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メキシコのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新した最新データによると、メキシコのキュウリ類の生産量は1961年の64,000トンから2023年には1,036,717トンとなり、大幅な増加が確認されています。特に、1970年代後半以降、急激な伸びを示し、2008年以降はさらに顕著な成長がみられます。一方で、2020年から2023年にかけては、微減の傾向が見受けられ、パンデミックや経済的要因との関連が考えられる状況です。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,036,717
-3.85% ↓
2022年 1,078,210
3.77% ↑
2021年 1,038,999
-10.43% ↓
2020年 1,159,934
-2.66% ↓
2019年 1,191,608
11.15% ↑
2018年 1,072,048
12.14% ↑
2017年 956,005
7.87% ↑
2016年 886,270
8.37% ↑
2015年 817,800
15.57% ↑
2014年 707,632
11.02% ↑
2013年 637,395
-0.49% ↓
2012年 640,508
-2.08% ↓
2011年 654,102
4.62% ↑
2010年 625,215
15.78% ↑
2009年 540,000
-28.95% ↓
2008年 760,000
55.03% ↑
2007年 490,215
-1.17% ↓
2006年 496,029
4.33% ↑
2005年 475,443
-8.28% ↓
2004年 518,385
9.13% ↑
2003年 475,000
9.25% ↑
2002年 434,794
-5.65% ↓
2001年 460,808
0.34% ↑
2000年 459,261
-3.53% ↓
1999年 476,071
10.71% ↑
1998年 430,000
4.02% ↑
1997年 413,375
20.48% ↑
1996年 343,120
10.34% ↑
1995年 310,975
18.69% ↑
1994年 262,017
-7.57% ↓
1993年 283,480
30.17% ↑
1992年 217,784
-19.62% ↓
1991年 270,936
-9.01% ↓
1990年 297,771
11.46% ↑
1989年 267,161
-3.43% ↓
1988年 276,661
6.41% ↑
1987年 260,000
4% ↑
1986年 250,000
-16.67% ↓
1985年 300,000
8.53% ↑
1984年 276,433
24.31% ↑
1983年 222,365
-5.38% ↓
1982年 235,000
-20.88% ↓
1981年 297,000
1.37% ↑
1980年 293,000
33.13% ↑
1979年 220,083
39.93% ↑
1978年 157,278
12.34% ↑
1977年 140,000
16.67% ↑
1976年 120,000
40.55% ↑
1975年 85,381
-24.64% ↓
1974年 113,305
-6.76% ↓
1973年 121,515
-16.57% ↓
1972年 145,651
8.27% ↑
1971年 134,526
34.53% ↑
1970年 100,000
11.11% ↑
1969年 90,000
5.88% ↑
1968年 85,000
6.25% ↑
1967年 80,000
6.67% ↑
1966年 75,000
7.14% ↑
1965年 70,000
2.94% ↑
1964年 68,000
3.03% ↑
1963年 66,000
1.54% ↑
1962年 65,000
1.56% ↑
1961年 64,000 -

メキシコは、世界的に重要な農産物生産国の一つであり、その中でもキュウリ類の生産量において顕著な成長を遂げています。データによると、1960年代の生産量は70,000トン未満で推移していましたが、1970年代後半から2000年代にかけて、生産量は急激に増加しました。この成長は、農業技術の向上、輸出市場の拡大、灌漑設備の整備による生産効率の向上が背景にあると考えられます。

具体的には、1980年には約293,000トンと、1961年の約4.5倍に増加しました。更に2000年代には50万トン以上を維持し続け、2008年には760,000トンという飛躍的な成長を遂げています。その後も一貫して拡大傾向を示しており、2017年から2019年にかけては、毎年約100,000トンずつの増加がみられました。2019年には1,191,608トンに到達し、60年近くでその生産量は約18倍という顕著な成果をあげています。

しかし、2020年以降からはやや横ばいあるいは微減の傾向が観察されます。2020年以降の減少傾向については、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックがもたらした労働力不足、物流の停滞、農業資材の高騰など、外的要因の影響が可能性として挙げられます。また、気候変動による異常気象の発生や水資源の枯渇が、農業生産に新たなリスクをもたらしている点も注視すべき要因です。

地政学的観点では、メキシコのキュウリ生産量の増加は、主な輸出先であるアメリカ市場の需要を満たすために推進されてきました。しかし、北米自由貿易協定(NAFTA)やその後継協定であるUSMCA(米・加・メキシコ協定)の枠組み内においても、貿易摩擦や保護主義に関連した課題が時折浮上しており、これが近年の生産動向に影響を与える一因となっている可能性があります。

さらに、メキシコ国内では水資源の管理が急務であり、灌漑設備の効率化や、気候変動適応型の農業技術導入が今後の安定的な生産の鍵となります。地域によっては、土壌の劣化や耕作地の減少が問題視されており、持続可能な農業の実現に向けた政策の見直しが求められています。

未来に向けた具体的な提言としては、政府が主導する農業支援プログラムの強化が必要です。例えば、耐乾燥性の高い作物品種の開発や、農家への技術支援に加えて、水資源の効率利用を促進するための補助金制度などが有効です。また、農産物の輸送インフラを改善し、国際市場との連携を深めることも重要です。

最終的に、長期的な視点では環境への配慮と持続可能性を両立させる政策が求められます。これには、再生可能エネルギーの活用や、環境保護型の農業手法を導入することが含まれます。これらの取り組みが成功すれば、メキシコは今後も世界のキュウリ生産大国としての地位を強化し続けることが期待されます。

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