世界のキュウリ類生産量ランキング2023(最新)

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2023年度のキュウリ類生産量ランキングによると、世界最大の生産国は中国で、80,168,207 トンと圧倒的な量を誇っています。次いで、トルコ（1,871,712 トン）とロシア連邦（1,680,480 トン）が2位と3位にランクインしています。日本は534,803 トンで11位となり、アメリカ合衆国（646,641 トン）やスペイン（722,150 トン）などの主要国に次ぐポジションを占めています。一方で、生産量が1,000 トン未満の国々が多く存在するなど、世界的な分布には大きなばらつきが見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	80,168,207
2	トルコ	アジア	1,871,712
3	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,680,480
4	メキシコ	南アメリカ	1,036,717
5	ウズベキスタン	アジア	961,751
6	ウクライナ	ヨーロッパ	874,340
7	スペイン	ヨーロッパ	722,150
8	アメリカ合衆国	北アメリカ	646,641
9	エジプト	アフリカ	626,802
10	カザフスタン	アジア	547,632
11	日本	アジア	534,803
12	ポーランド	ヨーロッパ	447,900
13	イラン（イスラム共和国）	アジア	438,078
14	オランダ	ヨーロッパ	426,070
15	インドネシア	アジア	416,728
16	大韓民国	アジア	285,265
17	ドイツ	ヨーロッパ	267,140
18	カメルーン	アフリカ	264,437
19	タジキスタン	アジア	262,767
20	スーダン	アフリカ	229,509
21	ベラルーシ	ヨーロッパ	226,753
22	アゼルバイジャン	アジア	219,777
23	アルジェリア	アフリカ	199,308
24	サウジアラビア	アジア	196,254
25	インド	アジア	183,102
26	バングラデシュ	アジア	180,612
27	フランス	ヨーロッパ	179,940
28	タイ	アジア	176,866
29	ヨルダン	アジア	167,336
30	シリア・アラブ共和国	アジア	153,624
31	キルギスタン	アジア	130,433
32	アルバニア	ヨーロッパ	128,845
33	パレスチナ国	アジア	125,338
34	レバノン	アジア	124,452
35	マリ	アフリカ	121,242
36	パキスタン	アジア	120,662
37	ギリシャ	ヨーロッパ	115,710
38	オマーン	アジア	103,200
39	アラブ首長国連邦	アジア	102,144
40	オーストラリア	オセアニア	93,469
41	マレーシア	アジア	91,247
42	イスラエル	アジア	88,863
43	ルーマニア	ヨーロッパ	88,610
44	モロッコ	アフリカ	84,308
45	キューバ	南アメリカ	78,568
46	チュニジア	アフリカ	71,199
47	アルメニア	アジア	69,351
48	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	67,323
49	イラク	アジア	66,472
50	イタリア	ヨーロッパ	66,330
51	カナダ	北アメリカ	59,213
52	フィンランド	ヨーロッパ	58,060
53	ペルー	南アメリカ	53,538
54	ブルガリア	ヨーロッパ	52,510
55	スリランカ	アジア	51,519
56	クウェート	アジア	47,948
57	中国、台湾 中国省	アジア	47,429
58	イギリス	ヨーロッパ	46,479
59	オーストリア	ヨーロッパ	43,430
60	ホンジュラス	南アメリカ	40,743
61	スウェーデン	ヨーロッパ	39,930
62	ベルギー	ヨーロッパ	39,730
63	チリ	南アメリカ	37,253
64	コロンビア	南アメリカ	36,147
65	ジンバブエ	アフリカ	35,000
66	トルクメニスタン	アジア	34,881
67	北マケドニア	ヨーロッパ	31,657
68	ハンガリー	ヨーロッパ	30,210
69	セルビア	ヨーロッパ	29,675
70	南アフリカ	アフリカ	28,961
71	チェコ	ヨーロッパ	25,900
72	グルジア	アジア	25,300
73	リトアニア	ヨーロッパ	24,340
74	コートジボワール	アフリカ	20,629
75	ノルウェー	ヨーロッパ	19,803
76	ジャマイカ	南アメリカ	19,140
77	モルドバ共和国	ヨーロッパ	19,003
78	ドミニカ共和国	南アメリカ	18,882
79	マラウイ	アフリカ	16,218
80	スイス	ヨーロッパ	15,741
81	カタール	アジア	15,655
82	デンマーク	ヨーロッパ	15,610
83	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	15,582
84	フィリピン	アジア	14,742
85	イエメン	アジア	13,832
86	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	12,157
87	エルサルバドル	南アメリカ	12,044
88	ポルトガル	ヨーロッパ	11,740
89	ケニア	アフリカ	10,774
90	モンゴル	アジア	8,499
91	キプロス	アジア	8,400
92	モーリシャス	アフリカ	7,423
93	クロアチア	ヨーロッパ	7,360
94	バヌアツ	オセアニア	7,160
95	リビア	アフリカ	6,828
96	パナマ	南アメリカ	6,024
97	ラトビア	ヨーロッパ	5,930
98	エストニア	ヨーロッパ	5,730
99	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	4,905
100	エクアドル	南アメリカ	4,796
101	ガイアナ	南アメリカ	3,540
102	スロバキア	ヨーロッパ	3,330
103	コモロ	アフリカ	2,349
104	スロベニア	ヨーロッパ	2,340
105	ドミニカ	南アメリカ	2,214
106	アイスランド	ヨーロッパ	2,096
107	中国、香港特別行政区	アジア	1,968
108	エチオピア	アフリカ	1,716
109	コスタリカ	南アメリカ	1,665
110	プエルトリコ	南アメリカ	1,654
111	バーレーン	アジア	1,650
112	ニジェール	アフリカ	1,505
113	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,375
114	フィジー	オセアニア	1,293
115	東ティモール	アジア	1,115
116	バルバドス	南アメリカ	1,077
117	ブータン	アジア	1,037
118	セントルシア	南アメリカ	1,013
119	カーボベルデ	アフリカ	756
120	マルタ	ヨーロッパ	740
121	フランス領ポリネシア	オセアニア	682
122	スリナム	南アメリカ	643
123	マダガスカル	アフリカ	627
124	ニュージーランド	オセアニア	619
125	ベリーズ	南アメリカ	467
126	グレナダ	南アメリカ	447
127	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	421
128	コンゴ民主共和国	アフリカ	385
129	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	146
130	ガーナ	アフリカ	132
131	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	101
132	ルクセンブルク	ヨーロッパ	30
133	ガボン	アフリカ	23
134	ジブチ	アフリカ	7
135	ナウル	オセアニア	1
+ すべての国を見る

キュウリ類（キュウリとその近縁種）は、サラダや漬物として世界的に需要が高い農作物です。このランキングデータは、2023年の時点で世界各国がどの程度キュウリを生産しているかを示しています。全体を見渡すと、中国が他国を大きく引き離してトップを占めており、その生産量の割合は全体の実に約70%を占めています。この規模は、中国が国内需要だけでなく、キュウリを含む農作物の輸出にも注力していることを示唆しています。また、中国は広大な土地と安価で豊富な労働力、さらに効率的な農業技術を活用して、競争力のある生産体制を確立していると考えられます。

これに続くトルコとロシア連邦も、それぞれ地中海性気候や豊富な土地資源を生かした生産が可能な国です。特にトルコは、ヨーロッパ市場向けに多くのキュウリを輸出しており、地理的条件と輸送の効率性が有利に働いています。一方でロシアの場合、国内需要における食糧自給の志向が強く、輸入への依存を減らしながら生産を拡大していることがこの順位に反映されています。

日本に目を向けると、生産量は11位にランクインしていますが、近隣国である韓国（285,265 トン、16位）や中国と比較すると大きな違いがあります。これは、日本が農地面積の狭さや高いコスト構造を持つ国であることと関連しています。また、多品目少量生産の特性を持つ日本の農業では、キュウリも例外ではありません。一方で、日本国内ではより高い品質や付加価値（例：無農薬、有機栽培、特定地域ブランド）を重視した生産が進んでおり、市場ニーズに適応した仕組みと言えます。

地域ごとの課題にも注目する必要があります。例えば、経済的に安定していない地域では、インフラの未整備や農業技術の不足から、生産性が低い傾向があります。エチオピア（1,716 トン）やマラウイ（16,218 トン）などの例がこれを示しています。このような地域では、国際機関や先進国の支援のもと、農地開発や灌漑技術の導入が不可欠となります。

また、気候変動がキュウリ生産に与える影響も無視できません。キュウリは比較的温温な気候を好む作物であり、異常気象による収穫量の変動が懸念されています。特に、干ばつや豪雨が頻発する地域では、温室栽培や気候に強い品種の研究開発が求められています。

地政学的な観点では、紛争地域において生産活動が停滞している場合が見られます。例えば、ウクライナ（874,340 トン）は、国際的な輸出市場で一定の役割を果たしていますが、近年の地域的な緊張や軍事衝突が農業生産に影響を及ぼしている可能性があります。同様に、シリア（153,624 トン）やイエメン（13,832 トン）も生産量が低い傾向にあり、これらの国の不安定な状況が農業発展の妨げとなっています。

キュウリ生産に関して未来への示唆を挙げると、まず持続可能な農業技術の導入が重要です。各国がそれぞれの地政的、経済的条件に応じた支援を受けられるよう、国際的な協力体制が求められます。例えば、低コストで環境負荷が低い温室技術の共有や、より耐環境性が高い新品種の開発が有効です。また、日本のように高い付加価値を持つ商品の開発は、他国にも参考になるモデルです。特に、需要地内での販売拡大を目指す地域では、自国ブランドの育成が市場競争力を強化するでしょう。

結論として、2023年度のキュウリ類生産は、農業資源や地理的条件、経済の発展度合いなど、様々な要因がその分布と順位を反映しています。現状の不均衡を是正するためには、技術支援や地政学的リスクの緩和が不可欠です。また、長期的には気候変動による影響を軽減するため、より効率的で環境に優しい生産方法の普及が求められることでしょう。