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コスタリカのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新した最新のデータによると、コスタリカのキュウリ類生産量は1994年の100トンを起点とし、2002年には2,000トンに急増しました。その後は多少の増減を経ながらもおおむね安定し、2023年の生産量は1,665トンに達しました。この推移は、同国の農業政策や地域的要因、地球規模の気候変動といった複数の影響を反映していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,665
0.89% ↑
2022年 1,651
-0.14% ↓
2021年 1,653
0.14% ↑
2020年 1,651
0.15% ↑
2019年 1,648
-0.7% ↓
2018年 1,660
0.98% ↑
2017年 1,644
0.17% ↑
2016年 1,641
0.86% ↑
2015年 1,627
-0.35% ↓
2014年 1,633
4.91% ↑
2013年 1,556
52.23% ↑
2012年 1,022
2.23% ↑
2011年 1,000
-33.33% ↓
2010年 1,500 -
2009年 1,500
-16.67% ↓
2008年 1,800
-10% ↓
2007年 2,000
33.33% ↑
2006年 1,500 -
2005年 1,500
50% ↑
2004年 1,000 -
2003年 1,000
-50% ↓
2002年 2,000
81.82% ↑
2001年 1,100
69.23% ↑
2000年 650
160% ↑
1999年 250
150% ↑
1998年 100 -
1997年 100
-33.33% ↓
1996年 150
50% ↑
1995年 100 -
1994年 100 -

コスタリカのキュウリ類生産量は、過去30年を振り返ると、1990年代には低い水準で推移していました。一方、1999年以降は生産量の急激な増加が見られます。2002年には2,000トンに到達し、これは1994年に比べて20倍の増加を示しています。この増加は、農地の拡大や技術的な進歩、あるいは政府の農業振興政策が後押しした結果と考えられます。しかし、2003年からの生産量の低下は、気候条件の変化や市場競争の激化、さらには農家への支援不足が影響を及ぼした可能性があります。

2010年代以降、生産量は1,500トン前後で安定し始めました。その中で、2014年以降緩やかな増加傾向が確認されており、2023年には1,665トンに達しています。ただし、この増加幅は微増にとどまり、この時期のコスタリカ国内での農業投資の減少や競争の激しい国際市場の影響を物語っています。

コスタリカ国内では、キュウリ類が家庭菜園や地域経済の重要な一部を占めている一方で、同国の主要な輸出農産品は果物やコーヒーなど他の作物であるため、キュウリ類生産が占める比率は比較的小さいです。そのため、農家の間ではより収益性の高い作物への転換が進んでいる可能性があります。こうした状況は、生産量の伸び悩みや停滞の要因になっていると考えられます。

地球規模で見ると、キュウリ類がコスタリカと同様の気候条件を持つ地域(例えばインドや東南アジアなど)では安価で大量に生産され、世界市場に供給されています。これにより、コスタリカのキュウリ類が国際市場で競争力を保つには、品質向上やブランド化などの差別化戦略が不可欠です。

加えて、気候変動の影響も無視できません。同国では降水量の変化や平均気温の上昇が報告されており、これが農作物の生産効率を下げるリスクがあります。また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行は輸出に依存する農家の物流や収益を圧迫し、農業全体に少なからず影響を及ぼしました。

このような背景を踏まえると、コスタリカが今後持続可能な農業を実現するためには、農業技術の革新、気候変動への適応策、そして国際市場への戦略的な参入が重要です。具体的には、温室栽培技術の導入や耐熱性の高い品種の開発、さらには地域間協力による農業支援体制の構築が有効です。また、国内販売を強化するために、キュウリ類を含む農産品の地元消費拡大を促進するキャンペーンやインフラ整備も重要です。

結論として、コスタリカのキュウリ類生産は過去数十年で著しい増加を遂げた時期があったものの、近年は横ばい傾向が続いています。この背景には国内外の市場状況や気候問題が存在しており、これらの問題に対処するには持続可能性を重視した政策と技術的な改善が求められます。国際社会からも支援を受けながら、この分野での競争力を高めることが、コスタリカの農業全体の発展に寄与する鍵となります。

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