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パナマのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年に更新した最新データによると、パナマのキュウリ類(きゅうり・胡瓜など)の生産量は、1961年には72トンという小規模なものでしたが、その後増加の傾向を辿り、2010年代には年間2,800トン近くの水準に到達しています。特に2019年から2020年にかけて急激な増加を記録し、2020年には過去最高の9,757トンに達しました。その後は生産量が変動を見せつつも、2023年時点では6,024トンとなっています。これらの推移は、農業技術の発展や輸出需要の増大、気候条件など、複数の要因に影響されています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 6,024
4.58% ↑
2022年 5,761
-16.37% ↓
2021年 6,888
-29.4% ↓
2020年 9,757
142.83% ↑
2019年 4,018
39.51% ↑
2018年 2,880
0.7% ↑
2017年 2,860
0.7% ↑
2016年 2,840
0.71% ↑
2015年 2,820
0.68% ↑
2014年 2,801
0.72% ↑
2013年 2,781
0.69% ↑
2012年 2,762
0.69% ↑
2011年 2,743
0.7% ↑
2010年 2,724
0.7% ↑
2009年 2,705
0.71% ↑
2008年 2,686
0.71% ↑
2007年 2,667
0.68% ↑
2006年 2,649
1.42% ↑
2005年 2,612
0.69% ↑
2004年 2,594
0.7% ↑
2003年 2,576
0.7% ↑
2002年 2,558
0.71% ↑
2001年 2,540
34.32% ↑
2000年 1,891
4.71% ↑
1999年 1,806
9.72% ↑
1998年 1,646
4.71% ↑
1997年 1,572
4.73% ↑
1996年 1,501
4.75% ↑
1995年 1,433
4.75% ↑
1994年 1,368
-0.65% ↓
1993年 1,377
4.71% ↑
1992年 1,315
4.7% ↑
1991年 1,256
4.75% ↑
1990年 1,199
10.1% ↑
1989年 1,089
11.24% ↑
1988年 979
-10.02% ↓
1987年 1,088
-10.01% ↓
1986年 1,209
6.71% ↑
1985年 1,133
7.09% ↑
1984年 1,058
7.74% ↑
1983年 982
8.39% ↑
1982年 906
9.03% ↑
1981年 831
10.07% ↑
1980年 755
30.17% ↑
1979年 580
16.23% ↑
1978年 499
-23.11% ↓
1977年 649
34.93% ↑
1976年 481
16.46% ↑
1975年 413
184.83% ↑
1974年 145
-49.3% ↓
1973年 286
90.67% ↑
1972年 150
36.36% ↑
1971年 110
10% ↑
1970年 100 -
1969年 100 -
1968年 100
11.11% ↑
1967年 90
-2.17% ↓
1966年 92
4.55% ↑
1965年 88
4.76% ↑
1964年 84
5% ↑
1963年 80
5.26% ↑
1962年 76
5.56% ↑
1961年 72 -

パナマのキュウリ類生産量の歴史的推移を見ると、1961年の72トンから始まり、長期的には一貫して増加の傾向を見せています。1970年代以降は100トンから500トン台への拡大が顕著となり、1980年代に入ると1,000トンを大きく越える成長を遂げました。この成長は、国内農業の近代化と市場の整備、地域社会による農業生産への取り組み強化によるものと推察されます。

2000年代には2,500トン台に安定、そして2019年に突然4,018トンに急上昇、その翌年2020年には9,757トンという爆発的な増加を記録しました。この期間の生産量の急増は、輸出市場の拡張や特定の農産物への需要増加、さらに農業への国際的な投資が影響したと考えられます。また2020年という時期は、新型コロナウイルスのパンデミックが世界経済に影響を及ぼしていた時期ですが、食料生産の優先度が高まり、輸出市場拡大を試みる動きが見られた可能性があります。しかし、その翌年2021年以降は生産量が減少傾向に転じ、2022年には5,761トン、その後2023年には6,024トンとなりました。この急激な変化は、輸出需要の低下や国内農業資源の負担、さらには気候変動による影響が寄与している可能性があります。

地域的にパナマの農業は熱帯性気候のもとで行われており、高温多湿という環境はキュウリ類の育成に適しています。しかし、近年、地球規模での気候変動の影響により、豪雨や干ばつといった異常気象の発生頻度が増加しており、安定的な生産量の確保が困難化しています。加えて、輸出市場の競争が激化しており、近隣諸国であるメキシコやコロンビアなどの生産者に対してパナマ農業がコスト面や効率面で劣る場合には、収益性の低下を招くリスクもあります。

一方で、新技術の導入や農業政策の見直し、輸送・加工インフラの強化は、更なる発展への可能性を広げる鍵となるでしょう。特に、温室栽培や自動灌漑システムの導入がキュウリ類の生産を効率化し、安定供給を実現する手段として注目されています。また、小規模農家への融資や技術支援を強化することで、地域全体の生産能力を引き上げることも可能です。

さらに、地域協力の枠組みを充実させることも重要です。例えば、中南米諸国の間で連携して農産物の輸出競争力を高めるための取り組みが推進されれば、パナマの農業全体が恩恵を受けるでしょう。同時に、地政学的リスクとして、土地や水資源をめぐる地域的な資源の争奪が農業生産に影響を与える可能性も考慮する必要があります。この問題には、国際協調を通じた持続可能な資源管理が求められます。

今後の課題としては、気候変動への適応能力をどれだけ速やかに高められるかが重要です。災害への備えを強化し、農業生産の柔軟性を高める政策が必要です。また、新型コロナの影響で露呈した物流の制約を改善し、サプライチェーンの回復力を高めることも欠かせません。

パナマにおけるキュウリ類の生産推移は、増加傾向を維持しつつも、外部環境の変化に影響を受けやすい側面が明らかになっています。生産量の成長を持続させ、地域経済の安定と成長に寄与するためには、技術革新、インフラ充実、国際協力など多方面にわたる取り組みが重要であると言えるでしょう。

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