世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1984年の羊飼養数ランキングデータによると、オーストラリアが約1億3924万匹で世界第1位となり、中国、ニュージーランドがそれに続きました。飼養数が多い上位3カ国で全体の大部分を占めており、オーストラリアの数字は2位中国の約1.4倍に相当します。一方で、日本は22,200匹で119位となり、同じアジア内の国々と比べても遥かに少ない結果でした。データは地域の気候条件、経済活動の違い、さらには羊肉・羊毛の需要の影響を反映しています。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	オーストラリア	オセアニア	139,241,584
2	中国	アジア	98,920,000
3	ニュージーランド	オセアニア	69,739,008
4	トルコ	アジア	48,707,008
5	インド	アジア	47,500,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	38,000,000
7	南アフリカ	アフリカ	31,265,008
8	アルゼンチン	南アメリカ	28,000,000
9	パキスタン	アジア	24,272,000
10	イギリス	ヨーロッパ	23,317,008
11	ウルグアイ	南アメリカ	20,637,008
12	ルーマニア	ヨーロッパ	18,450,608
13	ブラジル	南アメリカ	18,447,248
14	スペイン	ヨーロッパ	17,554,000
15	アルジェリア	アフリカ	15,664,000
16	アフガニスタン	アジア	14,900,000
17	モンゴル	アジア	14,110,400
18	フランス	ヨーロッパ	13,035,000
19	シリア・アラブ共和国	アジア	12,693,000
20	ペルー	南アメリカ	12,541,400
21	ソマリア	アフリカ	11,800,000
22	アメリカ合衆国	北アメリカ	11,559,000
23	モロッコ	アフリカ	11,493,179
24	ブルガリア	ヨーロッパ	10,978,289
25	イタリア	ヨーロッパ	10,744,600
26	ナイジェリア	アフリカ	9,815,000
27	イラク	アジア	9,723,000
28	ギリシャ	ヨーロッパ	8,252,435
29	サウジアラビア	アジア	6,940,314
30	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	6,592,158
31	ケニア	アフリカ	6,419,100
32	メキシコ	南アメリカ	6,120,360
33	チリ	南アメリカ	6,000,000
34	チュニジア	アフリカ	5,561,000
35	マリ	アフリカ	5,200,000
36	リビア	アフリカ	5,000,000
37	インドネシア	アジア	4,698,000
38	ポーランド	ヨーロッパ	4,533,642
39	ニジェール	アフリカ	4,203,549
40	ブルキナファソ	アフリカ	4,100,000
41	モーリタニア	アフリカ	3,800,000
42	ドイツ	ヨーロッパ	3,576,943
43	エジプト	アフリカ	3,472,000
44	イエメン	アジア	3,394,326
45	ポルトガル	ヨーロッパ	3,300,000
46	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,080,147
47	ハンガリー	ヨーロッパ	2,977,400
48	アイルランド	ヨーロッパ	2,813,200
49	ナミビア	アフリカ	2,606,024
50	チャド	アフリカ	2,487,000
51	コロンビア	南アメリカ	2,466,250
52	ノルウェー	ヨーロッパ	2,351,000
53	カメルーン	アフリカ	2,100,000
54	セネガル	アフリカ	2,000,000
55	ガーナ	アフリカ	1,900,000
56	ウガンダ	アフリカ	1,602,000
57	アルバニア	ヨーロッパ	1,350,000
58	レソト	アフリカ	1,280,975
59	ベナン	アフリカ	1,240,000
60	エクアドル	南アメリカ	1,162,900
61	コートジボワール	アフリカ	1,040,000
62	ヨルダン	アジア	960,000
63	ネパール	アジア	770,000
64	オランダ	ヨーロッパ	765,529
65	コンゴ民主共和国	アフリカ	736,500
66	アイスランド	ヨーロッパ	714,731
67	バングラデシュ	アジア	667,000
68	トーゴ	アフリカ	620,772
69	カナダ	北アメリカ	550,300
70	マダガスカル	アフリカ	550,000
71	ジブチ	アフリカ	450,500
72	ギニア	アフリカ	450,000
73	スウェーデン	ヨーロッパ	438,444
74	ジンバブエ	アフリカ	431,000
75	キューバ	南アメリカ	375,000
76	パラグアイ	南アメリカ	372,036
77	ブルンジ	アフリカ	369,300
78	スイス	ヨーロッパ	361,100
79	グアテマラ	南アメリカ	359,800
80	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	340,000
81	ルワンダ	アフリカ	338,486
82	クウェート	アジア	325,975
83	キプロス	アジア	325,000
84	ミャンマー	アジア	316,000
85	シエラレオネ	アフリカ	300,000
86	イスラエル	アジア	273,000
87	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	265,100
88	アンゴラ	アフリカ	245,000
89	リベリア	アフリカ	235,000
90	オーストリア	ヨーロッパ	215,775
91	ギニアビサウ	アフリカ	193,000
92	アラブ首長国連邦	アジア	169,361
93	ボツワナ	アフリカ	167,200
94	レバノン	アジア	160,000
95	マラウイ	アフリカ	149,854
96	ガンビア	アフリカ	135,000
97	オマーン	アジア	135,000
98	ガボン	アフリカ	129,800
99	ガイアナ	南アメリカ	122,000
100	モザンビーク	アフリカ	114,000
101	ハイチ	南アメリカ	112,000
102	中央アフリカ共和国	アフリカ	96,909
103	コンゴ	アフリカ	88,849
104	ドミニカ共和国	南アメリカ	80,000
105	マレーシア	アジア	69,371
106	マルティニーク	南アメリカ	69,000
107	フェロー諸島	ヨーロッパ	65,029
108	フィンランド	ヨーロッパ	59,500
109	デンマーク	ヨーロッパ	55,000
110	カタール	アジア	49,900
111	タイ	アジア	44,877
112	バルバドス	南アメリカ	43,000
113	ザンビア	アフリカ	36,244
114	エスワティニ	アフリカ	35,125
115	赤道ギニア	アフリカ	34,400
116	フィリピン	アジア	30,000
117	スリランカ	アジア	28,800
118	東ティモール	アジア	25,000
119	日本	アジア	22,200
120	ブータン	アジア	19,000
121	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	15,780
122	セントルシア	南アメリカ	14,858
123	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	14,200
124	グレナダ	南アメリカ	14,000
125	コモロ	アフリカ	12,500
126	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	12,000
127	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	9,000
128	バハマ	南アメリカ	8,500
129	バーレーン	アジア	7,000
130	ドミニカ	南アメリカ	7,000
131	モーリシャス	アフリカ	7,000
132	ホンジュラス	南アメリカ	6,100
133	プエルトリコ	南アメリカ	6,000
134	マルタ	ヨーロッパ	5,000
135	大韓民国	アジア	4,651
136	エルサルバドル	南アメリカ	4,250
137	グアドループ	南アメリカ	4,200
138	スリナム	南アメリカ	3,512
139	ベリーズ	南アメリカ	3,300
140	ジャマイカ	南アメリカ	3,200
141	フランス領ギアナ	南アメリカ	3,150
142	ニカラグア	南アメリカ	3,100
143	ニューカレドニア	オセアニア	2,981
144	レユニオン	アフリカ	2,900
145	コスタリカ	南アメリカ	2,500
146	サントメ・プリンシペ	アフリカ	1,800
147	パプアニューギニア	オセアニア	1,619
148	カーボベルデ	アフリカ	1,500
149	フランス領ポリネシア	オセアニア	890
150	中国、台湾 中国省	アジア	449
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1984年に国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した羊の飼養数のランキングにおいて、飼養数が突出して多かった国はオーストラリアでした。同国は約1億3924万匹を飼養しており、世界第2位の中国（約9892万匹）を大きく引き離す結果でした。この結果は、広大な草原と乾燥した気候が羊の生産に適していること、さらに羊毛の輸出がオーストラリア経済の柱の一つとなっていることを示しています。3位のニュージーランドも約6973万匹の飼養数となり、同様に牧畜業の重要性を裏付けています。これら上位3カ国の羊飼養数を合算すると、全体の大部分を占めるという特徴が見られます。

一方で、アジア地域を見ると、中国が2位にランクインしている一方で、日本は119位と大きく順位が離れています。この違いは地理的な条件と消費文化の影響によるものと考えられます。中国では広大な内陸部の草原地帯が飼養に適しており、さらに羊肉が食文化で重要な位置を占めています。その一方で日本は、国土が山地や湿潤な気候に覆われており、羊飼養には不利な環境です。さらに、食文化的にも羊肉の需要が他国に比べて低く、飼養数の少なさに繋がっているといえます。

羊毛や羊肉生産が経済に重要な国では、地政学的リスクや労働力の確保にも課題が存在します。特に、オーストラリアが羊毛の大規模輸出国であることから、国際市場の動向や輸出先国の政策変更が同国の実績に直接的な影響を与える可能性があります。また、ニュージーランドやイギリスのように羊飼養に特化した国々では、新型コロナウイルスの影響で輸出が制限された結果、牧畜業が減産を余儀なくされ、経済全体に負の影響を及ぼした事例があります。

このデータから見える課題として、気候変動が持つ影響も忘れてはなりません。気候変動による牧草地の劣化や水資源の不足は、羊飼養の持続可能性を脅かしています。特に乾燥した気候の国々では、この問題が飼養数の減少やコスト増加に直結しています。将来的には、牧草地の管理や水資源の効率的利用が羊の生産を左右する重要な要素となるでしょう。

日本のように羊の飼育が少ない国では、文化や気候の制約により生産面の拡充が現実的ではない場合も多いですが、輸入経済における安全保障という観点で、国際的な安定供給を確保するための取り組みが重要です。また、過剰な輸入依存の回避として、国内消費の多角化や代替食品（例：牛肉）の生産を進めることで、柔軟な供給体制を構築することが提案されます。

全体として、このランキングは各国の羊に対する経済的・文化的な依存度や国土・気候条件の違いを反映しています。国際機関や各国政府が持続可能な放牧技術や牧草地管理を推進し、気候変動への適応力を向上させることが世界的な課題の解決策となります。また、市場の需要と供給のバランスを保つための地域間協力も積極的に進めるべきです。将来的には、生態系を保全しつつも、経済的利益を最大化できるようなグローバルな施策が求められるでしょう。