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トーゴのサツマイモ生産量推移(1961-2022)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が2024年7月に更新した最新のデータによると、トーゴのサツマイモ生産量は長年にわたって非常に変動が大きく、歴史的には1960年代の漸増と1970年代の大幅な減少、その後の断続的な回復と不安定な推移を繰り返してきました。近年のデータでは、2012年の急増後にはやや低下傾向を見せつつ、2020年代に入ってからは増加基調が見られ、2022年には約9,919トンに達しています。

年度 生産量(トン)
2022年 9,919
2021年 9,694
2020年 9,303
2019年 8,672
2018年 8,551
2017年 8,732
2016年 2,737
2015年 8,301
2014年 11,497
2013年 11,337
2012年 19,957
2011年 4,740
2010年 4,753
2009年 3,989
2008年 3,989
2007年 3,500
2006年 2,191
2005年 2,399
2004年 431
2003年 1,425
2002年 5,448
2001年 1,353
2000年 2,752
1999年 9,291
1998年 5,671
1997年 6,237
1996年 5,441
1995年 1,332
1994年 11,200
1993年 27,318
1992年 9,317
1991年 1,722
1990年 7,873
1989年 6,125
1988年 3,590
1987年 4,127
1986年 1,273
1985年 2,000
1984年 2,000
1983年 2,000
1982年 2,000
1981年 2,000
1980年 2,000
1979年 2,000
1978年 2,000
1977年 2,000
1976年 2,000
1975年 2,000
1974年 2,000
1973年 2,000
1972年 2,000
1971年 2,000
1970年 1,000
1969年 7,000
1968年 9,000
1967年 8,070
1966年 8,070
1965年 6,000
1964年 7,000
1963年 5,000
1962年 4,000
1961年 5,000

トーゴのサツマイモ生産の推移を見ると、その歴史は気候変動や地政学的変化、さらには農業政策の影響を大きく受けてきたことがうかがえます。データによれば、1960年代のトーゴはサツマイモ生産量の漸増期であったものの、1970年にはわずか1,000トンと急激に生産量が低下しました。この劇的な減少は、気候変動による自然環境の悪化だけでなく、国の農業政策の転換やインフラ不足が影響を及ぼしたと推測されます。その後、1970年代を通じて生産量は非常に低い水準に留まりましたが、1980年代末から1990年代初頭には再び回復の兆しを見せました。1993年には27,318トンという最高値を記録しており、農業技術の向上や作付け面積の拡大が主な要因と考えられます。

しかし、その後の生産量は一貫して安定しない傾向を示しました。例えば、1993年のピークの翌年には急激に生産量が減少しており、その背景にはトーゴ特有の課題、例えば地域の政治的緊張や経済的制約が影響していた可能性があります。近年では、2012年に19,957トンと大きな増加を示しましたが、その後再び減少し、2020年代に入ってからようやく回復基調が見られています。最新の2022年のデータでは9,919トンと、一定の増加を維持しているものの、1993年のピーク値には遠く及ばない状況です。

トーゴのサツマイモ生産量に影響を与えている要因としては、まず自然環境の変化が挙げられます。サツマイモは比較的丈夫で乾燥に耐える作物として知られるものの、極端な気候変動や干ばつの影響を受けやすく、生産量の不安定さに関与していると考えられます。また、農業生産体制の未整備や、輸送インフラの不備も課題の一つです。これらの要因が地方農家の生産能力を制限し、外部市場へのアクセスを妨げている可能性があります。

国際比較をすると、トーゴのサツマイモ生産量は依然として小規模であり、日本や中国、アメリカなどの主要生産国には圧倒的に差があります。日本でサツマイモは主に食品加工や伝統的な和菓子用に利用されている一方で、トーゴでは主に食糧源としての役割が重視されています。しかし、この状況はトーゴの人口増加を考慮すると課題を持つと言えます。食料安定供給の観点から、持続可能な農業形態への転換が急務です。

トーゴが直面する地域密着型課題には、農業の多様性不足や農作物の市場依存度の高さも含まれます。この状況を克服するためには、農業の近代化や灌漑システムの整備が重要とされます。加えて、農業従事者への技術指導や気候に適した耐性作物の導入も必要でしょう。地政学的には、地域協力を通じて近隣諸国との農業技術の共有や市場の拡大を図ることが効果的です。

また、トーゴのサツマイモ生産は新型コロナウイルス感染症の影響を一時的に受けた可能性があります。パンデミックによる物流の停滞は、農産物の総価値と市場競争力に影響を及ぼし得ました。そのため、災害時でも耐久性のある供給チェーンの確立が望まれます。

結論として、トーゴは近年の傾向を維持しつつも、生産量のさらなる安定化と拡大を目指すべきです。国際機関と連携し、効率的かつ気候に耐性のある農業形態を実現するための政策が求められます。具体的には、持続可能な農業技術の導入、灌漑施設の開発、小規模農家への金融支援の強化が特に重要です。このような取り組みを進めることで、トーゴの農業をより強靭で競争力のあるものにすることが可能になるでしょう。