世界の米生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1992年の世界の米生産量ランキングによると、中国が大きくリードしており、生産量は186,222,000トンと断トツでした。次いでインドが109,001,200トン、インドネシアが48,240,008トンで、これら上位3国だけで世界の米生産の相当な割合を占めています。日本は13,216,000トンで8位に位置しており、アメリカ合衆国（8,149,150トン、11位）や韓国（7,256,894トン、12位）と比較しても高い生産量です。米の生産はアジア諸国が圧倒的であり、中国、インド、東南アジア諸国が上位を占めています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	186,222,000
2	インド	アジア	109,001,200
3	インドネシア	アジア	48,240,008
4	バングラデシュ	アジア	27,373,000
5	ベトナム	アジア	21,590,304
6	タイ	アジア	19,917,299
7	ミャンマー	アジア	14,835,000
8	日本	アジア	13,216,000
9	ブラジル	南アメリカ	10,006,292
10	フィリピン	アジア	9,128,940
11	アメリカ合衆国	北アメリカ	8,149,150
12	大韓民国	アジア	7,256,894
13	パキスタン	アジア	4,674,150
14	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	4,500,000
15	エジプト	アフリカ	3,909,706
16	ネパール	アジア	3,495,590
17	ナイジェリア	アフリカ	3,260,000
18	マダガスカル	アフリカ	2,450,000
19	イラン（イスラム共和国）	アジア	2,360,138
20	スリランカ	アジア	2,339,700
21	カンボジア	アジア	2,221,000
22	中国、台湾 中国省	アジア	2,069,880
23	マレーシア	アジア	2,012,732
24	コロンビア	南アメリカ	1,734,950
25	ラオス人民民主共和国	アジア	1,502,361
26	イタリア	ヨーロッパ	1,271,581
27	オーストラリア	オセアニア	1,122,000
28	エクアドル	南アメリカ	1,029,558
29	ペルー	南アメリカ	829,373
30	ギニア	アフリカ	806,945
31	ロシア連邦	ヨーロッパ	753,630
32	アルゼンチン	南アメリカ	732,700
33	コートジボワール	アフリカ	660,000
34	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	622,620
35	ウルグアイ	南アメリカ	605,400
36	ウズベキスタン	アジア	583,000
37	ドミニカ共和国	南アメリカ	565,653
38	スペイン	ヨーロッパ	552,600
39	シエラレオネ	アフリカ	478,515
40	カザフスタン	アジア	467,000
41	マリ	アフリカ	410,018
42	コンゴ民主共和国	アフリカ	403,300
43	メキシコ	南アメリカ	394,022
44	タンザニア連合共和国	アフリカ	392,220
45	キューバ	南アメリカ	376,328
46	アフガニスタン	アジア	300,000
47	ガイアナ	南アメリカ	286,000
48	スリナム	南アメリカ	261,080
49	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	229,292
50	トルコ	アジア	215,000
51	コスタリカ	南アメリカ	202,518
52	パナマ	南アメリカ	198,541
53	イラク	アジア	180,000
54	セネガル	アフリカ	177,346
55	ニカラグア	南アメリカ	154,000
56	チリ	南アメリカ	133,531
57	ガーナ	アフリカ	131,500
58	フランス	ヨーロッパ	127,737
59	ハイチ	南アメリカ	125,478
60	ギニアビサウ	アフリカ	123,612
61	リベリア	アフリカ	110,000
62	ポルトガル	ヨーロッパ	109,704
63	チャド	アフリカ	108,211
64	ギリシャ	ヨーロッパ	106,000
65	ウクライナ	ヨーロッパ	91,762
66	エルサルバドル	南アメリカ	71,962
67	ウガンダ	アフリカ	68,000
68	トルクメニスタン	アジア	63,823
69	東ティモール	アジア	52,657
70	カメルーン	アフリカ	52,500
71	モーリタニア	アフリカ	50,718
72	ニジェール	アフリカ	47,600
73	ブルキナファソ	アフリカ	46,700
74	ケニア	アフリカ	44,203
75	パラグアイ	南アメリカ	44,180
76	北マケドニア	ヨーロッパ	42,698
77	グアテマラ	南アメリカ	40,436
78	ブルンジ	アフリカ	40,400
79	ブータン	アジア	39,262
80	ルーマニア	ヨーロッパ	38,920
81	ホンジュラス	南アメリカ	36,742
82	モザンビーク	アフリカ	32,618
83	トーゴ	アフリカ	25,265
84	フランス領ギアナ	南アメリカ	24,315
85	マラウイ	アフリカ	23,798
86	フィジー	オセアニア	22,479
87	モロッコ	アフリカ	22,100
88	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	22,022
89	タジキスタン	アジア	20,184
90	ガンビア	アフリカ	19,413
91	ルワンダ	アフリカ	16,100
92	ハンガリー	ヨーロッパ	15,041
93	ソマリア	アフリカ	15,000
94	ブルガリア	ヨーロッパ	14,499
95	ベナン	アフリカ	10,390
96	ザンビア	アフリカ	8,283
97	中央アフリカ共和国	アフリカ	8,000
98	ベリーズ	南アメリカ	6,679
99	アンゴラ	アフリカ	4,000
100	南アフリカ	アフリカ	3,051
101	キルギスタン	アジア	2,800
102	ソロモン諸島	オセアニア	2,596
103	エスワティニ	アフリカ	1,839
104	コンゴ	アフリカ	1,488
105	コモロ	アフリカ	1,429
106	アルジェリア	アフリカ	1,410
107	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,100
108	アルバニア	ヨーロッパ	960
109	ガボン	アフリカ	735
110	アゼルバイジャン	アジア	622
111	パプアニューギニア	オセアニア	620
112	ジャマイカ	南アメリカ	506
113	ジンバブエ	アフリカ	400
114	シリア・アラブ共和国	アジア	141
115	レユニオン	アフリカ	80
116	モーリシャス	アフリカ	5
+ すべての国を見る

1992年の世界の米生産量データを見ると、米はアジア地域の農業・食糧安全保障において極めて重要な作物であることが示されています。ランキングのトップ5に中国、インド、インドネシア、バングラデシュ、ベトナムといったアジアの国々が名を連ねており、特に中国とインドの2国だけで総生産量の約40%以上を占める結果となっています。これは、両国の広大な農地と膨大な人口による需要の高さを反映しています。また、東南アジア諸国ではインドネシア、バングラデシュ、タイなどが上位に入っており、これらの国々は湿潤な気候や豊かな河川システムが稲作に適しているという地理的条件を活かしています。

一方、日本はアジアの中でも8位にランクインし、アメリカや韓国より高い生産量を維持しています。これは、日本が技術革新による高い生産性と品質向上を実現していることを示しています。しかし、日本の農業においては高齢化や若年層の農業離れが進行しており、将来的な稲作の持続可能性が大きな課題です。他国、特にインドやベトナムといった急成長する農業生産国と比較すると、日本の国土面積や農地の限界もありますが、政策的な支援と輸出市場の強化を通じてそのポジションを維持できる可能性もあります。

ランキング全体では、アフリカや南米などの非アジア地域が比較的下位に位置しています。例えば、アフリカではナイジェリアやマダガスカルがそれぞれ3,260,000トン、2,450,000トンと食糧需要を補う一定の生産を確保していますが、アジア諸国とは大きな差があります。この差は、気候条件やインフラ整備の度合い、生産技術の導入の遅れなど複合的な要因により生じています。

他方、アメリカ合衆国は生産量こそアジア諸国に及ばないものの、効率的かつ機械化が進む稲作を行っています。これにより、安定した生産を確保し、国内消費と輸出市場を支えています。一方で、ヨーロッパではイタリアが1,271,581トンで26位に位置していますが、他の国々の生産量は非常に限られています。ヨーロッパでは米が主食ではないため、需要が比較的少ないことが背景にあります。

地政学的に見ると、米は世界中の食糧安全保障において極めて重要な役割を果たしています。特にバングラデシュやベトナムのように大規模な洪水やサイクロンといった自然災害の影響を受けやすい国々では、災害に強い品種の開発や農業インフラの整備が求められています。また、世界人口の増加や気候変動の影響により、米の需給バランスが将来的に崩れるリスクも指摘されています。例えば、インドにおける水不足の深刻化やアフリカ諸国の農業生産の拡大の遅れは、食糧価格の高騰や地域紛争の引き金となる可能性もあります。

このデータを基に、将来を見据えた具体的な対策を講じる必要があります。まず、稲作の持続可能性を向上させるためには、より効率的な水資源管理の技術や環境への負荷が少ない農業技術の普及が重要です。そして、アフリカ諸国などの生産規模が小さい国々においては、国際機関を通じた技術援助や資金支援が必要不可欠です。また、日本を含む高度に発展した農業国では、国内だけでなく国際市場を視野に入れた生産体制を構築し、品質を訴求した輸出拡大が一つの解決策となるでしょう。政府間での協力と技術共有も鍵となります。

結論として、1992年の米生産量ランキングは、米の生産と分布が食糧安全保障や経済・地政学的安定に大きく影響していることを示しています。将来的にも、この重要な作物を安定供給するため、地域ごとに異なる課題を解決し、国際的な枠組みを通して協力を深化させる必要があります。