モーリシャスのキュウリ類生産量は、1961年の1,500トンから始まり、1980年代以降、生産量の増加が顕著となり、1990年代後半から2000年代前半にかけて大幅な伸びを記録しました。ピークは2004年の12,625トンとなり、その後は低下と回復を繰り返しつつも、近年は減少傾向が強まっています。特に2020年の3,716トンまでの急激な低下が見受けられますが、2023年には7,423トンまで回復しています。
モーリシャスのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 7,423 |
25.01% ↑
|
2022年 | 5,938 |
5.75% ↑
|
2021年 | 5,615 |
51.1% ↑
|
2020年 | 3,716 |
-39.39% ↓
|
2019年 | 6,131 |
-21.8% ↓
|
2018年 | 7,840 |
-6.41% ↓
|
2017年 | 8,377 |
20.2% ↑
|
2016年 | 6,969 |
-21.08% ↓
|
2015年 | 8,831 |
-15.38% ↓
|
2014年 | 10,436 |
20.08% ↑
|
2013年 | 8,691 |
-7.72% ↓
|
2012年 | 9,418 |
-1.97% ↓
|
2011年 | 9,607 |
-14.81% ↓
|
2010年 | 11,277 |
2% ↑
|
2009年 | 11,056 |
27.33% ↑
|
2008年 | 8,683 |
-1.72% ↓
|
2007年 | 8,835 |
-18.16% ↓
|
2006年 | 10,796 |
24.55% ↑
|
2005年 | 8,668 |
-31.34% ↓
|
2004年 | 12,625 |
6.81% ↑
|
2003年 | 11,820 |
19.04% ↑
|
2002年 | 9,929 |
6.04% ↑
|
2001年 | 9,363 |
4.04% ↑
|
2000年 | 9,000 |
3.53% ↑
|
1999年 | 8,693 |
9.14% ↑
|
1998年 | 7,965 |
-9.77% ↓
|
1997年 | 8,827 |
40.71% ↑
|
1996年 | 6,273 |
-12.39% ↓
|
1995年 | 7,160 |
22.46% ↑
|
1994年 | 5,847 |
6.37% ↑
|
1993年 | 5,497 |
20.95% ↑
|
1992年 | 4,545 |
-4.62% ↓
|
1991年 | 4,765 |
-2.06% ↓
|
1990年 | 4,865 |
-5.07% ↓
|
1989年 | 5,125 |
62.18% ↑
|
1988年 | 3,160 |
-2.32% ↓
|
1987年 | 3,235 |
112.13% ↑
|
1986年 | 1,525 |
-23.75% ↓
|
1985年 | 2,000 |
28.21% ↑
|
1984年 | 1,560 |
5.76% ↑
|
1983年 | 1,475 |
-12.98% ↓
|
1982年 | 1,695 |
28.12% ↑
|
1981年 | 1,323 |
-5.43% ↓
|
1980年 | 1,399 |
-5.41% ↓
|
1979年 | 1,479 |
-11.6% ↓
|
1978年 | 1,673 |
20.27% ↑
|
1977年 | 1,391 |
-0.93% ↓
|
1976年 | 1,404 |
-12.74% ↓
|
1975年 | 1,609 |
52.08% ↑
|
1974年 | 1,058 |
-16.89% ↓
|
1973年 | 1,273 |
7.7% ↑
|
1972年 | 1,182 |
-10.25% ↓
|
1971年 | 1,317 |
8.48% ↑
|
1970年 | 1,214 |
-4.26% ↓
|
1969年 | 1,268 |
-6.56% ↓
|
1968年 | 1,357 |
-22.37% ↓
|
1967年 | 1,748 |
-9.01% ↓
|
1966年 | 1,921 |
-13.08% ↓
|
1965年 | 2,210 |
57.86% ↑
|
1964年 | 1,400 |
-41.67% ↓
|
1963年 | 2,400 |
-4% ↓
|
1962年 | 2,500 |
66.67% ↑
|
1961年 | 1,500 | - |
国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、モーリシャスのキュウリ類生産量は長期的に見ると大きな波を描いて変動しています。この統計は、国内での農業生産力や食料安全保障、さらに天候や政策の影響を評価するための重要な指標です。特に、島国であるモーリシャスにとって農産物の生産量は、輸入依存率を低減し、自給自足を強化する側面からも注目されています。
1960年代から1980年代は、生産が1,000トン前後の範囲で推移し、大きな振れ幅を持つ期間となりました。その後、1987年以降、生産量は3,000トンを超える水準に達し、1990年代にはさらに5,000トン、続いて1995年には7,160トンと、増加が顕著です。特に2004年の12,625トンは記録的な値であり、この頃、政府が農業部門の強化を目的とした政策を打ち出し、農家への支援が拡充された可能性が指摘されます。このような背景により、一時的に生産が活性化したと考えられます。
しかし、2005年以降、生産量は再び低下し始め、2008年や2013年以降のデータでは8,000~10,000トン台で安定します。それでも、近年は減少傾向が強まり、2020年には生産量が3,716トンにまで落ち込んでいます。この背景には、気候変動の影響や自然災害、新型コロナウイルス感染症の影響で労働力や輸送面が制限されたことが含まれていると考えられます。モーリシャスでは観光業が経済の重要な柱であるため、パンデミックによる経済全体の低迷も、農業資源の投資への影響を与えた可能性があります。
2023年には生産量が7,423トンまで回復したものの、過去のピークと比較すると未だ低調な状態です。これは、農業の回復途上を示唆しており、持続可能な生産改革が今後の課題であることを示しています。
長期的には、生産力を増強するためにいくつかの具体的な施策が必要です。まず、灌漑システムの強化や最新の農業技術の導入を進めることで天候リスクを軽減し、安定した生産が可能になるでしょう。また、農家への教育プログラムを重視し、害虫防除や土壌の改良技術を普及させることも重要です。さらに、気候変動に対応するための品種改良や多様な作物を組み合わせた農業手法を採用することが推奨されます。
地政学的背景として、モーリシャスはインド洋に位置する孤立した島であることから、他国との貿易ルート維持や輸送コストの抑制が常に課題となります。域内協力の強化やインド洋諸国との食料生産分野での連携を深めることが、持続可能な農業へとつながるでしょう。
今回の分析から、モーリシャスのキュウリ類生産量は、国内外の環境変化に影響を受けやすく、その安定には技術革新や政策支援が不可欠であることが分かります。また、生産の回復だけでなく、地域全体への農業支援と市場の整備も合わせて行うことで、経済的な繁栄と食料の安定供給が実現する可能性があります。国際機関や政府の協調的な取り組みが望まれるところです。