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サウジアラビアのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、サウジアラビアのキュウリ類生産量は過去50年にわたり大きな増減を繰り返しています。1978年には7,331トンでしたが、1980年代後半から1990年代には急激に増加し、2000年代から2010年代前半にピークを迎えた後、2014年に一転して大幅に減少しました。その後、2020年以降回復傾向を示しています。2023年の生産量は196,254トンで、最新のデータでは2019年の低迷を脱し、安定的な生産が見られる状況です。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 196,254
-4.14% ↓
2022年 204,720
8.57% ↑
2021年 188,558
2% ↑
2020年 184,860
178.57% ↑
2019年 66,360
-42.6% ↓
2018年 115,617
3.76% ↑
2017年 111,431
2.66% ↑
2016年 108,549
7.84% ↑
2015年 100,662
1.74% ↑
2014年 98,936
-59.94% ↓
2013年 246,986
2.66% ↑
2012年 240,584
5.17% ↑
2011年 228,762
3.52% ↑
2010年 220,978
-32.28% ↓
2009年 326,330
4.08% ↑
2008年 313,537
20.6% ↑
2007年 259,977
7.43% ↑
2006年 242,004
14.37% ↑
2005年 211,598
-2.33% ↓
2004年 216,644
20.62% ↑
2003年 179,605
1.76% ↑
2002年 176,496
6.63% ↑
2001年 165,521
21.75% ↑
2000年 135,948
2.22% ↑
1999年 133,000
-1.89% ↓
1998年 135,560
11.54% ↑
1997年 121,539
-17.13% ↓
1996年 146,654
-1.4% ↓
1995年 148,734
12.42% ↑
1994年 132,304
3.15% ↑
1993年 128,261
16.5% ↑
1992年 110,096
14.6% ↑
1991年 96,070
15.18% ↑
1990年 83,410
-7.88% ↓
1989年 90,542
-3.44% ↓
1988年 93,770
2.61% ↑
1987年 91,381
29.77% ↑
1986年 70,420
13.7% ↑
1985年 61,935
138.31% ↑
1984年 25,989
47.23% ↑
1983年 17,652
49.85% ↑
1982年 11,780
-36.8% ↓
1981年 18,639
166.27% ↑
1980年 7,000
19.35% ↑
1979年 5,865
-20% ↓
1978年 7,331 -

サウジアラビアにおけるキュウリ類の生産量の推移を見ると、この国の農業政策や環境条件が農作物生産に与える影響の深さが浮き彫りになります。サウジアラビアは乾燥した砂漠気候に位置し、自然的な農業条件には恵まれていません。しかし、政府の農業振興計画や技術的サポートの導入により、1980年代以降、灌漑技術の向上や温室栽培の普及が進み、生産量が大幅に拡大しました。この勢いを最も象徴する例が、1985年から2008年までの期間で、わずか数十年で7倍以上の増加を記録したことです。

しかし、2014年に生産量が大幅に減少し、その原因は高度に水資源を消費する栽培方法への見直しや、地下水不足に対する政策変更と見られています。サウジアラビアは長年、地下水に依存する形で農業を支えてきましたが、このままでは持続可能性が危ぶまれるとの懸念から、農業規模の調整が行われました。結果として、2014年以降生産量が減少し、2019年まで低迷傾向が続きました。2019年に至っては66,360トンという大きな落ち込みを見せています。

一方、2020年以降は回復基調にあり、2022年には204,720トン、2023年には196,254トンと、安定的な生産基盤が復活してきているようです。これは、効率的な生産技術の導入や新たなエネルギー利用技術によって、水資源の制約を克服する取り組みが実を結びつつある結果と考えられます。また、国際的な気候変動対策や地域の食料安全保障への優先的な対応も、キュウリ生産の動向を支える理由のひとつです。

今後の課題としては、持続可能な農業政策の推進と、国際的な協力体制の強化が挙げられます。具体的には、再生可能エネルギーを利用した脱炭素型の農業技術の導入、また地域間の水資源管理の効率化が求められるでしょう。さらに、地政学的リスクとして中東地域の紛争や不安定性が農業生産に及ぼす影響も見逃せません。こうしたリスクを軽減するために、国際機関や隣国との協力を基盤とした農業強化案が必要不可欠です。

結論として、サウジアラビアのキュウリ類生産量の推移は、同国の農業が直面する課題と可能性を端的に表しています。今後、さらなる効率化と環境配慮型の生産基盤の確立を図ることで、食料自給率向上と地域安定化の両面の達成が期待されます。国際連合や他国との連携を強化しながら、安定的かつ環境に配慮した農業成長を模索することが鍵となります。

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