国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2022年度のサツマイモ生産量ランキングによると、中国が46,604,009トンで世界1位となり、他を大きく引き離しています。2位のマラウイ(8,051,118トン)と3位のタンザニア(4,259,620トン)が続いており、アフリカ諸国が多くの上位を占めています。一方、日本は16位で710,700トンの生産量となり、アメリカ(1,176,483トン)やインド(1,184,000トン)を下回る結果でした。
順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
---|---|---|---|
1 | 中国 | アジア | 46,604,009 |
2 | マラウイ | アフリカ | 8,051,118 |
3 | タンザニア連合共和国 | アフリカ | 4,259,620 |
4 | ナイジェリア | アフリカ | 4,011,035 |
5 | アンゴラ | アフリカ | 1,873,002 |
6 | ルワンダ | アフリカ | 1,372,745 |
7 | ウガンダ | アフリカ | 1,337,512 |
8 | インド | アジア | 1,184,000 |
9 | アメリカ合衆国 | 北アメリカ | 1,176,483 |
10 | マダガスカル | アフリカ | 1,132,742 |
11 | エチオピア | アフリカ | 1,000,576 |
12 | ベトナム | アジア | 976,122 |
13 | インドネシア | アジア | 875,000 |
14 | ブラジル | 南アメリカ | 847,100 |
15 | ブルンジ | アフリカ | 807,861 |
16 | 日本 | アジア | 710,700 |
17 | パプアニューギニア | オセアニア | 710,121 |
18 | ケニア | アフリカ | 650,000 |
19 | コンゴ民主共和国 | アフリカ | 591,101 |
20 | カメルーン | アフリカ | 579,883 |
21 | 朝鮮民主主義人民共和国 | アジア | 566,601 |
22 | フィリピン | アジア | 558,321 |
23 | モザンビーク | アフリカ | 510,238 |
24 | エジプト | アフリカ | 508,314 |
25 | マリ | アフリカ | 452,193 |
26 | ギニア | アフリカ | 384,053 |
27 | 大韓民国 | アジア | 332,845 |
28 | バングラデシュ | アジア | 303,710 |
29 | シエラレオネ | アフリカ | 286,118 |
30 | ペルー | 南アメリカ | 275,995 |
31 | キューバ | 南アメリカ | 267,085 |
32 | スーダン | アフリカ | 266,987 |
33 | ニジェール | アフリカ | 233,697 |
34 | 中国、台湾 中国省 | アジア | 224,691 |
35 | チャド | アフリカ | 218,015 |
36 | ガーナ | アフリカ | 142,671 |
37 | ザンビア | アフリカ | 132,442 |
38 | ラオス人民民主共和国 | アジア | 128,240 |
39 | アルゼンチン | 南アメリカ | 119,092 |
40 | ブルキナファソ | アフリカ | 115,580 |
41 | ハイチ | 南アメリカ | 111,662 |
42 | セネガル | アフリカ | 110,600 |
43 | ソロモン諸島 | オセアニア | 108,196 |
44 | 赤道ギニア | アフリカ | 103,749 |
45 | 南アフリカ | アフリカ | 87,647 |
46 | ウルグアイ | 南アメリカ | 81,433 |
47 | メキシコ | 南アメリカ | 81,095 |
48 | オーストラリア | オセアニア | 77,059 |
49 | ジンバブエ | アフリカ | 62,793 |
50 | ミャンマー | アジア | 62,712 |
51 | ドミニカ共和国 | 南アメリカ | 62,243 |
52 | ジャマイカ | 南アメリカ | 60,466 |
53 | コートジボワール | アフリカ | 58,684 |
54 | ベナン | アフリカ | 56,590 |
55 | パラグアイ | 南アメリカ | 51,634 |
56 | スリランカ | アジア | 45,040 |
57 | マレーシア | アジア | 44,687 |
58 | ギニアビサウ | アフリカ | 40,738 |
59 | カンボジア | アジア | 40,305 |
60 | イスラエル | アジア | 32,642 |
61 | ホンジュラス | 南アメリカ | 25,342 |
62 | リベリア | アフリカ | 24,394 |
63 | ガイアナ | 南アメリカ | 21,140 |
64 | ベネズエラ (ボリバル共和国) | 南アメリカ | 20,139 |
65 | チリ | 南アメリカ | 15,089 |
66 | パキスタン | アジア | 14,134 |
67 | ニュージーランド | オセアニア | 11,865 |
68 | モロッコ | アフリカ | 11,710 |
69 | フィジー | オセアニア | 10,771 |
70 | コモロ | アフリカ | 10,572 |
71 | トーゴ | アフリカ | 9,919 |
72 | コンゴ | アフリカ | 9,191 |
73 | ソマリア | アフリカ | 8,656 |
74 | トンガ | オセアニア | 6,564 |
75 | モーリタニア | アフリカ | 5,265 |
76 | 東ティモール | アジア | 4,602 |
77 | ボリビア (多民族国家) | 南アメリカ | 4,512 |
78 | エクアドル | 南アメリカ | 4,124 |
79 | ガボン | アフリカ | 3,915 |
80 | ミクロネシア連邦 | オセアニア | 3,118 |
81 | カーボベルデ | アフリカ | 2,802 |
82 | バルバドス | 南アメリカ | 2,543 |
83 | エスワティニ | アフリカ | 2,499 |
84 | パレスチナ国 | アジア | 2,389 |
85 | ドミニカ | 南アメリカ | 2,314 |
86 | セントビンセントおよびグレナディーン諸島 | 南アメリカ | 1,822 |
87 | バハマ | 南アメリカ | 1,770 |
88 | モーリシャス | アフリカ | 1,759 |
89 | コスタリカ | 南アメリカ | 1,711 |
90 | ボツワナ | アフリカ | 1,169 |
91 | トリニダード・トバゴ | 南アメリカ | 1,165 |
92 | エルサルバドル | 南アメリカ | 750 |
93 | セントルシア | 南アメリカ | 723 |
94 | グレナダ | 南アメリカ | 675 |
95 | ニューカレドニア | オセアニア | 566 |
96 | プエルトリコ | 南アメリカ | 440 |
97 | スリナム | 南アメリカ | 408 |
98 | イエメン | アジア | 325 |
99 | クック諸島 | オセアニア | 300 |
100 | パナマ | 南アメリカ | 283 |
101 | ブルネイ ダルサラーム | アジア | 277 |
102 | ニウエ | オセアニア | 252 |
103 | ベリーズ | 南アメリカ | 231 |
104 | グアテマラ | 南アメリカ | 181 |
105 | アンティグア・バーブーダ | 南アメリカ | 145 |
106 | セントクリストファー・ネイビス | 南アメリカ | 126 |
107 | 中国、香港特別行政区 | アジア | 62 |
108 | ブータン | アジア | 28 |
109 | クウェート | アジア | 25 |
110 | シンガポール | アジア | 0 |
111 | モルディブ | アジア | 0 |
2022年のサツマイモ生産量ランキングでは、中国が圧倒的な首位を占めました。同国は世界全体のサツマイモ生産量の大部分を担い、その割合は約60%に達すると推定されます。この独占的な状況は、中国の広大な栽培面積や安定した農業基盤、さらに加工食品や飼料、バイオ燃料原料としての需要増加が主な要因です。一方、アフリカのサブサハラ地域では、マラウイやタンザニアをはじめとする国々が上位にランクインしており、サツマイモが主食や飢饉対策として重宝されている現状が反映されています。
日本は16位となり、700,000トンを少し超える生産量を記録しました。その規模は限られていますが、日本国内では食文化の一環としてサツマイモが定着しており、高付加価値品種(甘味が強いものやスイーツ用食材など)の開発により差別化を図っています。一方で、競争力のある輸出産業としての規模拡大には課題が残ります。同様に、アメリカやインドも支配的な生産地には至らないものの、需要のある市場や消費者層を相手に着実な生産を進めています。
考慮すべき点として、サツマイモの生産は地理的条件や気候変動に大きく影響を受けます。特に、マラウイやタンザニアなどのアフリカ諸国は干ばつや豪雨といった気候リスクに直面しており、作物収量の安定性を維持する上で、灌漑システムや耐性品種の導入が今後の課題となります。また、紛争や政治的不安定性が農業生産に悪影響を及ぼす可能性も懸念事項として挙げられます。一方、中国では高齢化による農村人口の減少が長期的視点で農業労働力に重大な課題をもたらすことが予想されます。
さらに、サツマイモは災害時の災害補償作物としての役割を果たすポテンシャルがあります。たとえば、2020年代の新型コロナウイルス流行では、食料安定供給への関心が高まり、サツマイモが比較的栽培容易で栄養価が高い作物として注目されました。このような背景から、各国が持続可能な形で生産基盤を整える必要があります。
具体的な提言として、各国政府や国際機関は、気候変動への適応を見据えた作物栽培技術の提供や農業ネットワークの強化に取り組むべきです。たとえば、耐乾燥性・耐病性のある新たな品種の開発支援や、クレジット制度を利用した農業投資の推進が非常に有効です。また、サツマイモを中心とした食文化のプロモーションや貿易協定の整備により、国際市場への参入の拡大を図ることも可能です。
結論として、サツマイモ生産は単なる農業統計にとどまらず、食料安全保障や経済成長、気候変動対応という多角的な側面から重要な意義を持っています。こうした背景を考慮し、各国が地域状況に応じた政策を実行することで、世界的な食料供給・農業振興に貢献できる可能性があります。