Skip to main content

フィンランドの馬飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、フィンランドの馬飼養数は1961年の234,710頭をピークとしてその後急激に減少しましたが、1978年以降は一部回復し、2000年代以降は比較的安定した推移を見せています。2018年の時点では74,400頭であり、1961年から比較して約3分の1以下に減少しました。特に1960年代から1970年代にかけての減少率が目立ちます。

年度 飼養数(頭) 増減率
2018年 74,400 -
2017年 74,400
0.27% ↑
2016年 74,200 -
2015年 74,200
-0.54% ↓
2014年 74,600
-0.53% ↓
2013年 75,000
-0.53% ↓
2012年 75,400
-0.13% ↓
2011年 75,500
1.62% ↑
2010年 74,300
2.77% ↑
2009年 72,300
4.25% ↑
2008年 69,350
1.99% ↑
2007年 68,000
2.95% ↑
2006年 66,050
3.58% ↑
2005年 63,770
4.37% ↑
2004年 61,100
1.5% ↑
2003年 60,200
1.86% ↑
2002年 59,100
0.85% ↑
2001年 58,600
1.74% ↑
2000年 57,600
2.49% ↑
1999年 56,200
0.18% ↑
1998年 56,100
2.75% ↑
1997年 54,600
5% ↑
1996年 52,000
4.21% ↑
1995年 49,900
3.31% ↑
1994年 48,300
-1.43% ↓
1993年 49,000
-0.2% ↓
1992年 49,100
2.08% ↑
1991年 48,100
9.57% ↑
1990年 43,900
9.48% ↑
1989年 40,100
12.64% ↑
1988年 35,600
-8.48% ↓
1987年 38,900
4.57% ↑
1986年 37,200
-0.8% ↓
1985年 37,500
9.01% ↑
1984年 34,400
-3.1% ↓
1983年 35,500
3.5% ↑
1982年 34,300
5.54% ↑
1981年 32,500
-2.69% ↓
1980年 33,400
4.05% ↑
1979年 32,100
-6.41% ↓
1978年 34,300
17.06% ↑
1977年 29,300
-12.01% ↓
1976年 33,300
-12.83% ↓
1975年 38,200
-12.59% ↓
1974年 43,700
-9.71% ↓
1973年 48,400
-19.2% ↓
1972年 59,900
-17.83% ↓
1971年 72,900
-18.82% ↓
1970年 89,800
-11.35% ↓
1969年 101,300
-19.67% ↓
1968年 126,100
-10.38% ↓
1967年 140,700
-14.57% ↓
1966年 164,700
-10.39% ↓
1965年 183,800
-11.21% ↓
1964年 207,000
-5.74% ↓
1963年 219,600
-3.47% ↓
1962年 227,500
-3.07% ↓
1961年 234,710 -
+ すべての年度を見る

フィンランドの馬飼養数における推移を詳細に見ると、農業の機械化や経済構造の変化の影響を強く受けたことがわかります。データから見ると、1961年から1978年にかけて馬の飼養数は急激に減少しています。この時期にはトラクターなどの農業機械の普及が進み、それまで農作業の重要な役割を果たしていた馬の必要性が大幅に減少しました。特に1971年から1973年にかけては50,000頭を下回るまで減少しており、この経済的背景は他の北欧諸国と共通しています。

しかしながら、1978年以降、減少傾向は一旦緩やかとなり、1980年代には少しずつ増加に転じました。この背景には、馬文化への再興や娯楽としての馬術や競技、伝統文化の保存活動の拡大が影響していると考えられます。また、一部の地域では馬が観光資源としても注目されるようになりました。2000年代以降は飼養数が6万頭台を超え、2018年には74,400頭と安定的な数値を示しています。この変化は、馬の飼養目的が農業や運搬からレクリエーションや趣味・競技へと変化していったことを反映しています。

この動向を国際的に比較すると、フィンランドの馬飼養推移は、ドイツやフランス、イギリスなどの先進国に見られる傾向と一致しています。ただし、アメリカや中国のような大規模な馬産業を持つ国と異なり、フィンランドでは規模よりも持続可能性や文化的価値が重視されているようです。日本でも1960年代以降、農業機械の普及に伴い馬飼養数が減少しましたが、フィンランドと同様に伝統競技や趣味としての需要が見直されています。

未来を展望すると、フィンランドの馬文化を将来にわたって維持・発展させるためにはいくつかの課題があります。一つは、都市化や工業化の進展による農村部の過疎化が進む中で、馬に関連する伝統や実務的なスキルの継承をどのように行うかという問題です。馬術競技や観光といった娯楽分野の拡充も重要ですが、それだけに偏ると本来の文化的側面が失われる可能性があります。教育プログラムの充実や地方支援政策の強化がその維持には不可欠だと考えられます。

さらに、気候変動の影響も無視できません。近年、冬季の気温上昇により一部の地域では伝統的な馬を用いた冬の活動が影響を受けています。環境変化への適応として、エコツーリズムの推進やサステナブルな土地利用計画を進める必要があるでしょう。

結論として、フィンランドの馬飼養数の推移は単なる経済的・産業的な変化だけでなく、社会や文化の反映であることが示されました。政策の面では、地域コミュニティや観光産業との連携をさらに促進しつつ、馬の飼養と利用の多様性を意識した包括的なアプローチが求められます。これらを実現することで、フィンランドの馬文化が次世代へと引き継がれていくことが期待されます。

フィンランドの統計データ
キーワード検索
楽天おすすめ