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ジャマイカのキュウリ類生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、1961年以降、ジャマイカのキュウリ類の生産量は増減を繰り返しながら、長期的には増加傾向にあります。1961年には1,225トンでしたが、2022年には22,012トンに達しました。しかし、2023年には19,140トンとやや減少しました。特に1985年以降、生産量が急激に増加し、その後は比較的安定した高い水準を保っています。近年では気候変動やパンデミックといった外的要因が影響を与えており、それが生産量の変動にも影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 19,140
-13.05% ↓
2022年 22,012
3.38% ↑
2021年 21,293
9.58% ↑
2020年 19,431
3.68% ↑
2019年 18,742
-2.47% ↓
2018年 19,216
4.51% ↑
2017年 18,387
-3.25% ↓
2016年 19,006
20.21% ↑
2015年 15,810
1.92% ↑
2014年 15,512
-10.98% ↓
2013年 17,425
4.86% ↑
2012年 16,617
3.69% ↑
2011年 16,025
37.19% ↑
2010年 11,681
2.21% ↑
2009年 11,428
1.88% ↑
2008年 11,217
-0.31% ↓
2007年 11,252
-13.22% ↓
2006年 12,967
-5.44% ↓
2005年 13,712
-0.01% ↓
2004年 13,713
-15.01% ↓
2003年 16,134
19.37% ↑
2002年 13,516
-14.43% ↓
2001年 15,796
17.24% ↑
2000年 13,473
-12.39% ↓
1999年 15,378
4.68% ↑
1998年 14,691
8.78% ↑
1997年 13,505
-22.42% ↓
1996年 17,407
-6.4% ↓
1995年 18,597
16.38% ↑
1994年 15,980
27.44% ↑
1993年 12,539
37.23% ↑
1992年 9,137
32.71% ↑
1991年 6,885
-15.16% ↓
1990年 8,115
-1.06% ↓
1989年 8,202
-4.24% ↓
1988年 8,565
-36.8% ↓
1987年 13,553
2.81% ↑
1986年 13,182
10.95% ↑
1985年 11,881
66.52% ↑
1984年 7,135
10.01% ↑
1983年 6,486
26.58% ↑
1982年 5,124
-14.46% ↓
1981年 5,990
-2.47% ↓
1980年 6,142
12.86% ↑
1979年 5,442
-3.43% ↓
1978年 5,635
-3.1% ↓
1977年 5,815
5.08% ↑
1976年 5,534
23.5% ↑
1975年 4,481
7.43% ↑
1974年 4,171
22.82% ↑
1973年 3,396
-3.63% ↓
1972年 3,524
12.91% ↑
1971年 3,121
-40.21% ↓
1970年 5,220
23.64% ↑
1969年 4,222
-3.67% ↓
1968年 4,383
125% ↑
1967年 1,948
95.19% ↑
1966年 998
75.4% ↑
1965年 569
-1.9% ↓
1964年 580
-0.17% ↓
1963年 581
28.26% ↑
1962年 453
-63.02% ↓
1961年 1,225 -

ジャマイカのキュウリ類生産の歴史を振り返ると、1961年の1,225トンから始まりました。その後数年間は低生産水準に留まり、特に1962年にはわずか453トンと急激な減少が見られます。しかし、1967年以降、農業インフラの整備や品種改良などの努力により増加傾向となりました。1970年代には5,000トンを超える水準に達して安定しましたが、1971年から1973年にかけて一時的に減少しています。その後は着実に生産量を伸ばし、1980年代以降、国の農業政策や輸出促進策の影響もあり、キュウリ類の最大生産量は1987年に13,553トン、1995年に18,597トンとなりました。

2000年代に入ると、比較的高い生産量を記録し続けましたが、経済不安や気候変動の影響が生産に影響を与えた可能性があります。例えば、2007年から2010年の期間では11,000トン前後と低迷傾向にあり、一部の自然災害や変動する天候パターンが農家に悪影響を及ぼしたと考えられます。しかし、2011年以降、再び上昇に転じ、2022年には22,012トンという過去最高の数値を記録しています。2023年には19,140トンとやや減少しましたが、過去と比較すると依然として高い水準であり、ジャマイカのキュウリ生産基盤が強化されている証拠ともいえます。

ジャマイカは地政学的にカリブ海の中心に位置し、輸出経済としてのポテンシャルを持つ一方で、気候変動の影響を強く受ける地域です。ハリケーンや豪雨などの自然災害は、キュウリ類生産においても将来的に重大なリスクとなる可能性があります。また、2020年以降の新型コロナウイルスのパンデミックでは、雇用環境の変化や物流の停滞により、農業全般の経済活動にも課題をもたらしました。その中で、2020年から2022年にかけてはむしろ増加傾向を見せたことから、農業における持続可能性やレジリエンスがある程度築かれたことが分かります。ただし、2023年の減少が示しているように、環境や経済的な外部要因に依然として脆弱な部分があり、さらなる対策が求められます。

今後の課題としては、気候変動に対処するための農業技術の導入や災害時の支援体制整備が挙げられます。また、持続可能な農業を実現するために、農業従事者に対する教育や融資の拡充、さらには市場アクセスの向上が重要です。具体的には、効率的な灌漑システムの導入や、耐候性の高い品種の開発、地域ごとに適した農業計画の推進が挙げられます。また、カリブ諸国との協力体制強化により、共通の課題に対応しつつ、輸出市場の拡大を目指すことも有効でしょう。

結論として、ジャマイカのキュウリ類生産は近年高水準を保っていますが、気候や経済といった外的影響に対応するための基盤整備が急務です。国際機関や地域連携による知識や技術の共有が鍵となり、持続可能な農業の未来を切り開くための努力が必要です。ジャマイカの農産物が地域内外で高い競争力を持つためには、単に生産量を増やすだけでなく、品質や供給安定性にも力を入れる必要があるでしょう。

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