世界の牛飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1979年の牛飼養数のランキングにおいて、インドが1位（1億8,430万頭）、アメリカが2位（1億1,086万4,000頭）、ブラジルが3位（1億917万7,488頭）と上位を占めています。続いてアルゼンチン、中国、バングラデシュ、オーストラリアがランクインし、それぞれ5000万頭以上の飼養数を有していました。日本は4,150,000頭で世界43位となっています。このデータは、国際連合食糧農業機関（FAO）が発表しており、各国の農業や畜産業の規模、さらには経済や文化的側面を反映した重要な指標となっています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	インド	アジア	184,300,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	110,864,000
3	ブラジル	南アメリカ	109,177,488
4	アルゼンチン	南アメリカ	56,864,000
5	中国	アジア	52,528,000
6	バングラデシュ	アジア	31,741,008
7	オーストラリア	オセアニア	27,111,664
8	メキシコ	南アメリカ	26,493,008
9	コロンビア	南アメリカ	24,132,096
10	フランス	ヨーロッパ	23,906,000
11	ドイツ	ヨーロッパ	20,579,216
12	パキスタン	アジア	14,992,000
13	トルコ	アジア	14,941,000
14	南アフリカ	アフリカ	14,167,000
15	イギリス	ヨーロッパ	13,538,000
16	ポーランド	ヨーロッパ	13,035,611
17	タンザニア連合共和国	アフリカ	12,388,000
18	カナダ	北アメリカ	11,996,000
19	ナイジェリア	アフリカ	11,877,000
20	ケニア	アフリカ	11,453,400
21	ウルグアイ	南アメリカ	10,300,000
22	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	10,248,900
23	マダガスカル	アフリカ	10,000,000
24	イタリア	ヨーロッパ	8,638,800
25	ミャンマー	アジア	8,307,000
26	ニュージーランド	オセアニア	8,022,405
27	ネパール	アジア	6,850,000
28	インドネシア	アジア	6,362,000
29	ルーマニア	ヨーロッパ	6,282,600
30	アイルランド	ヨーロッパ	6,132,100
31	パラグアイ	南アメリカ	5,703,300
32	ジンバブエ	アフリカ	5,569,000
33	イラン（イスラム共和国）	アジア	5,399,000
34	ウガンダ	アフリカ	5,242,200
35	キューバ	南アメリカ	5,229,200
36	オランダ	ヨーロッパ	4,797,000
37	マリ	アフリカ	4,765,000
38	スペイン	ヨーロッパ	4,615,000
39	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	4,523,200
40	ソマリア	アフリカ	4,479,000
41	ペルー	南アメリカ	4,298,700
42	タイ	アジア	4,275,825
43	日本	アジア	4,150,000
44	ニジェール	アフリカ	4,125,760
45	チャド	アフリカ	3,868,000
46	アフガニスタン	アジア	3,710,000
47	チリ	南アメリカ	3,575,000
48	モロッコ	アフリカ	3,460,900
49	カメルーン	アフリカ	3,100,000
50	デンマーク	ヨーロッパ	3,035,396
51	アンゴラ	アフリカ	3,000,000
52	エクアドル	南アメリカ	2,846,057
53	ボツワナ	アフリカ	2,840,000
54	ブルキナファソ	アフリカ	2,706,000
55	オーストリア	ヨーロッパ	2,593,606
56	ニカラグア	南アメリカ	2,525,077
57	セネガル	アフリカ	2,500,000
58	モンゴル	アジア	2,482,000
59	ナミビア	アフリカ	2,389,343
60	ザンビア	アフリカ	2,214,272
61	コスタリカ	南アメリカ	2,093,100
62	スイス	ヨーロッパ	2,038,000
63	ハンガリー	ヨーロッパ	1,966,000
64	エジプト	アフリカ	1,954,000
65	ドミニカ共和国	南アメリカ	1,950,000
66	ホンジュラス	南アメリカ	1,931,088
67	スウェーデン	ヨーロッパ	1,910,838
68	フィリピン	アジア	1,833,210
69	ブルガリア	ヨーロッパ	1,762,509
70	大韓民国	アジア	1,762,079
71	フィンランド	ヨーロッパ	1,736,100
72	イラク	アジア	1,697,665
73	ベトナム	アジア	1,628,100
74	スリランカ	アジア	1,622,500
75	グアテマラ	南アメリカ	1,574,570
76	中央アフリカ共和国	アフリカ	1,560,000
77	ギニア	アフリカ	1,500,000
78	パナマ	南アメリカ	1,436,700
79	エルサルバドル	南アメリカ	1,386,782
80	モザンビーク	アフリカ	1,380,000
81	アルジェリア	アフリカ	1,327,610
82	ポルトガル	ヨーロッパ	1,294,000
83	モーリタニア	アフリカ	1,193,000
84	コンゴ民主共和国	アフリカ	1,146,000
85	ギリシャ	ヨーロッパ	975,202
86	ノルウェー	ヨーロッパ	968,843
87	イエメン	アジア	946,000
88	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	925,000
89	ハイチ	南アメリカ	900,000
90	ブルンジ	アフリカ	819,000
91	マラウイ	アフリカ	789,533
92	ガーナ	アフリカ	780,000
93	シリア・アラブ共和国	アジア	759,929
94	ベナン	アフリカ	754,944
95	カンボジア	アジア	739,000
96	エスワティニ	アフリカ	660,505
97	ルワンダ	アフリカ	631,353
98	コートジボワール	アフリカ	630,000
99	アルバニア	ヨーロッパ	602,000
100	チュニジア	アフリカ	565,000
101	レソト	アフリカ	560,327
102	プエルトリコ	南アメリカ	523,933
103	マレーシア	アジア	509,709
104	ラオス人民民主共和国	アジア	399,000
105	サウジアラビア	アジア	373,261
106	シエラレオネ	アフリカ	340,000
107	イスラエル	アジア	302,500
108	ブータン	アジア	293,000
109	ガンビア	アフリカ	292,000
110	ギニアビサウ	アフリカ	284,000
111	ジャマイカ	南アメリカ	273,000
112	トーゴ	アフリカ	229,616
113	フィジー	オセアニア	205,000
114	リビア	アフリカ	180,880
115	オマーン	アジア	135,182
116	ガイアナ	南アメリカ	135,000
117	パプアニューギニア	オセアニア	132,499
118	ニューカレドニア	オセアニア	120,000
119	バヌアツ	オセアニア	96,000
120	グアドループ	南アメリカ	90,000
121	中国、台湾 中国省	アジア	87,936
122	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	77,000
123	コモロ	アフリカ	72,000
124	コンゴ	アフリカ	67,000
125	アイスランド	ヨーロッパ	62,789
126	レバノン	アジア	55,000
127	マルティニーク	南アメリカ	55,000
128	ベリーズ	南アメリカ	50,000
129	スリナム	南アメリカ	41,984
130	東ティモール	アジア	40,000
131	ジブチ	アフリカ	40,000
132	リベリア	アフリカ	38,000
133	ヨルダン	アジア	32,000
134	サモア	オセアニア	27,983
135	アラブ首長国連邦	アジア	25,000
136	モーリシャス	アフリカ	25,000
137	ソロモン諸島	オセアニア	22,584
138	レユニオン	アフリカ	20,800
139	キプロス	アジア	20,100
140	バルバドス	南アメリカ	16,500
141	クウェート	アジア	13,956
142	マルタ	ヨーロッパ	13,701
143	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	13,000
144	カーボベルデ	アフリカ	10,200
145	トンガ	オセアニア	9,840
146	セントルシア	南アメリカ	9,591
147	中国、香港特別行政区	アジア	9,450
148	カタール	アジア	7,450
149	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	7,400
150	フランス領ポリネシア	オセアニア	7,000
151	ドミニカ	南アメリカ	6,800
152	グレナダ	南アメリカ	6,794
153	バーレーン	アジア	5,572
154	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	5,100
155	赤道ギニア	アフリカ	4,100
156	ガボン	アフリカ	4,000
157	フランス領ギアナ	南アメリカ	3,555
158	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,000
159	サントメ・プリンシペ	アフリカ	2,700
160	セーシェル	アフリカ	2,470
161	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,890
162	バハマ	南アメリカ	1,200
163	シンガポール	アジア	1,000
164	ニウエ	オセアニア	649
165	クック諸島	オセアニア	200
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1979年の国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによれば、インドが牛の飼養頭数ではトップに立っており、1億8,430万頭という圧倒的な数で他国を引き離しています。一方、アメリカ合衆国（1億1,086万4,000頭）やブラジル（1億917万7,488頭）が続き、これらの国々はいずれも農業・畜産業が基幹産業として発展している点が特徴的です。特に、インドの牛の飼養数が圧倒的である背景には、宗教的価値観や文化的風習が深く関係しています。インドでは牛が神聖視されており、食肉用としてだけでなく乳製品の生産という形で農村経済を支えています。一方、ブラジルやアメリカでは牛肉の輸出産業の重要性が高く、これが飼養数の多さに直結しているといえます。

中国は52,528,000頭で5位という結果でしたが、ここには当時の内陸農村部における持続可能な生産モデルへの依存が反映されています。人口が多いにもかかわらず、まだ急速な都市化や工業化が進展する以前であるため、牛は重要な農耕のパートナーであり、乳製品よりむしろ労働力として用いられました。日本は43位となりましたが、これは地理的制約や耕作地面積の小ささ、また農業における多様性の中で豚や鶏を重視した戦略による影響と考えられます。

世界全体を見渡すと、飼養数の上位国は多くが農業大国であり、広大な農地と相まって牛の管理が容易になっています。一方、畜産業が盛んなヨーロッパ地域では、各国の加工技術の進化が進んでおり少数精鋭の生産体制を維持していることが特徴です。これがフランス（10位）やドイツ（11位）のランキングに現れています。

このデータをもとに将来の課題を考えた場合、特に地球温暖化や人口増加の影響に対する検討が必要です。牛の飼養には広大な土地と飼料が必要であり、これは森林破壊や水資源の消費と密接に結びついています。特に、ブラジルをはじめとする南アメリカでは、牛の大規模な放牧がアマゾンの伐採を促している点が問題視されています。これにより地域の生態系に悪影響が出るだけでなく、世界全体の気候変動への寄与も高まることが懸念されています。

また、疫病リスクや国際貿易の問題も見逃せません。例えば、口蹄疫やBSE（いわゆる狂牛病）の発生は、畜産大国にとって致命的な打撃となる可能性があり、世界的な監視体制の強化が不可欠です。これに対し、地域間協力の枠組みを拡大し、研究および予防策を進めることが求められます。

さらに、国際食糧需給バランスが変化する中で、牛肉の生産と消費の在り方を見直す動きも広がっています。環境負荷軽減のため、代替タンパク質の開発や消費者意識の啓発が重要な要素となるでしょう。日本も含むアジア地域では、持続可能な農業モデルの確立が急務であり、省資源型や低炭素型の畜産技術を導入するための政策支援が効果的です。

結論として、このデータからは各国の畜産業の規模が示されると同時に、それに伴う環境、貿易、そして疫病リスクなど多くの課題が浮かび上がります。各国の政府や国際機関は、持続可能性を重視した方針を強化し、国際協力を通じた全面的な解決に取り組むべきです。特に、牛飼養数の多い国々がリーダーシップを発揮し、これからの農業と食料生産のモデル構築を進めることが重要です。