400,000
162	サモア	オセアニア	360,000
163	グアドループ	南アメリカ	319,000
164	バヌアツ	オセアニア	310,000
165	マルティニーク	南アメリカ	300,000
166	キリバス	オセアニア	278,000
167	ニューカレドニア	オセアニア	260,000
168	赤道ギニア	アフリカ	250,000
169	セントルシア	南アメリカ	230,000
170	サントメ・プリンシペ	アフリカ	227,000
171	モンゴル	アジア	223,000
172	トンガ	オセアニア	210,000
173	セーシェル	アフリカ	205,000
174	グレナダ	南アメリカ	190,000
175	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	185,000
176	ミクロネシア連邦	オセアニア	180,000
177	ドミニカ	南アメリカ	153,000
178	フランス領ギアナ	南アメリカ	151,000
179	フランス領ポリネシア	オセアニア	150,000
180	ソロモン諸島	オセアニア	150,000
181	ブータン	アジア	134,000
182	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	90,000
183	クック諸島	オセアニア	65,000
184	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	59,000
185	ツバル	オセアニア	30,000
186	ニウエ	オセアニア	10,000
187	ナウル	オセアニア	5,000
188	トケラウ	オセアニア	5,000
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1992年度のデータによれば、鶏の飼養数のランキングは国ごとの人口規模、食文化、地政学的背景、そして農業政策の違いが強く反映されています。トップを占める中国の鶏飼養数は約2億3,500万羽に達し、これは2位のアメリカ合衆国（約1億670万羽）の約2.2倍という圧倒的な数量です。この大規模な養鶏の背景には、中国がその広大な国土と高い人口密度を活かし、伝統的に鶏肉と卵を国民の主要なタンパク供給源として重视してきたことが挙げられます。また、中国の農村部においては、小規模生産者による家禽飼育が広く行われており、それが全体の飼養数を押し上げる要因にもなっています。

2位のアメリカ合衆国については、効率的な産業化された農業システムが鶏飼養数を支えています。アメリカでは高度な生産技術を導入し、大規模な農場で飼養を行うことで、国内外の需要に応えています。一方で、3位から5位につけているインドネシア、ブラジル、ロシアも、人口の多さや広大な農地を背景に飼育規模を拡大してきました。特にブラジルは今日でも主要な鶏肉輸出国の1つであり、鶏の飼養が経済の一端を担っています。

日本は6位にランクインしており、約3,346万羽の鶏を飼育しています。日本では主に国内消費のため、大規模生産ではなく集中管理型の鶏舎での生産が重視されています。また、日本の農地が限定されているという地理的条件や、生産過程での付加価値（品質の高さや安全性）を重視している点が特徴です。

他方、7位以下の国々を見ると、特にインド（約2,840万羽）やメキシコ（約2,357万羽）は、自国の食文化と統合された養鶏業が特徴です。インドでは、宗教的な理由から牛肉の消費が少なく、相対的に鶏肉や卵の需要が高い傾向があります。一方、ヨーロッパ諸国ではフランス（約2,139万羽）が最上位となり、地域の料理文化に鶏肉が根付いていることがうかがえます。

こうしたランキングの背景には、地政学的な要因や国ごとの政策が密接に関係しています。一部の国では家禽インフルエンザなど疫病のリスクが養鶏業に大きな影響を与えています。これにより、輸出制限や家禽数の制限措置が講じられ、一時的に飼養数が低下している国も存在します。また、地域紛争や自然災害は飼養基盤を不安定にする要素の1つであり、将来的な課題として位置付けられます。

このデータからの結論として、地球規模の養鶏業における持続的な成長を図るためには、地政学的リスクの軽減や疫病対策が重要な課題となります。国際社会においては、こうした課題に対処するため、各国間の防疫協力体制を強化し、農業技術の共有を推進する枠組みが必要です。また、急増する人口に対応して鶏肉や卵の安定供給を確保するため、効率的かつ環境に配慮した生産手法を導入することが鍵となります。

今後、国際連合や地域組織による政策的な支援や技術提供が進むことで、特に発展途上国での鶏飼養業の振興が期待されます。これにより、単なる食料供給だけでなく、地域経済の発展、雇用創出、栄養状況の改善といった多岐にわたる課題の解決も期されるでしょう。