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東ティモールのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新したデータによると、東ティモールのキュウリ類生産量は1990年代から着実に成長し、2000年代以降に生産量が大幅に増加しました。特に2009年以降、生産量は1,000トンを超える水準で推移しており、2023年には1,115トンを記録しました。一方で、近年は全体的な伸びが鈍化し、2022年以降やや減少しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,115
-4.68% ↓
2022年 1,170
-1.5% ↓
2021年 1,188
1.56% ↑
2020年 1,170
1.47% ↑
2019年 1,153
3.98% ↑
2018年 1,109
2.3% ↑
2017年 1,084
-0.41% ↓
2016年 1,088
-12.21% ↓
2015年 1,240
21.55% ↑
2014年 1,020
1.43% ↑
2013年 1,005
-6.38% ↓
2012年 1,074
-4.4% ↓
2011年 1,123
3.43% ↑
2010年 1,086
2.84% ↑
2009年 1,056
127.1% ↑
2008年 465
16.25% ↑
2007年 400
5.26% ↑
2006年 380
8.57% ↑
2005年 350
9.38% ↑
2004年 320
10.34% ↑
2003年 290
11.54% ↑
2002年 260
13.04% ↑
2001年 230
15% ↑
2000年 200
16.28% ↑
1999年 172
-3.37% ↓
1998年 178
69.52% ↑
1997年 105
5% ↑
1996年 100
-25.93% ↓
1995年 135
350% ↑
1994年 30
15.38% ↑
1993年 26
420% ↑
1992年 5
-44.44% ↓
1990年 9 -

東ティモールはアジアの東南部に位置し、比較的小規模な国土と限られた資源を持つ国ですが、農業はその経済にとって重要な役割を果たしています。FAOの最新データに基づくキュウリ類生産量の推移を見ると、1990年にはわずか9トンという低水準からスタートし、1990年代後半以降は安定した増加傾向を示しました。

2000年代には生産量がさらに加速し、2009年には1,056トンと初めて1,000トンを突破しました。その後も一定の成長を続け、2015年には1,240トンに達しました。ただし、2010年代後半以降は増加のペースがやや緩やかとなり、2022年には1,170トン、2023年には1,115トンと微減が見られます。

生産量の拡大を支えた要因の一つは、農業技術の向上です。東ティモール政府や国際機関が推進する農業支援プログラムにより、灌漑技術や農作業の効率化が進み、生産性が大幅に向上しました。また、国内需要の増加も重要な背景であり、キュウリ類は東ティモール国内で栽培が容易で高い需要を持つ作物とされています。

一方で、近年の生産量の伸び悩みにはいくつかの課題が影響しています。気候変動の影響で異常気象や降雨パターンの不安定さが深刻化しており、生産量にも影響を与えていると考えられます。さらに、交通やインフラの未整備によって農産物の流通効率が低下し、収穫量の一部が市場に届かないケースも報告されています。

地政学的背景も軽視できません。東ティモールは独立以来、国内のインフラ整備や安定性確保に多くの課題を抱えており、それらが農業の発展を妨げている可能性があります。特に農村地域においては資源が限られており、新しい農業技術へのアクセスが限定的です。

今後の改善に向けては、いくつかの具体的な取り組みが有効と考えられます。まず、政府や国際的な支援機関は、さらに農業技術への投資を強化し、小規模農家への技術支援プログラムを拡充する必要があります。また、地域内外への輸送ネットワークを整備し、キュウリ類を含む農産物の効率的な流通を確保することが重要です。さらに気候変動の影響を軽減するため、耐乾性のある品種の導入や、スマート農業(ICTを活用した農業)の導入が検討されるべきです。

結論として、東ティモールのキュウリ生産量は大きな成長を遂げてきましたが、ここ数年の伸び悩みを踏まえると、今後は気候変動対策や流通インフラの整備、最新技術の導入を中心とした対策が急務です。これらの取り組みを通じて、東ティモールは農業部門の潜在力をさらに引き出し、地域の食糧保障や経済発展にも貢献できると期待されます。

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