Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、2023年のドミニカ共和国におけるキュウリ類生産量は18,882トンに達し、過去の記録を大きく上回り最高値を更新しました。一方で、2020年から2022年には生産量の減少が見られ、この期間の数値は13,000トン前後で推移しています。特に2016年以降、全般的な増加傾向が目立ちますが、一部の年では減少も観察されており、地域特有の気候条件や農業政策の影響が伺えます。
ドミニカ共和国のキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 18,882 |
44.45% ↑
|
2022年 | 13,071 |
-3.21% ↓
|
2021年 | 13,504 |
-1.26% ↓
|
2020年 | 13,676 |
-17.73% ↓
|
2019年 | 16,625 |
2.54% ↑
|
2018年 | 16,212 |
4.06% ↑
|
2017年 | 15,579 |
2.24% ↑
|
2016年 | 15,237 |
22.07% ↑
|
2015年 | 12,483 |
-1.19% ↓
|
2014年 | 12,633 |
4.59% ↑
|
2013年 | 12,079 |
51.75% ↑
|
2012年 | 7,960 |
1.14% ↑
|
2011年 | 7,870 |
13.32% ↑
|
2010年 | 6,945 |
-8.5% ↓
|
2009年 | 7,590 |
31.27% ↑
|
2008年 | 5,782 |
10.75% ↑
|
2007年 | 5,221 |
-33.29% ↓
|
2006年 | 7,826 |
5.84% ↑
|
2005年 | 7,394 |
-8.27% ↓
|
2004年 | 8,060 |
-17.77% ↓
|
2003年 | 9,802 |
0.93% ↑
|
2002年 | 9,712 |
-10.59% ↓
|
2001年 | 10,862 |
30.93% ↑
|
2000年 | 8,296 |
12.36% ↑
|
1999年 | 7,383 |
32.75% ↑
|
1998年 | 5,562 |
0.58% ↑
|
1997年 | 5,529 |
23.57% ↑
|
1996年 | 4,475 |
29% ↑
|
1995年 | 3,469 |
-36.93% ↓
|
1994年 | 5,500 |
10% ↑
|
1993年 | 5,000 |
11.11% ↑
|
1992年 | 4,500 |
12.5% ↑
|
1991年 | 4,000 |
66.74% ↑
|
1990年 | 2,399 |
-20.03% ↓
|
1989年 | 3,000 | - |
1988年 | 3,000 |
-0.6% ↓
|
1987年 | 3,018 |
96.48% ↑
|
1986年 | 1,536 |
-38.56% ↓
|
1985年 | 2,500 |
85.46% ↑
|
1984年 | 1,348 |
-32.6% ↓
|
1983年 | 2,000 |
42.86% ↑
|
1982年 | 1,400 |
16.67% ↑
|
1981年 | 1,200 | - |
1980年 | 1,200 | - |
1979年 | 1,200 |
9.09% ↑
|
1978年 | 1,100 | - |
1977年 | 1,100 | - |
1976年 | 1,100 | - |
1975年 | 1,100 | - |
1974年 | 1,100 |
-0.18% ↓
|
1973年 | 1,102 |
39.85% ↑
|
1972年 | 788 |
-12.15% ↓
|
1971年 | 897 |
-12.66% ↓
|
1970年 | 1,027 |
-58.42% ↓
|
1969年 | 2,470 |
-19.7% ↓
|
1968年 | 3,076 |
36.41% ↑
|
1967年 | 2,255 |
311.5% ↑
|
1966年 | 548 |
7.03% ↑
|
1965年 | 512 |
21.04% ↑
|
1964年 | 423 |
17.5% ↑
|
1963年 | 360 |
3.15% ↑
|
1962年 | 349 |
0.58% ↑
|
1961年 | 347 | - |
ドミニカ共和国におけるキュウリ類の生産量推移を振り返ると、データの初期にあたる1961年には347トンという控えめな規模から始まり、その後着実な成長を遂げています。特に1966年から1968年にかけて生産量が大幅に増加し、2,000トンを超えた点は、農業技術の導入や市場需要の高まりが影響したものと考えられます。しかし、1970年には1,027トンと一時的な減少が見られ、その後1980年代まで1,000トン前後で横ばいの傾向が継続しました。
1990年代以降、特に1997年以降に生産量は拡大を続け、2000年代には8,000トンを突破しました。2001年には10,862トンと初の大台を達成しましたが、2005年から2010年にかけて一部の年で減少が見られ、これは台風や地域的な干ばつなどの自然災害の影響が懸念されます。2013年には12,079トンに達し、それ以降は15,000トン台を維持。2018年以降持続的な生産増加が確認されましたが、2020年から2022年にはやや低調な結果となっています。
2020年から2022年の生産量が低下した背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が考えられます。同国における輸送網の不備や、労働力の一時的な減少が農業全般に悪影響を及ぼした可能性があります。それにもかかわらず、2023年には18,882トンという過去最高の生産量を記録し、回復基調が確認されました。これには、政府による農業支援政策の強化や市場ニーズへの機動的な対応が寄与したと推測されます。
こうした推移を見ると、ドミニカ共和国のキュウリ類生産は順調に成長しているように見受けられますが、気候変動の影響や自然災害の頻発、さらには市場変動への対応など、依然として解決すべき課題が多く残されています。同国の農業生産において、気候の安定性は重要な要因であり、灌漑システムの整備や耐性作物種の育成などが将来的な収量の安定化に不可欠です。また、国内外市場への輸送効率を高めることで生産コストを抑え、さらなる拡大を目指すべきでしょう。
さらに気候変動に対する懸念が高まる中、ドミニカ共和国が他国との農業分野での連携を強化することは重要です。たとえば、農業先進国であるアメリカやドイツからの技術支援や資金援助を活用することで、効率的な農法の導入やインフラ整備を進めるべきです。また、農民への教育と資金援助も継続的な支援が求められます。特に小規模農家への支援を強化することで、地域経済全体の底上げが期待されます。
まとめとして、2023年の生産量は過去最高を記録しましたが、この形勢を維持しつつ安定成長を目指すには、気候変動、自然災害、経済情勢の変化といったリスク要因への対応が必須です。国際機関や近隣諸国との協力を最大限に活用しながら、効率的で持続可能な農業政策を推進することが、同国のキュウリ類生産の今後の成長を支える基盤となるでしょう。