世界の米生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が提供した1984年度の世界の米生産量ランキングデータによれば、中国が178,255,008トンという圧倒的な生産量で1位にランクインしました。2位のインドは87,552,800トンで続き、これにインドネシア（38,136,448トン）、バングラデシュ（21,933,456トン）、タイ（19,904,816トン）が続いています。日本は14,848,000トンで7位に位置します。全体的にアジア地域が上位を占め、その影響力が色濃く見られる結果となっています。一方で、生産量が10万トン以下の国も多く、地域によって米の生産能力には大きな差が存在します。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	178,255,008
2	インド	アジア	87,552,800
3	インドネシア	アジア	38,136,448
4	バングラデシュ	アジア	21,933,456
5	タイ	アジア	19,904,816
6	ベトナム	アジア	15,505,600
7	日本	アジア	14,848,000
8	ミャンマー	アジア	14,255,500
9	ブラジル	南アメリカ	9,027,367
10	大韓民国	アジア	7,970,330
11	フィリピン	アジア	7,828,880
12	アメリカ合衆国	北アメリカ	6,296,300
13	パキスタン	アジア	4,972,800
14	中国、台湾 中国省	アジア	2,840,720
15	ネパール	アジア	2,709,430
16	スリランカ	アジア	2,419,700
17	エジプト	アフリカ	2,236,436
18	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,193,000
19	マダガスカル	アフリカ	2,131,100
20	コロンビア	南アメリカ	1,714,660
21	マレーシア	アジア	1,571,674
22	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,483,976
23	ラオス人民民主共和国	アジア	1,321,096
24	ナイジェリア	アフリカ	1,300,000
25	カンボジア	アジア	1,260,000
26	ペルー	南アメリカ	1,139,997
27	イタリア	ヨーロッパ	1,008,800
28	オーストラリア	オセアニア	634,000
29	ギニア	アフリカ	570,790
30	キューバ	南アメリカ	554,760
31	コートジボワール	アフリカ	514,000
32	ドミニカ共和国	南アメリカ	507,377
33	シエラレオネ	アフリカ	504,137
34	メキシコ	南アメリカ	487,133
35	アルゼンチン	南アメリカ	480,400
36	スペイン	ヨーロッパ	440,400
37	エクアドル	南アメリカ	437,166
38	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	407,841
39	タンザニア連合共和国	アフリカ	355,385
40	ウルグアイ	南アメリカ	339,760
41	アフガニスタン	アジア	334,000
42	スリナム	南アメリカ	301,971
43	ガイアナ	南アメリカ	301,833
44	リベリア	アフリカ	298,000
45	コンゴ民主共和国	アフリカ	286,012
46	トルコ	アジア	280,000
47	コスタリカ	南アメリカ	222,740
48	パナマ	南アメリカ	174,595
49	チリ	南アメリカ	165,010
50	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	163,863
51	ニカラグア	南アメリカ	138,000
52	セネガル	アフリカ	135,828
53	ポルトガル	ヨーロッパ	134,054
54	ハイチ	南アメリカ	124,195
55	ルーマニア	ヨーロッパ	110,000
56	マリ	アフリカ	109,354
57	イラク	アジア	108,700
58	ギニアビサウ	アフリカ	105,000
59	ギリシャ	ヨーロッパ	95,000
60	モザンビーク	アフリカ	84,000
61	パラグアイ	南アメリカ	79,700
62	ブータン	アジア	66,001
63	ガーナ	アフリカ	65,000
64	エルサルバドル	南アメリカ	63,337
65	ブルガリア	ヨーロッパ	61,113
66	カメルーン	アフリカ	61,000
67	ケニア	アフリカ	50,462
68	ニジェール	アフリカ	48,700
69	ホンジュラス	南アメリカ	48,597
70	グアテマラ	南アメリカ	44,450
71	東ティモール	アジア	42,000
72	ブルキナファソ	アフリカ	40,993
73	フランス	ヨーロッパ	35,600
74	マラウイ	アフリカ	34,886
75	ハンガリー	ヨーロッパ	33,097
76	ガンビア	アフリカ	27,200
77	フィジー	オセアニア	22,246
78	ウガンダ	アフリカ	20,000
79	モーリタニア	アフリカ	20,000
80	ブルンジ	アフリカ	18,000
81	トーゴ	アフリカ	17,760
82	中央アフリカ共和国	アフリカ	17,000
83	コモロ	アフリカ	13,200
84	アルバニア	ヨーロッパ	12,600
85	チャド	アフリカ	12,374
86	ザンビア	アフリカ	9,271
87	アンゴラ	アフリカ	8,000
88	ルワンダ	アフリカ	7,919
89	ベナン	アフリカ	7,500
90	ソロモン諸島	オセアニア	7,137
91	ベリーズ	南アメリカ	5,672
92	ジャマイカ	南アメリカ	5,364
93	フランス領ギアナ	南アメリカ	5,022
94	プエルトリコ	南アメリカ	4,833
95	モロッコ	アフリカ	4,540
96	ソマリア	アフリカ	4,200
97	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,946
98	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,270
99	南アフリカ	アフリカ	3,000
100	エスワティニ	アフリカ	2,574
101	コンゴ	アフリカ	1,278
102	アルジェリア	アフリカ	1,200
103	ジンバブエ	アフリカ	719
104	ガボン	アフリカ	662
105	パプアニューギニア	オセアニア	600
106	モーリシャス	アフリカ	275
107	シリア・アラブ共和国	アジア	100
108	中国、香港特別行政区	アジア	24
+ すべての国を見る

1984年度の米生産量データは、世界における農業の地域的分布と効率の全体像を示しています。この年のトップ3である中国、インド、インドネシアは、世界の総生産量の大部分を占めており、これによってアジアが米の主要な生産地域であることが明らかです。中国は178,255,008トンという世界の総生産量の中で際立った数値を示しており、その農地の広大さ、生産体制の整備、そして人口増加に対応する必要性が背景にあります。インドもそれに続いており、大量の人口を抱える国で米が依然として主食であることが要因と考えられます。

日本は7位に位置しており、アジアの中で影響力を持つ生産国です。14,848,000トンという生産量は、気候条件が米作に適することに加え、技術集約型農業の成果を反映しています。ただし、米の生産は国内消費に対する対応が主であり、輸出の割合は非常に小さい状況です。

一方で、アフリカ諸国や中南米諸国の多くは、10万トン以下の生産量にとどまっています。例えば、ナイジェリアやガーナは比較的低い生産量を記録しており、これらの国々では米が主作物ではないことや農業インフラの整備不足が原因と考えられます。これにより、一部地域では米の自給自足に課題を抱え、食料輸入に頼らざるを得ない構造が続いています。

地政学的な観点からは、米の生産量における地域間格差が食料安全保障や商取引に影響を及ぼすことが予想されます。米の生産は地元の安価な食料供給を支えるだけでなく、輸出国にとっても外貨獲得の基盤になります。特に米の輸出量が多いタイやベトナムは、1980年代以降地域内での貿易拡大を進めており、その支配力を強めてきました。一方、地政学的リスクや自然災害が米生産にもたらす影響も無視できません。例えば、干ばつや洪水は生産量に大きな影響を与えるだけでなく、輸出の安定性を脅かすリスクも抱えています。

これらを総合的に考えると、米生産への今後の課題として、貧困地域での農業革命の推進や気候変動リスクの緩和が重要となります。例えば、アジアで成功した品種改良技術や灌漑システムをアフリカ諸国に移転することで、生産量の増加が期待できます。また、気候適応型の栽培方法を促進することで、生産の安定性を強化することができます。この他、世界の食糧安全保障の観点からは、主要な米生産国が輸入依存国を支援する仕組みの構築や、国際協力を促進するための新しい枠組みの形成も求められていくべきです。

全体として、このデータが示す格差を是正するためには、各国が技術共有や政策支援を通じて協力し合うことが不可欠です。そして、米が単なる食物以上の社会経済的な重要性を持つという認識を広めることが重要です。