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ケニアのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関が2024年7月に公開した最新データによると、ケニアのキュウリ類の生産量は、長期間にわたり大きな変動を見せています。1990年代はおおむね小規模でしたが、2000年代後半には急激に増加し、2017年以降は特に顕著な伸びを示しています。2022年には過去最大の生産量14,404トンを記録し、2023年も10,774トンという高い水準を維持しました。このような著しい増加には、農業技術の進歩や市場需要の増大が背景にあるものと考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 10,774
-25.2% ↓
2022年 14,404
169.51% ↑
2021年 5,344
-9.79% ↓
2020年 5,925
25.85% ↑
2019年 4,708
30.44% ↑
2018年 3,609
-46.02% ↓
2017年 6,686
437.5% ↑
2016年 1,244
-36.01% ↓
2015年 1,944
-1.67% ↓
2014年 1,977
-47.48% ↓
2013年 3,764
37.57% ↑
2012年 2,736
33.86% ↑
2011年 2,044
18.91% ↑
2010年 1,719
-21.11% ↓
2009年 2,179
26.32% ↑
2008年 1,725
161.36% ↑
2007年 660
-22.35% ↓
2006年 850
14.86% ↑
2005年 740
17.46% ↑
2004年 630
39.38% ↑
2003年 452
-37.22% ↓
2002年 720
34.33% ↑
2001年 536
-14.51% ↓
2000年 627
-26.84% ↓
1999年 857
1124.29% ↑
1998年 70
-90% ↓
1997年 700
60.92% ↑
1996年 435
504.17% ↑
1995年 72
-92.72% ↓
1994年 989
1878% ↑
1993年 50
-76.19% ↓
1992年 210
320% ↑
1991年 50 -

ケニアのキュウリ類生産量の推移を見ると、過去30年にわたる順風満帆な成長とは言い難い、むしろ不安定な変動が特徴的です。1990年代初頭には生産量が50トンから210トンと非常に小規模であり、一部の年では突発的な増加(1994年の989トン)も見られましたが、その後は再び減少が続きました。

2000年代に入ると、生産量は徐々に安定化し、2008年以降は大幅な増加を見せはじめます。特に2013年には3,764トンに達し、以降は年間記録を幾度も更新しています。2017年において生産量は初めて6,000トンを突破し、2022年には14,404トンという記録的な数値を達成しました。この約30年間で生産量が260倍以上にまで増えた背景には、農業技術の普及・改善、灌漑インフラの整備、さらには輸出市場の拡大が寄与していると推測されます。

一方で、この劇的な増加には課題も少なくありません。地域ごとの生産効率の差や、気候変動の影響は無視できません。例えば2014年から2016年にかけて見られた一時的な減少は、干ばつや一貫性のない政策によるものと考えられます。ケニアでは依然として農業用水の不足や農地の管理の不公平といった問題が存在し、持続的な成長を達成するには政策的な支援が不可欠です。

また、東アフリカ全域において、キュウリ類を含む野菜は国内消費だけでなく輸出事業にも欠かせない存在です。特に欧米諸国における健康志向の高まりに伴い、新興市場として注目される中、ケニアもその需要を取り込む好機にあると考えられます。しかしながら、国際貿易においては食品安全基準や輸送インフラの質が問われるため、この側面での競争力強化が急務です。

さらに、ケニアの地政学的リスクを考慮すると、農業推進における安定性を確保するための地域協力が重要になります。近隣諸国と連携し、灌漑技術の共有および市場開拓に向けた共同プロジェクトを展開することで、効率的かつ持続可能な発展を見込むことができるでしょう。

結論として、ケニアのキュウリ類生産量の近年の驚異的な伸びは、農業政策の改善の成果ではありますが、将来に向けてさらに発展させるためには、気候変動や地政学的リスクへの対応を含む包括的な戦略の構築が不可欠です。ケニア政府は、気候に強い農業形態の導入、輸出市場の多角化、インフラ整備の強化といった具体的な対策を推進すべきです。また国連機関や国際的な農業支援機関との協力を深めることで、グローバルな視野でこの成長を支えていくことが求められます。

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