世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1972年時点における鶏飼養数ランキングのデータによると、アメリカ合衆国が約935,000万羽で1位、中国が651,000万羽で2位、ブラジルが250,000万羽で3位という結果です。日本は4位で233,490万羽を飼養しており、アジア地域では中国に次ぎ2位となっています。全体的に上位国は人口の多い国や農業が盛んな国が占めており、地域ごとに飼育形態や需要の違いが現れています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	935,000,000
2	中国	アジア	651,000,000
3	ブラジル	南アメリカ	250,000,000
4	日本	アジア	233,490,000
5	フランス	ヨーロッパ	156,848,000
6	ドイツ	ヨーロッパ	142,873,000
7	イギリス	ヨーロッパ	133,458,000
8	インド	アジア	129,500,000
9	メキシコ	南アメリカ	128,550,000
10	イタリア	ヨーロッパ	117,200,000
11	カナダ	北アメリカ	91,140,000
12	インドネシア	アジア	82,627,000
13	スペイン	ヨーロッパ	81,000,000
14	ポーランド	ヨーロッパ	77,711,000
15	イラン（イスラム共和国）	アジア	62,000,000
16	オランダ	ヨーロッパ	58,430,000
17	ナイジェリア	アフリカ	56,840,000
18	ハンガリー	ヨーロッパ	55,029,000
19	バングラデシュ	アジア	55,000,000
20	ルーマニア	ヨーロッパ	53,792,000
21	タイ	アジア	52,782,000
22	ベトナム	アジア	52,600,000
23	フィリピン	アジア	50,103,000
24	オーストラリア	オセアニア	40,535,000
25	マレーシア	アジア	39,200,000
26	トルコ	アジア	34,612,000
27	アルゼンチン	南アメリカ	33,000,000
28	ブルガリア	ヨーロッパ	31,319,000
29	南アフリカ	アフリカ	29,000,000
30	ギリシャ	ヨーロッパ	28,644,000
31	エジプト	アフリカ	25,152,000
32	ペルー	南アメリカ	24,681,000
33	大韓民国	アジア	23,071,000
34	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	22,795,000
35	デンマーク	ヨーロッパ	18,419,000
36	モロッコ	アフリカ	18,000,000
37	コロンビア	南アメリカ	17,400,000
38	パキスタン	アジア	17,000,000
39	中国、台湾 中国省	アジア	16,702,000
40	ミャンマー	アジア	15,835,000
41	チリ	南アメリカ	15,800,000
42	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	15,500,000
43	アルジェリア	アフリカ	15,061,000
44	ポルトガル	ヨーロッパ	14,690,000
45	モザンビーク	アフリカ	14,000,000
46	ケニア	アフリカ	14,000,000
47	キューバ	南アメリカ	13,231,000
48	マリ	アフリカ	13,200,000
49	ヨルダン	アジア	13,000,000
50	イラク	アジア	13,000,000
51	タンザニア連合共和国	アフリカ	12,500,000
52	オーストリア	ヨーロッパ	12,231,000
53	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	12,200,000
54	スウェーデン	ヨーロッパ	11,909,000
55	エクアドル	南アメリカ	11,579,000
56	イスラエル	アジア	11,439,000
57	ガーナ	アフリカ	11,279,000
58	チュニジア	アフリカ	11,060,000
59	ザンビア	アフリカ	10,800,000
60	ブルキナファソ	アフリカ	10,800,000
61	マダガスカル	アフリカ	10,597,000
62	ドミニカ共和国	南アメリカ	10,000,000
63	グアテマラ	南アメリカ	9,900,000
64	フィンランド	ヨーロッパ	9,865,000
65	コンゴ民主共和国	アフリカ	9,500,000
66	ウガンダ	アフリカ	8,700,000
67	アイルランド	ヨーロッパ	8,500,000
68	カメルーン	アフリカ	8,500,000
69	ラオス人民民主共和国	アジア	8,000,000
70	ガイアナ	南アメリカ	8,000,000
71	ジンバブエ	アフリカ	8,000,000
72	ニジェール	アフリカ	7,964,000
73	スリランカ	アジア	7,227,000
74	ベナン	アフリカ	7,000,000
75	マラウイ	アフリカ	7,000,000
76	パラグアイ	南アメリカ	6,439,000
77	中国、香港特別行政区	アジア	6,371,000
78	コートジボワール	アフリカ	6,300,000
79	レバノン	アジア	6,100,000
80	スイス	ヨーロッパ	6,021,000
81	アフガニスタン	アジア	6,000,000
82	クウェート	アジア	5,563,000
83	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,550,000
84	セネガル	アフリカ	5,478,000
85	シリア・アラブ共和国	アジア	5,162,000
86	ネパール	アジア	5,100,000
87	ウルグアイ	南アメリカ	5,100,000
88	アンゴラ	アフリカ	4,600,000
89	プエルトリコ	南アメリカ	4,563,000
90	ニュージーランド	オセアニア	4,350,000
91	コスタリカ	南アメリカ	4,332,000
92	カンボジア	アジア	4,100,000
93	ギニア	アフリカ	4,042,000
94	ハイチ	南アメリカ	3,950,000
95	ノルウェー	ヨーロッパ	3,836,000
96	スリナム	南アメリカ	3,783,000
97	サウジアラビア	アジア	3,750,000
98	パナマ	南アメリカ	3,699,000
99	キプロス	アジア	3,521,000
100	ジャマイカ	南アメリカ	3,500,000
101	シンガポール	アジア	3,400,000
102	ニカラグア	南アメリカ	3,300,000
103	ホンジュラス	南アメリカ	3,260,000
104	シエラレオネ	アフリカ	3,050,000
105	チャド	アフリカ	2,850,000
106	モーリタニア	アフリカ	2,700,000
107	イエメン	アジア	2,498,000
108	ブルンジ	アフリカ	2,300,000
109	エルサルバドル	南アメリカ	2,204,000
110	ソマリア	アフリカ	2,200,000
111	アルバニア	ヨーロッパ	2,176,000
112	トーゴ	アフリカ	2,158,000
113	リビア	アフリカ	1,990,000
114	リベリア	アフリカ	1,800,000
115	レユニオン	アフリカ	1,791,000
116	中央アフリカ共和国	アフリカ	1,120,000
117	マルタ	ヨーロッパ	1,118,000
118	パプアニューギニア	オセアニア	940,000
119	レソト	アフリカ	840,000
120	ナミビア	アフリカ	800,000
121	マルティニーク	南アメリカ	710,000
122	コンゴ	アフリカ	700,000
123	バハマ	南アメリカ	680,000
124	東ティモール	アジア	660,000
125	バルバドス	南アメリカ	600,000
126	モーリシャス	アフリカ	600,000
127	オマーン	アジア	550,000
128	フィジー	オセアニア	550,000
129	ルワンダ	アフリカ	542,000
130	ボツワナ	アフリカ	492,000
131	サモア	オセアニア	485,000
132	エスワティニ	アフリカ	379,000
133	ガボン	アフリカ	350,000
134	中国、マカオ特別行政区	アジア	330,000
135	ブルネイ ダルサラーム	アジア	307,000
136	ギニアビサウ	アフリカ	300,000
137	グレナダ	南アメリカ	280,000
138	ベリーズ	南アメリカ	270,000
139	ガンビア	アフリカ	250,000
140	コモロ	アフリカ	230,000
141	バヌアツ	オセアニア	190,000
142	アイスランド	ヨーロッパ	172,000
143	ニューカレドニア	オセアニア	168,000
144	キリバス	オセアニア	140,000
145	バーレーン	アジア	135,000
146	モンゴル	アジア	125,000
147	ソロモン諸島	オセアニア	122,000
148	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	110,000
149	アラブ首長国連邦	アジア	105,000
150	赤道ギニア	アフリカ	100,000
151	グアドループ	南アメリカ	95,000
152	ブータン	アジア	94,000
153	セントルシア	南アメリカ	90,000
154	ドミニカ	南アメリカ	86,000
155	カタール	アジア	80,000
156	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	68,000
157	セーシェル	アフリカ	65,000
158	クック諸島	オセアニア	60,000
159	フランス領ギアナ	南アメリカ	60,000
160	サントメ・プリンシペ	アフリカ	57,000
161	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	56,000
162	カーボベルデ	アフリカ	55,000
163	トンガ	オセアニア	44,000
164	フランス領ポリネシア	オセアニア	40,000
165	ニウエ	オセアニア	14,000
166	ツバル	オセアニア	10,000
167	トケラウ	オセアニア	3,000
168	ナウル	オセアニア	3,000
+ すべての国を見る

このデータは、国際連合食糧農業機関（FAO）が収集した1972年の鶏飼養数に基づいています。鶏の飼養数は、その国の食料生産能力や畜産業の発展レベル、さらには鶏肉や鶏卵に対する需要を反映する重要な指標と言えます。上位10か国のうち5か国がアメリカ大陸（アメリカ合衆国、ブラジル、メキシコ、カナダ、アルゼンチン）であることから、当時の米州全体での畜産業の規模や食事文化における鶏肉消費の重要性を示していると考えられます。

アジア地域では、中国が飼養数2位、日本が4位、インドが8位となっています。中国は食料需要の多さや農村部を中心とした家畜の多様な利用が主因となっていると言えます。一方、日本は、限られた土地面積を高効率に活用して大量消費に対応する産業構造が特徴的です。また、インドにおいては、人口の多さに比べ鶏の飼養数が他アジア諸国より限定的であることから、文化的または宗教的な要因が食肉需要に影響を及ぼしていると考えられます。

地域別の課題として、先進国では生産の効率化や環境負荷の低減、また動物福祉の重要性が課題となっています。一方、新興国や発展途上国では、飼育技術の普及や衛生管理が依然として主要な課題です。例えば、アメリカでは大規模化と効率化が進む一方で、環境汚染や大規模農場による地域社会への影響が問題化しつつあります。農業や畜産業に適した自然条件を持つブラジルでは、輸出向けの生産が拡大していますが、同時に森林破壊などの地政学的リスクも無視できません。

日本においても将来的には、鶏インフルエンザなどの感染症への対応が重要とされます。特に、日本のような島国では迅速な検疫体制の構築や抗生物質の使用管理が求められます。さらに人口密度を考慮した都市部での消費増大に対し、生産地との物流効率向上やフードロスの削減も課題となるでしょう。

地政学的背景として鶏肉の生産と消費動態に影響を与える最も重要なテーマは、各国の政策や国際貿易です。例えば、食肉に依存する国ほど輸出規制や貿易制裁の影響を受けやすく、それが動物飼養数や価格の変動につながります。また、紛争地域や災害の発生は家畜の飼養にも直接的な打撃を与え、現地経済の脆弱性を悪化させる要因となります。

未来に向けた提言として、地域間での技術共有や農業協力の枠組みづくりが重要です。具体的には、発展途上国での鶏の感染症対策を支援するための国際的な防疫プロジェクトの強化や、持続可能な鶏飼養のための飼料生産技術の向上が挙げられます。また、飼養数が少ない国々において地産地消の拡大が食料安全保障に寄与する可能性があるため、それを促進するための政策支援も考慮するべきです。

結論として、この鶏飼養数のランキングから、各国の農業・畜産業の特徴や課題が浮き彫りとなりました。農業先進国、発展途上国を含む全ての国が協力し、資源の効率的利用や地球環境への影響を最小限にするための取り組みを進めることが重要です。国際機関や各国政府の主導による技術移転や資金援助を通じて、世界的な食料安定供給に貢献していくべきでしょう。