Skip to main content

タンザニア連合共和国のサツマイモ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新した最新データによると、タンザニア連合共和国のサツマイモ生産量は1961年におよそ21.5万トンと記録されて以来、長期的な増減を繰り返しながらも、大幅に増加しています。特に2017年には約544万トンを記録し、過去最大に達しました。その後も安定した生産量を維持しており、2022年には約426万トンを記録しています。1960年代初頭からの記録的な拡張は農業技術と食料安全保障の進展によるものと言えますが、気候の変動や市場需要への対応も鍵となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 4,514,919
5.99% ↑
2022年 4,259,620
6.49% ↑
2021年 4,000,000 -
2020年 4,000,000
2% ↑
2019年 3,921,590
4.74% ↑
2018年 3,744,093
-31.19% ↓
2017年 5,440,824
36.54% ↑
2016年 3,984,652
15.35% ↑
2015年 3,454,493
-1.32% ↓
2014年 3,500,699
0.88% ↑
2013年 3,470,304
14.98% ↑
2012年 3,018,175
-15.54% ↓
2011年 3,573,302
47.4% ↑
2010年 2,424,200
71.03% ↑
2009年 1,417,390
2.78% ↑
2008年 1,379,000
4.31% ↑
2007年 1,322,000
-5.33% ↓
2006年 1,396,400
-1.3% ↓
2005年 1,414,820
-5.78% ↓
2004年 1,501,620
622.52% ↑
2003年 207,830
-85.82% ↓
2002年 1,466,120
54.31% ↑
2001年 950,100
22.23% ↑
2000年 777,300
37.52% ↑
1999年 565,220
-11.38% ↓
1998年 637,800
33.51% ↑
1997年 477,700
14.25% ↑
1996年 418,100
-6.84% ↓
1995年 448,800
58.31% ↑
1994年 283,500
9.54% ↑
1993年 258,800
0.7% ↑
1992年 256,990
-11.63% ↓
1991年 290,800
-27.3% ↓
1990年 400,000
18.59% ↑
1989年 337,310
37.12% ↑
1988年 246,000
-30.15% ↓
1987年 352,200
21.45% ↑
1986年 290,000
-4.29% ↓
1985年 303,000
44.6% ↑
1984年 209,540
0.09% ↑
1983年 209,360
-31.07% ↓
1982年 303,720
-24.07% ↓
1981年 400,000
-27.27% ↓
1980年 550,000
-7.26% ↓
1979年 593,040
-14.78% ↓
1978年 695,882
32.05% ↑
1977年 527,000
2.7% ↑
1976年 513,156
11.85% ↑
1975年 458,785
19.48% ↑
1974年 383,999
1.07% ↑
1973年 379,944
70.32% ↑
1972年 223,071
-2.51% ↓
1971年 228,824
-6.43% ↓
1970年 244,559
6.89% ↑
1969年 228,800
-9.5% ↓
1968年 252,814
-0.51% ↓
1967年 254,102
7.22% ↑
1966年 236,981
18.2% ↑
1965年 200,498
2.67% ↑
1964年 195,280
-7.45% ↓
1963年 211,000
0.48% ↑
1962年 210,000
-2.33% ↓
1961年 215,000 -

タンザニア連合共和国のサツマイモ生産量推移データを見ると、1961年の約21.5万トンから1970年代後半に急増し、その後一時的に減少したものの、2000年代に入り再び顕著な伸びを記録しています。特に2010年代では生産量の急激な拡大が見られ、2017年の約544万トンは最高潮に達する年となりました。この伸びは、農業技術の向上やサツマイモの多用途性への理解が深まった結果、国内外での需要が高まったことが要因と考えられます。また、サツマイモは干ばつ耐性の高い作物であるため、気候変動が進む中でも生産性を維持しやすいという利点も重要な要素です。

しかし、1980年代のデータでは急減が見られ、これは当時の経済的・社会的混乱やインフラ不足が生産に影響を及ぼした可能性が指摘されています。また、2003年には生産量が急減して約20.8万トンとなり、その後2004年から再び急回復しています。この変動は、特定の自然災害や市場の需要減少、さらには農業政策の一時的な変更によるものとも考えられます。

他国との比較において、例えば日本ではサツマイモ生産は主に家畜飼料や食用の一部にとどまり、生産量は年間数十万トン規模にとどまります。一方、中国の生産量は1億トンを超え、世界最大の生産国となっており、タンザニアはその規模には及ばないものの、アフリカ地域では代表的なサツマイモ生産国としての地位を築いています。

今後の課題として、気候変動や人口増加に伴う食料安全保障が挙げられます。サツマイモは干ばつや不良な土壌条件にも適応性が高いため、引き続き重要な作物と位置付けられていますが、作物病害対策、持続可能な農業技術の普及、さらには輸出市場の開拓が急務です。具体的には、気候変動への対策として耐病性の高い品種の普及や、収穫後の損失を削減するための保存技術の改良が求められます。また、経済面では現地農家への資金援助と技術支援、輸出市場の多様化によって成長をさらに加速させることが可能です。

地政学的背景では、アフリカ大陸全体での食料安全保障問題が重要性を増しています。もしも地域的な衝突や輸送インフラの不足が発生した場合、サツマイモの国内消費や輸出輸送が妨げられる可能性があります。これを防ぐため、地域間協力の枠組みにおける物流の強化と、平和的な交渉による安定的な環境の構築が不可欠です。

結論として、タンザニアにおけるサツマイモ生産量の増加は、国内の農業発展と食料安全保障における成功事例と言えます。しかし、外部要因である気候や地政学的なリスク、さらには市場需要の変動にも対応するさらなる努力が必要です。国際的な支援も活用しながら、国内政策として持続可能な農業振興策を進めることが重要です。