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モザンビークのサツマイモ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、1961年から2022年の間、モザンビークのサツマイモ生産量は大きな変動を見せました。1960年代までは平均で30,000トン前後でしたが、1990年代には大幅な増加が見られ、2003年には過去最大の877,165トンを記録しました。その後一時的な低迷を経て、2012年から2013年に再度大幅な増加を示し約1,468,575トンに達しました。しかしながら、2014年以降は大きく減少し、2022年時点では約510,238トンとなっています。この生産量の大幅な変動には、気候条件、社会経済的要因、農業技術の導入レベルなどが複雑に影響を及ぼしていると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 459,805
-9.88% ↓
2022年 510,238
3% ↑
2021年 495,377
10.42% ↑
2020年 448,633
-11.13% ↓
2019年 504,815
3.61% ↑
2018年 487,246
-4.47% ↓
2017年 510,054
-7.63% ↓
2016年 552,184
41.44% ↑
2015年 390,407
-22.32% ↓
2014年 502,611
-65.78% ↓
2013年 1,468,575
25.16% ↑
2012年 1,173,404
31.81% ↑
2011年 890,226
11.04% ↑
2010年 801,706
8.33% ↑
2009年 740,093
31.97% ↑
2008年 560,802
-34.9% ↓
2007年 861,432
27.08% ↑
2006年 677,877
33.22% ↑
2005年 508,834
-43.46% ↓
2004年 900,000
2.6% ↑
2003年 877,165
92.22% ↑
2002年 456,337
1.41% ↑
2001年 450,000
4.65% ↑
2000年 430,000
7.5% ↑
1999年 400,000
566.67% ↑
1998年 60,000
1.69% ↑
1997年 59,000
1.72% ↑
1996年 58,000
5.45% ↑
1995年 55,000
-8.33% ↓
1994年 60,000
9.09% ↑
1993年 55,000
5.77% ↑
1992年 52,000
-51.05% ↓
1991年 106,234
89.35% ↑
1990年 56,103
2.01% ↑
1989年 55,000 -
1988年 55,000 -
1987年 55,000
5.77% ↑
1986年 52,000
10.64% ↑
1985年 47,000
4.44% ↑
1984年 45,000 -
1983年 45,000 -
1982年 45,000 -
1981年 45,000 -
1980年 45,000 -
1979年 45,000
12.5% ↑
1978年 40,000 -
1977年 40,000 -
1976年 40,000
14.29% ↑
1975年 35,000
-12.5% ↓
1974年 40,000
-4.76% ↓
1973年 42,000 -
1972年 42,000
5% ↑
1971年 40,000 -
1970年 40,000
0.36% ↑
1969年 39,857
38.64% ↑
1968年 28,748
30.34% ↑
1967年 22,057
5.03% ↑
1966年 21,000
-34.38% ↓
1965年 32,000
3.23% ↑
1964年 31,000 -
1963年 31,000 -
1962年 31,000 -
1961年 31,000 -

モザンビークのサツマイモ生産量の推移を振り返ると、初期(1960年代)は生産量が約30,000トンと低い水準で一定していました。この期間は農業関連インフラや技術の普及が限定的であったこと、一部の地域では自給自足主体の農業形態が続いていたことなどが背景にあります。1965年にやや増加の兆しを見せましたが、1966年からは再度生産量が減少に転じるなど、非常に不安定な傾向が目立っていました。

その後、1990年代には生産量が急増し、1999年には一気に400,000トンに達しました。この増加は、農業政策の改善や市場の拡大、さらには農家における新しい品種と栽培方法の導入が進んだことが要因として挙げられます。特に1991年の106,234トンへの急増には、国内外からの農業分野への支援が影響していると見られています。さらに、2000年代初頭には急激な生産量の伸びが見られ、2003年には877,165トンという大台に到達しました。この時期には、気候条件が比較的良好であったことや農業技術の向上、農地の拡大が背景として寄与しています。

しかしながら、これら急激な変動の後、2014年以降は再び減少傾向にあります。2020年には448,633トンまで低下し、その後多少回復するものの、2022年時点では510,238トンにとどまっています。この減少の背景には、気候変動による干ばつや洪水といった自然災害の頻発、農業インフラの脆弱性、農業従事者の高齢化や労働力不足、経済的要因が複合的に影響を与えていると言えます。また、モザンビーク北部における地域紛争が農業活動に与えた負の影響も見逃せません。

このような生産量の変動は、モザンビーク国内のみならず、同国がサツマイモを原材料とする商品を輸出する際の安定供給にも影響を及ぼしています。他の国と比較すると、例えば中国やインドのような大規模生産国ほどの持続的な拡大が見られない一方で、サブサハラアフリカ諸国では地域経済の重要な柱としてサツマイモが依然重要な役割を担っています。

今後のモザンビークにおけるサツマイモ生産の持続的な発展にはいくつかの課題と対策が求められます。第一に、農業インフラへの投資を促進し、特に灌漑設備や輸送網の整備に力を入れる必要があります。また、農業教育と近代的農業技術の普及を通じて、生産効率を向上させる施策が必要です。第二に、気候変動への適応策の導入が急務です。例えば、干ばつ耐性の高い品種の開発支援や、地域的な気象データの提供による計画的な農業支援が効果を発揮するでしょう。さらに、地域間協力や国際機関との連携を強化し、サツマイモの輸出市場の拡大を目指すことも重要です。

加えて、地域紛争や自然災害などのリスクに対し、予防措置や迅速な復旧策を講じることが欠かせません。これらの対策は、生産量の安定化を図るだけでなく、国内外でのサツマイモの経済的重要性を高め、モザンビークの経済基盤の強化にも寄与するでしょう。

結論として、モザンビークのサツマイモ生産量の推移は、経済的、社会的、自然的要因の影響を色濃く反映しています。これらの課題を解決するためには、国や国際機関による積極的な支援と政策の実施が鍵となります。このような包括的なアプローチを採用することで、モザンビークがサツマイモ産業を通じて農村部の発展と経済成長を実現する未来が期待されます。