世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表した最新データによると、2021年度の世界の鶏飼養数ランキングでは、中国が圧倒的な規模で1位（5,155,530羽）を占めています。続いてインドネシア（3,195,600羽）、パキスタン（1,578,000羽）、ブラジル（1,528,032羽）、アメリカ（1,522,000羽）が上位を占めました。日本は12位（323,031羽）とアジア地域の中では中程度の割合となっています。このデータは、各国の家禽生産の状況や食糧安全保障、経済活動の一端を示しています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	5,155,530,000
2	インドネシア	アジア	3,195,600,000
3	パキスタン	アジア	1,578,000,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,528,032,000
5	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,522,000,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,025,090,000
7	インド	アジア	836,898,000
8	メキシコ	南アメリカ	604,682,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	472,674,000
10	ベトナム	アジア	441,818,000
11	トルコ	アジア	391,394,000
12	日本	アジア	323,031,000
13	バングラデシュ	アジア	304,106,000
14	マレーシア	アジア	284,571,000
15	タイ	アジア	283,886,000
16	エジプト	アフリカ	270,000,000
17	ナイジェリア	アフリカ	240,481,000
18	フランス	ヨーロッパ	239,840,000
19	コロンビア	南アメリカ	222,131,000
20	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	220,640,000
21	モロッコ	アフリカ	218,367,000
22	ドミニカ共和国	南アメリカ	212,800,000
23	サウジアラビア	アジア	206,748,000
24	ペルー	南アメリカ	189,375,000
25	ウクライナ	ヨーロッパ	183,543,000
26	イギリス	ヨーロッパ	180,000,000
27	大韓民国	アジア	177,194,000
28	フィリピン	アジア	176,820,000
29	カナダ	北アメリカ	173,156,000
30	南アフリカ	アフリカ	170,336,000
31	エクアドル	南アメリカ	169,688,000
32	ポーランド	ヨーロッパ	168,629,000
33	イラク	アジア	144,702,000
34	アルジェリア	アフリカ	139,981,000
35	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	126,055,000
36	アルゼンチン	南アメリカ	115,536,000
37	オーストラリア	オセアニア	111,189,000
38	ミャンマー	アジア	110,485,000
39	ベラルーシ	ヨーロッパ	105,000,000
40	中国、台湾 中国省	アジア	100,232,000
41	オランダ	ヨーロッパ	99,887,000
42	チュニジア	アフリカ	98,778,000
43	セネガル	アフリカ	92,805,000
44	コートジボワール	アフリカ	88,455,000
45	ウズベキスタン	アジア	82,364,000
46	ガーナ	アフリカ	81,487,000
47	ルーマニア	ヨーロッパ	77,148,000
48	ネパール	アジア	73,418,000
49	イエメン	アジア	71,118,000
50	レバノン	アジア	70,580,000
51	ケニア	アフリカ	59,020,000
52	ブルキナファソ	アフリカ	57,734,000
53	チリ	南アメリカ	57,476,000
54	クウェート	アジア	57,408,000
55	マリ	アフリカ	54,703,000
56	ベルギー	ヨーロッパ	53,188,000
57	スーダン	アフリカ	51,477,000
58	カメルーン	アフリカ	50,000,000
59	ホンジュラス	南アメリカ	48,448,000
60	ラオス人民民主共和国	アジア	48,052,000
61	イスラエル	アジア	47,093,000
62	グアテマラ	南アメリカ	47,000,000
63	モルドバ共和国	ヨーロッパ	46,791,000
64	カザフスタン	アジア	46,174,000
65	アンゴラ	アフリカ	43,165,000
66	マダガスカル	アフリカ	42,821,000
67	エチオピア	アフリカ	41,351,000
68	ザンビア	アフリカ	40,561,000
69	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	39,567,000
70	タンザニア連合共和国	アフリカ	39,559,000
71	リビア	アフリカ	36,881,000
72	ウガンダ	アフリカ	36,104,000
73	ギニア	アフリカ	35,613,000
74	南スーダン	アフリカ	35,000,000
75	トーゴ	アフリカ	32,001,000
76	ヨルダン	アジア	32,000,000
77	ガイアナ	南アメリカ	30,335,000
78	カタール	アジア	30,000,000
79	キューバ	南アメリカ	29,875,000
80	アゼルバイジャン	アジア	29,624,000
81	ハンガリー	ヨーロッパ	28,888,000
82	パナマ	南アメリカ	27,771,000
83	ニカラグア	南アメリカ	26,963,000
84	パラグアイ	南アメリカ	26,238,000
85	コスタリカ	南アメリカ	26,110,000
86	ニュージーランド	オセアニア	25,675,000
87	シエラレオネ	アフリカ	24,914,000
88	アラブ首長国連邦	アジア	24,910,000
89	スリランカ	アジア	24,311,000
90	モザンビーク	アフリカ	23,888,000
91	ブルネイ ダルサラーム	アジア	21,596,000
92	デンマーク	ヨーロッパ	21,454,000
93	ニジェール	アフリカ	20,810,000
94	タジキスタン	アジア	20,801,000
95	トルクメニスタン	アジア	20,674,000
96	マラウイ	アフリカ	19,220,000
97	コンゴ民主共和国	アフリカ	18,793,000
98	エルサルバドル	南アメリカ	18,719,000
99	シリア・アラブ共和国	アジア	16,686,000
100	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	16,382,000
101	ノルウェー	ヨーロッパ	16,336,000
102	モーリシャス	アフリカ	16,303,000
103	ベナン	アフリカ	16,020,000
104	ジンバブエ	アフリカ	15,583,000
105	セルビア	ヨーロッパ	15,122,000
106	ジャマイカ	南アメリカ	14,153,000
107	アフガニスタン	アジア	13,946,000
108	フィンランド	ヨーロッパ	12,707,000
109	スイス	ヨーロッパ	12,568,000
110	クロアチア	ヨーロッパ	12,096,000
111	カンボジア	アジア	12,008,000
112	スロバキア	ヨーロッパ	10,136,000
113	グルジア	アジア	9,980,000
114	プエルトリコ	南アメリカ	9,448,000
115	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	8,727,000
116	リベリア	アフリカ	8,287,000
117	リトアニア	ヨーロッパ	8,124,000
118	中央アフリカ共和国	アフリカ	7,029,000
119	パレスチナ国	アジア	6,598,000
120	スリナム	南アメリカ	6,277,000
121	チャド	アフリカ	6,063,000
122	ハイチ	南アメリカ	5,870,000
123	フィジー	オセアニア	5,619,000
124	アルバニア	ヨーロッパ	5,249,000
125	オマーン	アジア	4,825,000
126	モーリタニア	アフリカ	4,757,000
127	スロベニア	ヨーロッパ	4,671,000
128	パプアニューギニア	オセアニア	4,640,000
129	バルバドス	南アメリカ	4,631,000
130	キルギスタン	アジア	4,593,000
131	ナミビア	アフリカ	4,524,000
132	中国、香港特別行政区	アジア	4,335,000
133	アルメニア	アジア	4,204,000
134	ルワンダ	アフリカ	3,939,000
135	シンガポール	アジア	3,906,000
136	ソマリア	アフリカ	3,875,000
137	エスワティニ	アフリカ	3,639,000
138	ガボン	アフリカ	3,343,000
139	ウルグアイ	南アメリカ	3,209,000
140	バハマ	南アメリカ	3,201,000
141	コンゴ	アフリカ	2,982,000
142	ブルンジ	アフリカ	2,761,000
143	ギニアビサウ	アフリカ	2,079,000
144	エストニア	ヨーロッパ	2,032,000
145	ベリーズ	南アメリカ	1,679,000
146	バーレーン	アジア	1,502,000
147	北マケドニア	ヨーロッパ	1,484,000
148	ブータン	アジア	1,384,000
149	エリトリア	アフリカ	1,198,000
150	モンゴル	アジア	1,150,000
151	ガンビア	アフリカ	994,000
152	東ティモール	アジア	856,000
153	ボツワナ	アフリカ	802,000
154	中国、マカオ特別行政区	アジア	791,000
155	カーボベルデ	アフリカ	690,000
156	キリバス	オセアニア	650,000
157	モンテネグロ	ヨーロッパ	597,000
158	ニューカレドニア	オセアニア	573,000
159	コモロ	アフリカ	545,000
160	バヌアツ	オセアニア	484,000
161	セントルシア	南アメリカ	473,000
162	サモア	オセアニア	461,000
163	赤道ギニア	アフリカ	375,000
164	トンガ	オセアニア	338,000
165	フランス領ポリネシア	オセアニア	328,000
166	レソト	アフリカ	319,000
167	サントメ・プリンシペ	アフリカ	305,000
168	グレナダ	南アメリカ	269,000
169	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	254,000
170	ソロモン諸島	オセアニア	247,000
171	セーシェル	アフリカ	230,000
172	アイスランド	ヨーロッパ	220,000
173	ドミニカ	南アメリカ	203,000
174	ミクロネシア連邦	オセアニア	192,000
175	ルクセンブルク	ヨーロッパ	171,000
176	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	161,000
177	ツバル	オセアニア	56,000
178	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	20,000
179	ニウエ	オセアニア	19,000
180	クック諸島	オセアニア	17,000
181	ナウル	オセアニア	5,000
182	トケラウ	オセアニア	5,000
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2021年の鶏飼養数の統計データは、世界における家禽（かきん）生産の現状を知る重要な指標となっています。この数値は単に鶏の数を示すだけでなく、各国の鶏肉や卵の消費需要の大きさ、飼養効率、さらには食糧安全保障の観点からもその役割を理解できます。

1位の中国は約5億1千万羽という圧倒的な飼養規模で世界のトップを占めています。この背景には、中国国内の膨大な人口（約14億人）による鶏肉と卵の高い需要があるほか、食糧自給率の維持に向けた国家的努力が伺えます。さらに、都市化と食文化の変化に伴い、肉類全体の消費傾向が増加していることが一因と考えられます。中所得層の増加や、加工食品産業の発展もこの市場を後押ししている要因です。

2位のインドネシア（約3億2千万羽）は東南アジアにおける鶏肉・卵供給の中核的存在です。同国の人口は約2億7千万人と多いものの、飼養数は中国よりも低く、飼養効率や生産規模の面で課題がある点が指摘できます。一方で、気候条件や広い国土を活用した畜産業の成長が期待されます。

日本は323,031羽で12位にランクインしています。限られた国土面積を考慮すると、生産効率がある程度高いことがわかりますが、飼料の一部を輸入に依存していることから、国際市場の価格変動や供給リスクに脆弱な基盤といえます。一方で、鶏卵は国内需要が高く、自給率が比較的高い食品の一つです。

ブラジルやアメリカなどの先進的畜産大国も上位に含まれ、特にこれらの国々は輸出市場において圧倒的な競争力を持っています。ブラジルは南米最大の鶏肉輸出国であり、世界的な需要に対応するための大量生産システムと効率的な物流網を構築しています。

ただし、このデータには世界の抱える課題も示されています。例えば、飼養規模が非常に小さい国（ナウルやトケラウなど）では鶏肉や卵の自給が難しく、輸入に依存している場合が多いです。また、アフリカの多くの国々では、鶏飼養数の少なさが示されており、食料安全保障改善の取り組みや貧困の削減が急務となっています。

地政学的リスクもまた、これらのデータに影響を及ぼしています。ウクライナやロシアのような国では近年の地域衝突や政治的緊張が農業分野にも影響を及ぼし、鶏飼養数や食品供給に不安定さをもたらす可能性があります。加えて、2021年時点では新型コロナの影響が依然残っており、物流や需給のバランスに難題を抱える地域が存在しました。また、アフリカや中東における気候変動の影響が家禽生産に与えた負荷も無視できません。

今後、各国や国際機関が取り組むべき具体的な対策としては、以下のようなものが考えられます。第一に、持続可能な畜産モデルの導入が挙げられます。これは、鶏飼料の効率化や環境負荷の低減を目指した取り組みを含みます。第二に、技術移転や資金援助によって発展途上国の畜産基盤を強化することが求められます。これにより、それらの国々の貧困削減や地域経済の活性化を促進できます。第三に、国際的な物流網を強化し、必要に応じて食品を迅速かつ公平な価格で供給できる仕組みを整備することが重要です。

このように、2021年の鶏飼養数データは単なる飼育規模を示すデータ以上に、各国や地域が抱える食糧問題や経済状況を映し出す鏡となっています。この情報を基に、今後の政策立案や国際協力の一助となる具体的な行動が求められるでしょう。