世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1967年の「世界の羊飼養数ランキング」によると、オーストラリアが164,236,880匹で圧倒的な1位となりました。2位は中国の77,780,000匹、3位はニュージーランドの60,029,984匹で続きます。上位10ヵ国には、アルゼンチン、インド、南アフリカ、トルコ、イラン、イギリス、アメリカ合衆国などが含まれ、それぞれ羊飼養において重要な役割を担っています。一方で、日本は113,300匹で94位にランクインしており、世界的には非常に少ない水準です。このデータは、羊飼養が多様な地理的、経済的、文化的背景を反映していることを示しています。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	オーストラリア	オセアニア	164,236,880
2	中国	アジア	77,780,000
3	ニュージーランド	オセアニア	60,029,984
4	アルゼンチン	南アメリカ	49,000,000
5	インド	アジア	41,671,000
6	南アフリカ	アフリカ	38,826,032
7	トルコ	アジア	34,663,008
8	イラン（イスラム共和国）	アジア	30,467,008
9	イギリス	ヨーロッパ	29,007,920
10	アメリカ合衆国	北アメリカ	23,953,008
11	ウルグアイ	南アメリカ	21,400,000
12	アフガニスタン	アジア	20,600,000
13	スペイン	ヨーロッパ	18,716,384
14	ブラジル	南アメリカ	16,116,000
15	ペルー	南アメリカ	16,041,000
16	ルーマニア	ヨーロッパ	14,109,100
17	モロッコ	アフリカ	13,408,000
18	モンゴル	アジア	13,065,000
19	パキスタン	アジア	12,900,000
20	イラク	アジア	12,000,000
21	ブルガリア	ヨーロッパ	9,997,905
22	フランス	ヨーロッパ	9,185,600
23	イタリア	ヨーロッパ	8,212,000
24	ソマリア	アフリカ	8,000,000
25	ギリシャ	ヨーロッパ	7,828,721
26	アルジェリア	アフリカ	7,129,000
27	メキシコ	南アメリカ	6,695,000
28	チリ	南アメリカ	6,501,910
29	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	6,378,300
30	ポルトガル	ヨーロッパ	5,784,425
31	シリア・アラブ共和国	アジア	5,735,000
32	マリ	アフリカ	5,200,000
33	チュニジア	アフリカ	5,200,000
34	モーリタニア	アフリカ	4,200,000
35	ケニア	アフリカ	4,145,000
36	ニジェール	アフリカ	3,800,000
37	インドネシア	アジア	3,704,000
38	ナミビア	アフリカ	3,600,000
39	ポーランド	ヨーロッパ	3,321,200
40	ハンガリー	ヨーロッパ	3,273,642
41	アイルランド	ヨーロッパ	3,058,800
42	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,832,000
43	ドイツ	ヨーロッパ	2,740,200
44	イエメン	アジア	2,571,000
45	ナイジェリア	アフリカ	2,241,000
46	サウジアラビア	アジア	2,105,000
47	チャド	アフリカ	2,075,000
48	ノルウェー	ヨーロッパ	2,067,423
49	エジプト	アフリカ	2,044,000
50	カメルーン	アフリカ	1,900,000
51	エクアドル	南アメリカ	1,780,000
52	コロンビア	南アメリカ	1,746,014
53	リビア	アフリカ	1,627,652
54	アルバニア	ヨーロッパ	1,565,600
55	レソト	アフリカ	1,526,442
56	ブルキナファソ	アフリカ	1,500,000
57	セネガル	アフリカ	1,352,130
58	ガーナ	アフリカ	1,200,000
59	アイスランド	ヨーロッパ	847,337
60	ウガンダ	アフリカ	790,933
61	ヨルダン	アジア	768,030
62	コートジボワール	アフリカ	714,000
63	トーゴ	アフリカ	657,000
64	グアテマラ	南アメリカ	631,600
65	ネパール	アジア	600,000
66	コンゴ民主共和国	アフリカ	564,000
67	ベナン	アフリカ	545,900
68	オランダ	ヨーロッパ	529,218
69	ジンバブエ	アフリカ	522,956
70	マダガスカル	アフリカ	501,670
71	バングラデシュ	アジア	500,000
72	カナダ	北アメリカ	463,700
73	パラグアイ	南アメリカ	441,000
74	キプロス	アジア	380,000
75	ギニア	アフリカ	350,000
76	スウェーデン	ヨーロッパ	266,729
77	キューバ	南アメリカ	245,000
78	スイス	ヨーロッパ	235,600
79	ボツワナ	アフリカ	211,764
80	ミャンマー	アジア	203,000
81	レバノン	アジア	197,849
82	ブルンジ	アフリカ	195,400
83	イスラエル	アジア	195,000
84	フィンランド	ヨーロッパ	172,700
85	シエラレオネ	アフリカ	166,000
86	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	160,000
87	リベリア	アフリカ	140,000
88	アンゴラ	アフリカ	140,000
89	ルワンダ	アフリカ	138,000
90	オーストリア	ヨーロッパ	137,711
91	デンマーク	ヨーロッパ	122,096
92	ジブチ	アフリカ	120,000
93	ギニアビサウ	アフリカ	115,000
94	日本	アジア	113,300
95	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	100,000
96	モザンビーク	アフリカ	99,376
97	ガンビア	アフリカ	94,900
98	マラウイ	アフリカ	88,820
99	ガイアナ	南アメリカ	82,650
100	クウェート	アジア	80,000
101	アラブ首長国連邦	アジア	70,000
102	フェロー諸島	ヨーロッパ	69,097
103	ハイチ	南アメリカ	64,100
104	中央アフリカ共和国	アフリカ	58,000
105	東ティモール	アジア	54,005
106	ガボン	アフリカ	50,000
107	ドミニカ共和国	南アメリカ	42,000
108	バルバドス	南アメリカ	41,000
109	マルティニーク	南アメリカ	38,000
110	マレーシア	アジア	38,000
111	オマーン	アジア	37,000
112	エスワティニ	アフリカ	35,778
113	コンゴ	アフリカ	35,000
114	ザンビア	アフリカ	32,700
115	カタール	アジア	32,600
116	赤道ギニア	アフリカ	26,300
117	スリランカ	アジア	24,593
118	フィリピン	アジア	23,729
119	バハマ	南アメリカ	23,100
120	タイ	アジア	16,184
121	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	13,600
122	グレナダ	南アメリカ	11,000
123	マルタ	ヨーロッパ	9,962
124	ブータン	アジア	9,050
125	ジャマイカ	南アメリカ	8,500
126	セントルシア	南アメリカ	8,000
127	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	7,400
128	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	5,800
129	コモロ	アフリカ	5,650
130	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,400
131	モーリシャス	アフリカ	5,000
132	グアドループ	南アメリカ	4,500
133	スリナム	南アメリカ	4,353
134	プエルトリコ	南アメリカ	4,100
135	ホンジュラス	南アメリカ	4,000
136	ニューカレドニア	オセアニア	4,000
137	エルサルバドル	南アメリカ	4,000
138	フランス領ポリネシア	オセアニア	3,300
139	ドミニカ	南アメリカ	3,200
140	カーボベルデ	アフリカ	2,543
141	サントメ・プリンシペ	アフリカ	2,393
142	レユニオン	アフリカ	2,000
143	バーレーン	アジア	1,900
144	フランス領ギアナ	南アメリカ	1,900
145	コスタリカ	南アメリカ	1,850
146	大韓民国	アジア	1,604
147	ベリーズ	南アメリカ	1,600
148	ニカラグア	南アメリカ	1,250
149	パプアニューギニア	オセアニア	388
150	中国、香港特別行政区	アジア	32
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今回示された1967年の羊飼養数ランキングは、世界各国の農業と牧畜業の状況を理解する上で貴重な資料です。羊の飼養は、食料（羊肉や乳製品）、衣料用の繊維（ウール）、そして地域経済や文化においても特別な位置づけを持っています。そのため、諸国の羊飼養数は気候条件、経済発展の程度、地政学的背景などの影響を強く受けています。

オーストラリアが1位となった背景には、広大な土地、羊の飼養に適した乾燥地帯、そしてウール輸出を中心とした重要な産業基盤があります。同様に、ニュージーランドも牧草地に恵まれた自然環境と羊製品の輸出主導型経済が重要な要因となっています。一方、中国はその広大な国土と多様な気候が羊飼養を支え、農村部の重要な収入源となっています。これら3カ国に共通するのは、大規模な牧畜業の仕組みが整備され、国内外の市場需要を満たすべく生産を拡大していることです。

一方で、人口や国土が限られる日本や韓国のような地域では、羊飼養は小規模にとどまっています。日本の場合、113,300匹という数値からもわかるように、1967年時点では主に畜産よりも農業に重点が置かれ、羊から得られる製品に対する需要が比較的少なかったと考えられます。

地理的条件もまた重要な要素です。熱帯地域や湿潤な気候を持つ国々では、羊の飼養には多くの制約があり、代わりに他の農畜産業が主流になっている場合があります。一方、乾燥地帯を持つ国々では、羊は土壌の貧しい農村部においても資源を効率的に活用できる家畜として重宝されています。

課題として、一部の地域では、羊飼養数が増えることによる環境負荷も指摘されています。特に羊が草地を食べ尽くした後の土地荒廃の問題や、輸送と生産過程での温室効果ガスの排出が課題となっています。このような環境負荷を軽減するために、牧草地の管理改善や持続可能な飼育方式の採用が求められるところです。

また、地政学的リスクや紛争、疫病の影響も無視できません。例えば、羊毛や羊肉を国外へ輸出している国では、貿易摩擦や輸出規制が産業全体へ悪影響を及ぼすことがあります。同様に、羊の疫病が流行する地域では、国際市場における価格の高騰や供給問題が発生し得ます。

今後の具体的提言としては、以下のことが挙げられます。まず、持続可能な羊飼養を促進するため、各国政府や国際機関は環境に配慮した飼養方法を研究・導入する必要があります。また、気候変動リスクを考慮し、羊飼養の分布や管理方法を適応させることが重要です。その一方で、羊製品を占める経済的な役割が大きい国では、その市場を安定化させるため、輸出経済に依存しすぎない多角的な産業政策を模索する必要があります。

まとめると、1967年の羊飼養数のデータは、各国の地理的および経済的な特徴を反映したものであり、国や地域ごとに課題や機会が異なることを示しています。このデータを活用することで、持続可能な羊生産のための政策立案が進むことが期待されます。将来的な気候変動や市場変動への対応策を立てることこそが、各国の競争力を支え、世界の羊飼養業のさらなる発展に寄与するでしょう。