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パキスタンのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによると、パキスタンのキュウリ類の生産量は2023年に120,662トンに達し、観測史上最高値を記録しました。このデータによると、1980年代から2000年代中盤にかけて生産量は大きな変動を見せ、2009年以降、大幅な増加傾向が見られました。一方で、2020年には生産量が一時的に低下し、その原因や背景を解明する必要があります。特に2022年から2023年にかけて急激に生産量が増加した点は注目に値します。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 120,662
7.51% ↑
2022年 112,231
136.69% ↑
2021年 47,417
3.05% ↑
2020年 46,014
-40.68% ↓
2019年 77,573
12.97% ↑
2018年 68,664
4.68% ↑
2017年 65,597
10.8% ↑
2016年 59,203
9.05% ↑
2015年 54,288
2.88% ↑
2014年 52,766
5.19% ↑
2013年 50,164
0.43% ↑
2012年 49,947
2.91% ↑
2011年 48,535
11.03% ↑
2010年 43,713
7.8% ↑
2009年 40,551
440.61% ↑
2008年 7,501
35.42% ↑
2007年 5,539
-18.59% ↓
2006年 6,804
4.89% ↑
2005年 6,487
18.2% ↑
2004年 5,488
23.02% ↑
2003年 4,461
44.88% ↑
2002年 3,079
-27.28% ↓
2001年 4,234
-3.22% ↓
2000年 4,375
-22.13% ↓
1999年 5,618
-67.5% ↓
1998年 17,288
8.4% ↑
1997年 15,949
13.92% ↑
1996年 14,000
3.7% ↑
1995年 13,500
3.85% ↑
1994年 13,000
-0.35% ↓
1993年 13,046
-3.66% ↓
1992年 13,542
0.93% ↑
1991年 13,417
60.38% ↑
1990年 8,366
7.24% ↑
1989年 7,801
-29.68% ↓
1988年 11,093
0.86% ↑
1987年 10,998
-12.89% ↓
1986年 12,626
6.61% ↑
1985年 11,843
65.54% ↑
1984年 7,154
44.35% ↑
1983年 4,956
-16.21% ↓
1982年 5,915
481.04% ↑
1981年 1,018
86.11% ↑
1980年 547 -

パキスタンのキュウリ類の生産量推移を見ると、1980年代には年間生産量が1,000トンに満たない時期から始まり、1986年には初めて10,000トンを超えました。その後、1990年代から2000年代初頭にかけては約10,000~15,000トンの範囲で安定した低水準の推移が見られます。しかし、2000年代後半から顕著な生産の増加が見られ、2009年には40,551トン、2013年には50,000トン台に到達しました。この増加は、農業技術の向上、水資源利用の効率化や、新しい栽培品種の導入などが背景として考えられます。

一方で、2020年に生産量が46,014トンまで急減しており、これは新型コロナウイルス感染症による労働力不足、物流の混乱、国際貿易の停滞といった問題が影響した可能性があります。しかし、それに続く2022年および2023年にはそれまでを上回る急成長を遂げ、それぞれ112,231トン、120,662トンを記録しました。この急増要因として、気候の好転や国内需要の急増、さらにはキュウリ類が供給不足の地域への輸出品目として注目されたことが考えられます。

パキスタンは温暖な気候に恵まれ、キュウリ類の栽培に適した条件を持っているため、将来の生産量拡大のポテンシャルは非常に高いと言えます。その一方で、長期的な成長を維持するには解決すべき課題もあります。特に、同国の水資源は地政学的な背景から不安定で、農業用水の確保が難しくなる可能性があります。インダス川の水源利用に関する周辺国との争いは、その最も懸念される要因です。また、農地やインフラの整備が十分でないことで収穫物のロス率が高い点も重要な課題の一つです。

将来的な課題への対策としては、効率的な灌漑システムの導入や、乾燥に強い品種の研究開発を進めることが求められます。さらに、国内外のマーケットへのアクセスを強化し、インフラ整備を進めることで、生産量の安定化と収益性の向上を促進することが可能です。また、地政学的リスクに対応するには、周辺諸国との外交交渉や多国間協力による水資源管理の枠組み作りが不可欠です。

近年、洪水や干ばつといった自然災害が頻発しており、これが農業生産に与える影響は無視できません。そのため、災害対策としての貯水池建設や農業保険の整備も重要です。また、温暖化の影響を軽減するための対策や持続可能な農業の導入も長期的には必要になるでしょう。国際的な支援、技術協力、そして官民パートナーシップを強化し、生産と輸出の持続可能な成長を目指すべきです。

結論として、パキスタンはキュウリ類の生産という分野で大きな可能性を秘めており、適切な対策を講じることで国内の食料安全保障向上と国際市場での競争力拡大が期待できます。政府や農業関連機関、国際的なパートナーが一体となり、科学的アプローチと持続可能性を重視した政策を推進することが、未来の飛躍への道を切り開く鍵となります。

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