世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2015年度の馬飼養数ランキングによると、1位はアメリカ合衆国（10,267,608頭）、2位はメキシコ（6,364,160頭）、3位はブラジル（5,551,288頭）でした。これら上位3カ国は世界の馬飼養数全体の約30%以上を占める規模です。一方で、日本の飼養数は15,736頭で世界104位にランクインしており、先進国の中では比較的少ない数値となっています。各国のランキングには、地理、経済、文化的背景が大きく関係していることが見て取れます。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,267,608
2	メキシコ	南アメリカ	6,364,160
3	ブラジル	南アメリカ	5,551,288
4	中国	アジア	4,157,500
5	モンゴル	アジア	3,295,336
6	アルゼンチン	南アメリカ	2,447,307
7	エチオピア	アフリカ	2,082,203
8	カザフスタン	アジア	2,070,273
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,373,260
10	チャド	アフリカ	1,073,498
11	キューバ	南アメリカ	814,200
12	コロンビア	南アメリカ	812,629
13	スーダン	アフリカ	789,297
14	ペルー	南アメリカ	743,424
15	インド	アジア	566,042
16	セネガル	アフリカ	551,089
17	マリ	アフリカ	527,957
18	ルーマニア	ヨーロッパ	524,741
19	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	521,938
20	ハイチ	南アメリカ	501,296
21	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	491,965
22	キルギスタン	アジア	449,614
23	インドネシア	アジア	430,404
24	シエラレオネ	アフリカ	429,807
25	ドイツ	ヨーロッパ	422,657
26	ウルグアイ	南アメリカ	410,990
27	イギリス	ヨーロッパ	403,711
28	カナダ	北アメリカ	400,053
29	フランス	ヨーロッパ	398,055
30	イタリア	ヨーロッパ	384,767
31	パキスタン	アジア	362,000
32	ドミニカ共和国	南アメリカ	356,441
33	スペイン	ヨーロッパ	318,000
34	ウクライナ	ヨーロッパ	316,800
35	南アフリカ	アフリカ	315,774
36	チリ	南アメリカ	310,903
37	パラグアイ	南アメリカ	275,922
38	オーストラリア	オセアニア	271,702
39	ニカラグア	南アメリカ	269,113
40	ニジェール	アフリカ	245,743
41	フィリピン	アジア	242,222
42	エクアドル	南アメリカ	223,352
43	ウズベキスタン	アジア	213,400
44	ポーランド	ヨーロッパ	207,065
45	ホンジュラス	南アメリカ	182,046
46	アフガニスタン	アジア	173,000
47	モロッコ	アフリカ	162,000
48	イラン（イスラム共和国）	アジア	138,611
49	トルコ	アジア	131,480
50	グアテマラ	南アメリカ	129,430
51	コスタリカ	南アメリカ	126,015
52	オランダ	ヨーロッパ	118,385
53	パナマ	南アメリカ	112,028
54	ミャンマー	アジア	107,051
55	ナイジェリア	アフリカ	102,147
56	スウェーデン	ヨーロッパ	98,476
57	エルサルバドル	南アメリカ	98,043
58	アイルランド	ヨーロッパ	93,100
59	オーストリア	ヨーロッパ	88,597
60	タジキスタン	アジア	78,303
61	フィンランド	ヨーロッパ	74,200
62	アイスランド	ヨーロッパ	74,000
63	ポルトガル	ヨーロッパ	74,000
64	アゼルバイジャン	アジア	73,741
65	エジプト	アフリカ	72,709
66	ベトナム	アジア	65,739
67	モーリタニア	アフリカ	65,008
68	ベラルーシ	ヨーロッパ	63,600
69	ハンガリー	ヨーロッパ	61,000
70	レソト	アフリカ	59,704
71	デンマーク	ヨーロッパ	57,720
72	チュニジア	アフリカ	57,069
73	スイス	ヨーロッパ	55,479
74	イラク	アジア	51,072
75	東ティモール	アジア	50,751
76	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,007
77	ナミビア	アフリカ	47,151
78	フィジー	オセアニア	47,015
79	リビア	アフリカ	46,587
80	アルジェリア	アフリカ	42,366
81	ブルガリア	ヨーロッパ	42,000
82	モルドバ共和国	ヨーロッパ	41,943
83	ニュージーランド	オセアニア	40,935
84	ブルキナファソ	アフリカ	40,395
85	グルジア	アジア	40,140
86	ノルウェー	ヨーロッパ	37,005
87	チェコ	ヨーロッパ	33,716
88	ラオス人民民主共和国	アジア	32,500
89	ボツワナ	アフリカ	32,337
90	ベルギー	ヨーロッパ	31,662
91	アルバニア	ヨーロッパ	31,000
92	カンボジア	アジア	30,000
93	ジンバブエ	アフリカ	28,082
94	サウジアラビア	アジア	28,000
95	トルクメニスタン	アジア	26,007
96	クロアチア	ヨーロッパ	21,868
97	スロベニア	ヨーロッパ	20,905
98	北マケドニア	ヨーロッパ	18,784
99	カメルーン	アフリカ	18,308
100	リトアニア	ヨーロッパ	18,193
101	大韓民国	アジア	16,859
102	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	16,604
103	シリア・アラブ共和国	アジア	15,794
104	日本	アジア	15,736
105	セルビア	ヨーロッパ	15,222
106	ギリシャ	ヨーロッパ	14,887
107	ブータン	アジア	14,798
108	アルメニア	アジア	11,430
109	トンガ	オセアニア	11,327
110	ニューカレドニア	オセアニア	10,986
111	ラトビア	ヨーロッパ	10,068
112	カタール	アジア	8,349
113	プエルトリコ	南アメリカ	7,136
114	スロバキア	ヨーロッパ	6,828
115	バヌアツ	オセアニア	6,646
116	エストニア	ヨーロッパ	6,300
117	タイ	アジア	6,046
118	ガンビア	アフリカ	5,908
119	ベリーズ	南アメリカ	5,804
120	モンテネグロ	ヨーロッパ	4,927
121	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,717
122	ジャマイカ	南アメリカ	4,003
123	イスラエル	アジア	4,000
124	レバノン	アジア	3,612
125	マレーシア	アジア	3,608
126	ギニア	アフリカ	3,370
127	ガーナ	アフリカ	3,063
128	ヨルダン	アジア	2,439
129	ガイアナ	南アメリカ	2,380
130	ギニアビサウ	アフリカ	2,318
131	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
132	ケニア	アフリカ	2,053
133	パプアニューギニア	オセアニア	2,042
134	イエメン	アジア	1,975
135	サモア	オセアニア	1,901
136	トーゴ	アフリカ	1,859
137	エスワティニ	アフリカ	1,659
138	中国、香港特別行政区	アジア	1,534
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,401
140	スリランカ	アジア	1,368
141	バルバドス	南アメリカ	1,239
142	クウェート	アジア	1,180
143	ベナン	アフリカ	1,156
144	セントルシア	南アメリカ	1,104
145	マルタ	ヨーロッパ	1,049
146	アンゴラ	アフリカ	1,005
147	ソマリア	アフリカ	855
148	中国、台湾 中国省	アジア	853
149	カーボベルデ	アフリカ	550
150	マダガスカル	アフリカ	494
151	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	493
152	アラブ首長国連邦	アジア	421
153	クック諸島	オセアニア	303
154	サントメ・プリンシペ	アフリカ	292
155	スリナム	南アメリカ	261
156	モーリシャス	アフリカ	150
157	ソロモン諸島	オセアニア	150
158	マラウイ	アフリカ	99
159	コンゴ	アフリカ	75
160	グレナダ	南アメリカ	30
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2015年のデータから馬飼養状況を分析すると、アメリカ合衆国、メキシコ、ブラジルの3カ国が特に多くの馬を飼養していることがわかります。アメリカ合衆国は1,000万以上の馬を飼養しており、この規模は全世界の中で突出しています。アメリカ合衆国では競馬や乗馬文化が発達し、また大規模な農業と牧場経営が広範に行われていることが、これほどの数の馬を支えている要因と考えられます。同様に、メキシコやブラジルも競技用の馬や農業用の移動手段として馬の利用が多く、馬文化が根強く残っていることがその背景にあります。

一方で、日本の馬飼養数は15,736頭で、世界ランキングでは104位と低い位置にあります。これは日本の地理的な制約や農業規模の小ささ、さらには都市化の進展による馬の利用場面の減少などが影響しています。日本では主に競馬や趣味としての乗馬が飼養の中心であり、過去の農業用や運搬用の需要が大幅に低下したことも数値の低さを説明する要因となっています。同じアジア地域でも、中国（4,157,500頭）やモンゴル（3,295,336頭）は日本と大きく異なり、広大な土地と遊牧文化による馬の利用が依然として重要であることが反映されています。

また、アフリカや中東の一部の国々では、馬が移動や農作業の手段として重要な位置を占めています。たとえばエチオピア（2,082,203頭）やカザフスタン（2,070,273頭）などでは経済基盤に馬が深く関係しています。しかし、これらの地域の多くはインフラが未発展であり、そのため機械化が進む余地が制約されているという面もあります。

さらに、地政学的背景も馬飼養に影響を与えています。たとえば紛争や災害が頻発する地域では、馬の管理や供給が困難になる一方で、逆に輸送手段として馬の重要性が増すケースもあります。気候変動による草地の減少や水資源の不足も、将来馬の生産や飼養に影響を及ぼすと予測されます。これに対応するためには、国際的な支援や研究を進め、飼料の供給や効果的な飼育技術を支援する必要があります。

将来的な課題としては、競馬や農業だけでなく、生物多様性の保全の観点からも馬を活用する仕組みづくりを考えなければなりません。また、観光産業における馬の利用促進や、馬を用いた教育プログラムの拡充も検討すべきです。日本においては、地域ごとの「馬文化」を再評価し、育成や観光と結びつける取り組みが特に重要です。

また、世界全体で見ると、馬の飼育が経済発展や社会情勢と密接に関係するため、国際的な協力を通じて、それぞれの国々に合った持続可能な馬の飼育と利用の形を模索する必要があります。特に発展途上国では、馬の医療対策や持続可能な飼育方法を支援することで、馬に依存する地域経済の安定化が期待されます。

統計データが示すように、馬飼養数の多寡は単に頭数だけで評価するのではなく、その背景にある文化的、経済的、地理的要素を考慮して総合的に理解することが重要です。閉ざされた国やインフラが脆弱な地域では国際的機関の支援が欠かせず、また地元の特性を活かしつつ国際協力を強化することが求められます。