世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1964年の鶏飼養数ランキングでは、アメリカ合衆国が792,000万羽で1位、中国が576,000万羽で2位、フランスが175,000万羽で3位となっています。この時点で、アメリカと中国は他国を大きく引き離し、鶏の飼養規模で優位に立っています。一方、日本は5位で121,082万羽を飼養しており、先進国の中でも中位に位置しています。ランキング上位には、ブラジル（151,517万羽）など農業大国が含まれており、鶏産業が国際的に分布していることが分かります。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	792,000,000
2	中国	アジア	576,000,000
3	フランス	ヨーロッパ	175,000,000
4	ブラジル	南アメリカ	151,517,000
5	日本	アジア	121,082,000
6	イギリス	ヨーロッパ	113,162,000
7	ドイツ	ヨーロッパ	112,544,000
8	インド	アジア	106,500,000
9	イタリア	ヨーロッパ	105,000,000
10	メキシコ	南アメリカ	85,072,000
11	カナダ	北アメリカ	71,514,000
12	ポーランド	ヨーロッパ	69,920,000
13	インドネシア	アジア	62,000,000
14	フィリピン	アジア	51,648,000
15	ハンガリー	ヨーロッパ	45,592,000
16	オランダ	ヨーロッパ	45,551,000
17	タイ	アジア	45,014,000
18	ナイジェリア	アフリカ	41,650,000
19	ベトナム	アジア	41,100,000
20	スペイン	ヨーロッパ	40,973,000
21	アルゼンチン	南アメリカ	34,200,000
22	ルーマニア	ヨーロッパ	32,798,000
23	バングラデシュ	アジア	30,000,000
24	トルコ	アジア	26,759,000
25	イラン（イスラム共和国）	アジア	26,660,000
26	ペルー	南アメリカ	26,450,000
27	コロンビア	南アメリカ	25,000,000
28	マレーシア	アジア	25,000,000
29	デンマーク	ヨーロッパ	24,982,000
30	エジプト	アフリカ	22,708,000
31	オーストラリア	オセアニア	21,110,000
32	ブルガリア	ヨーロッパ	20,500,000
33	南アフリカ	アフリカ	20,000,000
34	ギリシャ	ヨーロッパ	17,851,000
35	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	14,188,000
36	モロッコ	アフリカ	13,885,000
37	パキスタン	アジア	13,800,000
38	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	12,500,000
39	マリ	アフリカ	11,500,000
40	チリ	南アメリカ	11,000,000
41	イスラエル	アジア	10,682,000
42	マダガスカル	アフリカ	10,400,000
43	オーストリア	ヨーロッパ	10,348,000
44	大韓民国	アジア	10,282,000
45	スウェーデン	ヨーロッパ	9,997,000
46	アルジェリア	アフリカ	9,800,000
47	ポルトガル	ヨーロッパ	9,800,000
48	キューバ	南アメリカ	9,709,000
49	ブルキナファソ	アフリカ	9,200,000
50	ケニア	アフリカ	8,800,000
51	ミャンマー	アジア	8,243,000
52	中国、台湾 中国省	アジア	8,193,000
53	イラク	アジア	7,900,000
54	グアテマラ	南アメリカ	7,840,000
55	タンザニア連合共和国	アフリカ	7,800,000
56	ラオス人民民主共和国	アジア	7,654,000
57	ウガンダ	アフリカ	7,100,000
58	ガーナ	アフリカ	7,020,000
59	アイルランド	ヨーロッパ	6,902,000
60	フィンランド	ヨーロッパ	6,824,000
61	ジンバブエ	アフリカ	6,800,000
62	ドミニカ共和国	南アメリカ	6,600,000
63	スリランカ	アジア	6,279,000
64	スイス	ヨーロッパ	5,800,000
65	パラグアイ	南アメリカ	5,655,000
66	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	5,500,000
67	ニジェール	アフリカ	5,500,000
68	チュニジア	アフリカ	5,400,000
69	アフガニスタン	アジア	5,300,000
70	ベナン	アフリカ	5,100,000
71	エクアドル	南アメリカ	5,039,000
72	カメルーン	アフリカ	4,810,000
73	コートジボワール	アフリカ	4,760,000
74	モザンビーク	アフリカ	4,750,000
75	ウルグアイ	南アメリカ	4,700,000
76	コンゴ民主共和国	アフリカ	4,600,000
77	ノルウェー	ヨーロッパ	4,574,000
78	ニュージーランド	オセアニア	4,500,000
79	ザンビア	アフリカ	4,420,000
80	ネパール	アジア	4,400,000
81	レバノン	アジア	3,945,000
82	シリア・アラブ共和国	アジア	3,736,000
83	アンゴラ	アフリカ	3,700,000
84	プエルトリコ	南アメリカ	3,640,000
85	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,500,000
86	ギニア	アフリカ	3,400,000
87	マラウイ	アフリカ	3,300,000
88	スリナム	南アメリカ	3,100,000
89	セネガル	アフリカ	3,100,000
90	ハイチ	南アメリカ	2,700,000
91	コスタリカ	南アメリカ	2,689,000
92	カンボジア	アジア	2,611,000
93	ホンジュラス	南アメリカ	2,527,000
94	クウェート	アジア	2,500,000
95	ガイアナ	南アメリカ	2,500,000
96	チャド	アフリカ	2,500,000
97	シンガポール	アジア	2,400,000
98	イエメン	アジア	2,360,000
99	中国、香港特別行政区	アジア	2,328,000
100	シエラレオネ	アフリカ	2,300,000
101	パナマ	南アメリカ	2,269,000
102	ニカラグア	南アメリカ	2,259,000
103	ジャマイカ	南アメリカ	2,132,000
104	モーリタニア	アフリカ	1,950,000
105	エルサルバドル	南アメリカ	1,830,000
106	サウジアラビア	アジア	1,800,000
107	ヨルダン	アジア	1,773,000
108	キプロス	アジア	1,700,000
109	レユニオン	アフリカ	1,700,000
110	アルバニア	ヨーロッパ	1,692,000
111	トーゴ	アフリカ	1,460,000
112	ブルンジ	アフリカ	1,450,000
113	ソマリア	アフリカ	1,400,000
114	リベリア	アフリカ	1,350,000
115	中央アフリカ共和国	アフリカ	900,000
116	パプアニューギニア	オセアニア	770,000
117	レソト	アフリカ	698,000
118	バハマ	南アメリカ	620,000
119	東ティモール	アジア	580,000
120	リビア	アフリカ	549,000
121	マルタ	ヨーロッパ	548,000
122	コンゴ	アフリカ	540,000
123	サモア	オセアニア	470,000
124	ルワンダ	アフリカ	455,000
125	マルティニーク	南アメリカ	400,000
126	モーリシャス	アフリカ	390,000
127	オマーン	アジア	354,000
128	ナミビア	アフリカ	350,000
129	バルバドス	南アメリカ	332,000
130	エスワティニ	アフリカ	323,000
131	ボツワナ	アフリカ	307,000
132	中国、マカオ特別行政区	アジア	280,000
133	ガボン	アフリカ	270,000
134	フィジー	オセアニア	240,000
135	ギニアビサウ	アフリカ	220,000
136	コモロ	アフリカ	200,000
137	ガンビア	アフリカ	180,000
138	モンゴル	アジア	165,000
139	ベリーズ	南アメリカ	164,000
140	グアドループ	南アメリカ	160,000
141	ブルネイ ダルサラーム	アジア	160,000
142	グレナダ	南アメリカ	151,000
143	ニューカレドニア	オセアニア	148,000
144	バヌアツ	オセアニア	110,000
145	キリバス	オセアニア	108,000
146	アイスランド	ヨーロッパ	107,000
147	ソロモン諸島	オセアニア	103,000
148	バーレーン	アジア	80,000
149	ブータン	アジア	79,000
150	赤道ギニア	アフリカ	68,000
151	トンガ	オセアニア	66,000
152	セントルシア	南アメリカ	60,000
153	ドミニカ	南アメリカ	58,000
154	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	52,000
155	クック諸島	オセアニア	50,000
156	セーシェル	アフリカ	50,000
157	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	46,000
158	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	44,000
159	カーボベルデ	アフリカ	44,000
160	アラブ首長国連邦	アジア	42,000
161	サントメ・プリンシペ	アフリカ	40,000
162	フランス領ギアナ	南アメリカ	40,000
163	カタール	アジア	24,000
164	ニウエ	オセアニア	13,000
165	ツバル	オセアニア	10,000
166	フランス領ポリネシア	オセアニア	10,000
167	トケラウ	オセアニア	3,000
168	ナウル	オセアニア	2,000
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このデータは、国際連合食糧農業機関（FAO）が1964年度の統計をもとに鶏の飼養数を国別に集計したもので、世界各国がどのように家禽（かきん）産業を発展させていたのかを示しています。鶏の飼養数ランキングは、国ごとの畜産業規模や食料供給体系の形態を理解する上で貴重な情報源となります。

1位のアメリカ合衆国は、当時すでに高度な農業・畜産技術を駆使しており、肉用鶏（ブロイラー）や卵用鶏の大量生産体制を整えていました。同国の値は2位の中国の約1.4倍に相当し、この差は、当時のアメリカが消費文化や食料輸出の拡大を背景に、効率的な飼育技術を採用していたことを示唆します。一方、中国は大規模な人口と広大な農村地帯の影響を強く受けており、広範囲にわたる自給的な家禽生産が特徴でした。

ランキング内において興味深い点として、フランス（3位）、ブラジル（4位）、日本（5位）などの位置づけが挙げられます。フランスは伝統的に地方の農業形態が発達していた一方で、家禽産業も国の基幹的セクターとされていました。ブラジルは当時、まだ現在ほどの経済力を持たなかったものの、気候的な条件が鶏の飼育に適していたため成長が見られます。日本もこの時期に独自の養鶏技術を積み重ねており、国内での鶏肉および卵の安定供給を目指していましたが、土地資源の限界が見え始めていた可能性が考えられます。

このランキングには、多くの国が農業国や発展途上国であることが特徴として挙げられます。例えば、インド（8位）やインドネシア（13位）は、その後急速な都市化と人口増加が進む国々の初期段階であり、現在のランキングと比較すると鶏飼養数が低めであることが分かります。一方、下位に位置する多くの島嶼国や中小国は、地理的条件や国土の狭さに加え、国内需要の規模が小さいことが鶏の少なさにつながっていると思われます。

こうしたデータを基に考えるべき未来の課題として、まず挙げられるのは、地域ごとに異なる需要をどのように満たし持続可能性を確保するかという点です。例えば、アメリカや中国のような大規模養鶏モデルが他の国々で適応可能かどうかは、地理的条件や技術基盤によって異なります。特に、急速な人口増加を経験している国々では、食料安全保障や輸送インフラの開発が鶏の供給を安定化させる鍵になります。

さらに、将来の地政学的背景や疫病リスクを踏まえた対策も重要です。鳥インフルエンザのような伝染病は、生産規模の大きい地域ほど被害が広がりやすく、その発生が食料供給網に与える影響は計り知れません。このため、国際的なデータ共有やワクチン普及の取り組みが必要になってきます。また、鶏の生産だけでなく、環境への影響削減や福祉型養鶏の導入もグローバルな課題の一環として捉えられるべきです。

結論として、このデータからは多角的な示唆が得られます。国ごとに鶏飼養をめぐる状況は大きく異なり、それぞれの国が地元の需要を満たすだけでなく、輸出や国際支援の観点からもバランスを取る必要があります。また、技術革新や国際協力体制の強化により飼養効率を高める一方で、疫病や環境問題に関する備えを進めることが、世界全体にとって益となるでしょう。国際機関および各国政府が共同して政策を練ることで、より持続可能かつ安定した家禽産業の未来が築かれることを期待したいと思います。