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オーストリアのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が2024年7月に発表した最新データによると、オーストリアのキュウリ類の生産量推移には1961年から2023年までの明確な増減のトレンドが見られ、これには様々な要因が影響を及ぼしてきました。初期の数十年間では大きな変動を伴いながらも、1980年代以降は総じて安定した生産量を達成しており、特に2010年代中盤以降は45,000トン前後を維持しています。ただし、近年の天候の変動や需給バランスの変化を背景に、わずかな減少傾向も見られています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 43,430
-1.54% ↓
2022年 44,110
-7.6% ↓
2021年 47,740
3.04% ↑
2020年 46,330
2.34% ↑
2019年 45,270
0.94% ↑
2018年 44,850
-3.72% ↓
2017年 46,581
-1.83% ↓
2016年 47,450
8.72% ↑
2015年 43,646
-4.15% ↓
2014年 45,537
6.66% ↑
2013年 42,694
-8.13% ↓
2012年 46,473
2.38% ↑
2011年 45,393
10.88% ↑
2010年 40,939
-1.43% ↓
2009年 41,534
13.05% ↑
2008年 36,741
-5.11% ↓
2007年 38,721
8.62% ↑
2006年 35,647
-6.67% ↓
2005年 38,195
-8.19% ↓
2004年 41,600
-3.6% ↓
2003年 43,153
0.47% ↑
2002年 42,949
-1.85% ↓
2001年 43,760
2.15% ↑
2000年 42,837
-3.77% ↓
1999年 44,517
33.26% ↑
1998年 33,407
-16.15% ↓
1997年 39,844
11.94% ↑
1996年 35,593
-3.16% ↓
1995年 36,753
89.6% ↑
1994年 19,385
-5.58% ↓
1993年 20,531
-6.15% ↓
1992年 21,877
-10.07% ↓
1991年 24,326
4.51% ↑
1990年 23,276
19% ↑
1989年 19,559
-21.67% ↓
1988年 24,971
-4.33% ↓
1987年 26,102
-4.13% ↓
1986年 27,227
23.55% ↑
1985年 22,037
11.75% ↑
1984年 19,720
58.9% ↑
1983年 12,410
-65.99% ↓
1982年 36,489
-4.96% ↓
1981年 38,392
-7.86% ↓
1980年 41,665
-3.81% ↓
1979年 43,316
27.67% ↑
1978年 33,927
-41.07% ↓
1977年 57,569
86.01% ↑
1976年 30,950
-27.7% ↓
1975年 42,806
10.13% ↑
1974年 38,870
-11.28% ↓
1973年 43,812
-3.22% ↓
1972年 45,270
-2.44% ↓
1971年 46,401
-0.09% ↓
1970年 46,443
12.86% ↑
1969年 41,150
-14% ↓
1968年 47,849
-14.81% ↓
1967年 56,169
21.47% ↑
1966年 46,241
50.5% ↑
1965年 30,724
10.97% ↑
1964年 27,688
-38.81% ↓
1963年 45,247
61.51% ↑
1962年 28,015
28.51% ↑
1961年 21,800 -

オーストリアにおけるキュウリ類の生産量データは、農業活動の効率性、気候の影響、さらには国際市場の需要動向を知るうえで重要な指標です。分析の対象期間である1961年から2023年までの間、この生産量は大きな変動を伴いながら進化を遂げてきました。

1960年代から1970年代前半にかけては、年ごとの生産量に大きな振れ幅があり、1963年に45,247トン、1967年には過去最高の56,169トンを記録する一方で、その後、1970年代末には減少の兆しが見られました。この変動は当時の農業技術の発展途上、肥料や農業機械の利用拡大、さらには気候条件や政策変更によるものであると考えられます。

1983年には記録的な低生産量(12,410トン)となっていますが、背景には気候条件の悪化や農地利用の変化が影響を及ぼしている可能性があります。その後、1990年代には安定性を取り戻し、生産量は19,000~40,000トン程度で推移しました。この時期、農業政策の調整や品質向上に向けた取組が進んだことが、生産量の回復を後押ししたと推察されます。

2000年代以降、オーストリアのキュウリ類生産量はより安定した値(約40,000~47,000トン)を示しており、農業技術の高度化や施設園芸の整備がこうした安定に寄与したと言えるでしょう。それにも関わらず、2022年および2023年には若干の生産量減少(約43,000トン)を記録しており、これは気候変動による天候不順や農業投入コストの増加が影響している可能性があります。

他国との比較を行うと、ドイツやフランスはオーストリアを超える生産量を記録しており、特にドイツは市場規模の大きさからも輸出活動が活発です。一方で、オーストリアはその高品質な農産物が評価され、小規模ながら安定した需要を持つ点に特徴があります。

将来的には、天候変動への対応策が鍵となるでしょう。温室栽培のさらなる普及、持続可能な農業技術の導入、または気候適応型の作物の研究開発が重要です。また、農業従事者の確保を目的に、移民政策の強化や地域協力の促進が有効であると考えられます。EU圏内の他国と連携し、市場への供給能力を高めるとともに、付加価値の高い製品(加工品など)を開発することも重要な方向性です。

さらに、異常気象や地域的な農業競争の激化に備え、災害リスクへの対応策の整備や共同保険制度の構築が求められます。オーストリア特有の高品質ブランドを堅持しつつ、生産量の安定と持続可能な農業の実現を目指して政策を進めるべきです。国際市場での位置づけを守り、多様化するニーズに応えることが、今後の課題への具体的な対応策として挙げられます。

総じて、安定的な生産維持と品質向上、持続可能性の両立が今後のオーストリアの農業政策の鍵となるでしょう。

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