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ポーランドのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ポーランドのキュウリ類生産量は1960年代から明確な増減を繰り返しつつも、近年では比較的高い水準を維持しています。2023年の生産量は447,900トンであり、2010年代後半のピークだった543,726トン(2017年)からは減少していますが、歴史的なデータを振り返ると、おおむね安定した生産基盤を持っている国と評価できます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 447,900
-5.15% ↓
2022年 472,200
-0.17% ↓
2021年 473,000
-10.16% ↓
2020年 526,500
1.37% ↑
2019年 519,400
-3.58% ↓
2018年 538,680
-0.93% ↓
2017年 543,726
1.05% ↑
2016年 538,057
10.43% ↑
2015年 487,245
-8.42% ↓
2014年 532,039
3.77% ↑
2013年 512,714
-1.57% ↓
2012年 520,868
1.95% ↑
2011年 510,892
15.53% ↑
2010年 442,212
-7.98% ↓
2009年 480,553
-4.19% ↓
2008年 501,571
-1.91% ↓
2007年 511,357
3.95% ↑
2006年 491,909
5% ↑
2005年 468,467
1% ↑
2004年 463,829
-5.04% ↓
2003年 488,458
1.21% ↑
2002年 482,599
41.94% ↑
2001年 340,000
-4.49% ↓
2000年 356,000
-7.53% ↓
1999年 385,000
-3.75% ↓
1998年 400,000
19.4% ↑
1997年 335,000
8.06% ↑
1996年 310,000
-23.66% ↓
1995年 406,100
10.97% ↑
1994年 365,963
-2.83% ↓
1993年 376,615
-4.77% ↓
1992年 395,493
-14.61% ↓
1991年 463,156
19.51% ↑
1990年 387,547
9.95% ↑
1989年 352,465
-28.89% ↓
1988年 495,676
40.4% ↑
1987年 353,036
21.04% ↑
1986年 291,678
105.7% ↑
1985年 141,798
-40.46% ↓
1984年 238,159
-38.53% ↓
1983年 387,444
11.14% ↑
1982年 348,614
-31.42% ↓
1981年 508,320
114.02% ↑
1980年 237,507
-52.51% ↓
1979年 500,149
122.62% ↑
1978年 224,665
-33.23% ↓
1977年 336,457
16.94% ↑
1976年 287,716
-40.93% ↓
1975年 487,088
101.78% ↑
1974年 241,400
-47.03% ↓
1973年 455,700
-0.24% ↓
1972年 456,800
32.02% ↑
1971年 346,000
-21.33% ↓
1970年 439,800
41.14% ↑
1969年 311,600
-17.52% ↓
1968年 377,800
6.57% ↑
1967年 354,500
5.54% ↑
1966年 335,900
67.78% ↑
1965年 200,200
-46.85% ↓
1964年 376,700
-6.48% ↓
1963年 402,800
258.04% ↑
1962年 112,500
-47.96% ↓
1961年 216,200 -

ポーランドはヨーロッパ随一の農業国の一つとして、キュウリ類の生産においても重要な役割を果たしています。1961年には216,200トンという控えめなスタートを切りましたが、その後、技術革新や農業投資の拡大を背景に生産量は大きく増加しました。特に1970年代後半には500,000トンを超える年も見られ、この時期は機械化や化学肥料の活用が進んだことが要因として挙げられるでしょう。しかしながら、1970年代から1980年代にかけてのデータを見ると、気象条件やさらには政治的・経済的な変動の影響を受けた生産量の大幅な増減も確認できます。たとえば、1985年の141,798トンという値は、その前後の年と比較しても特に低いものです。

近年では、2017年の543,726トンをピークに、緩やかに減少する傾向が見られます。2023年では447,900トンとなり、2010年代後半の水準には届いていません。この背景には、気候変動に伴う異常気象、コストの増加、また作付面積の減少が含まれていると考えられます。特に、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で労働力や物流にも支障があり、農業全般に悪影響を与えたと推測されます。

ポーランドのキュウリ生産は、国内需要に応えるだけでなく、輸出の面でも一定の地位を持っています。特にドイツ、フランス、イギリスなどのEU諸国が主要な輸出先となっていますが、近年ではこれらの国々でも気候条件や農業技術の向上により自国生産が増加しており、ポーランド産キュウリの市場競争力を維持する必要性が高まっています。

また、地政学的要素も影響しています。ポーランドはロシアやウクライナに近い地理的条件にあり、ロシアのウクライナ侵攻による安全保障問題やエネルギー危機などが農業コストの上昇や物流の制約を招いています。これにより、輸出品の価格競争力と収益性が圧迫されている可能性があります。

未来への課題としては、まず農業の持続可能性を高めることが重要です。具体的には、気候変動に適応するための対策として、水資源管理の改善や耐乾燥性品種の導入が挙げられます。また、温室での生産を拡充することで、季節要因による収量の変動を軽減することも重要です。さらに、国やEUが推進している農業補助金を活用し、生産者の収益向上や技術革新を促進することが求められます。

結論として、現在のポーランドのキュウリ生産は、かつてと比べて安定している一方で、気候変動や国際市場の競争激化に伴う新たな課題も浮上しています。将来的には、農業政策を中心にして環境への配慮と利益追求を両立する戦略が必要です。また、隣国との協力や国際的な輸出マーケットの拡大を通じて、ポーランド産キュウリの持続可能な生産体系を構築するべきです。

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