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スウェーデンの馬飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年最新データに基づき、スウェーデンの馬飼養数の推移を分析しました。スウェーデンにおける馬の飼養数は1961年の194,450頭を頂点として長期的な減少傾向を見せましたが、1980年代以降、横ばいもしくは安定的な増加傾向に転じ、2017年には102,319頭と増加基調が見られます。

年度 飼養数(頭) 増減率
2017年 102,319
1.06% ↑
2016年 101,247
2.81% ↑
2015年 98,476
3.66% ↑
2014年 95,000 -
2013年 95,000
-2.06% ↓
2012年 97,000
-1.02% ↓
2011年 98,000
2.08% ↑
2010年 96,000
1.05% ↑
2009年 95,000 -
2008年 95,000 -
2007年 95,000
-1.04% ↓
2006年 96,000
0.31% ↑
2005年 95,700
0.04% ↑
2004年 95,660
0.17% ↑
2003年 95,499
12.35% ↑
2002年 85,000
-1.16% ↓
2001年 86,000
-2.96% ↓
2000年 88,621
11.18% ↑
1999年 79,710
-0.36% ↓
1998年 80,000
-8.55% ↓
1997年 87,477
2.91% ↑
1996年 85,000
0.53% ↑
1995年 84,548
-1.26% ↓
1994年 85,628
7.98% ↑
1993年 79,300
2.19% ↑
1992年 77,600
1.11% ↑
1991年 76,750
32.33% ↑
1990年 58,000
0.35% ↑
1989年 57,800
0.52% ↑
1988年 57,500
0.52% ↑
1987年 57,200
0.35% ↑
1986年 57,000 -
1985年 57,000 -
1984年 57,000 -
1983年 57,000 -
1982年 57,000
12.51% ↑
1981年 50,660
-11.12% ↓
1980年 57,000 -
1979年 57,000 -
1978年 57,000
-1.72% ↓
1977年 58,000
-1.03% ↓
1976年 58,601
2.81% ↑
1975年 57,000
14% ↑
1974年 50,000
-3.85% ↓
1973年 52,000
-1.8% ↓
1972年 52,954
-3.02% ↓
1971年 54,604
-9.97% ↓
1970年 60,652
-5.23% ↓
1969年 64,000
-6.65% ↓
1968年 68,561
-12.56% ↓
1967年 78,409
-15.63% ↓
1966年 92,934
-14.5% ↓
1965年 108,700
-18.15% ↓
1964年 132,800
-12.33% ↓
1963年 151,480
-8.44% ↓
1962年 165,440
-14.92% ↓
1961年 194,450 -
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スウェーデンにおける馬の飼養数推移をみると、1961年から1974年にかけては急激な減少期を迎えたことがわかります。この時期には、機械化農業の進展により、農耕や輸送における馬の役割が急速に減少したことが大きな要因です。具体的には、1961年の194,450頭から1974年にはわずか50,000頭と、大幅な下落を記録しました。この時期の減少は、農業従事者の減少や工業化による都市部への人口集中といった、経済的・社会的構造の変化によるものと考えられます。

1980年代に入ると、飼養頭数は57,000頭前後で安定しました。農業以外の分野、特にレジャーやスポーツ競技における馬の利用が増加したと共に、馬文化が新たな形で社会に定着したことが背景にあります。また、1990年代以降には明らかな増加傾向が見られるようになります。これは、乗馬やヒポセラピー(馬による療法)といった新しい形の馬の利用が定着し、その需要が増加したためと言えます。実際に、1991年に76,750頭だった飼養数は、2017年には102,319頭と約33%増加しています。この増加は、スウェーデンが豊かな自然環境の中でのレジャー活動を重視し、馬産業におけるインフラや制度面の整備が進んだこととも関連しています。

スウェーデン国内の地域別の状況を詳しく見てみると、農村部で特に馬の飼養が活発である一方、大都市圏でも乗馬クラブが増え、都市部での需要にも応える形が進んでいます。国際的な視点で見ても、スウェーデンの馬飼養数の回復傾向は、ドイツやフランスといった欧州の他国と同様のトレンドに従っています。一方で、日本では馬の飼養数が100,000頭を大幅に下回り、競馬といった商業的利用に大きく依存しているなど、用途や需要の多様性に違いが見られます。

しかしながら、課題も存在します。まず、馬を取り巻く生態系の保全や、長期的な畜産環境への影響の懸念があげられます。最近では気候変動の影響も無視できません。スウェーデンを含めた北欧地域は気候の温暖化が進行しており、牧草の供給や水資源の確保が馬の飼養において新たな課題となりつつあります。また、飼養数の増加に伴う福祉面の問題や、飼育コストの上昇が懸念されます。

将来に向けて、いくつかの具体的な対策が必要です。例えば、地域間協力として、北欧諸国間での研究資金の共有や、馬の福祉・飼養技術の向上に向けた政策的枠組みの構築が挙げられます。また、ヒポセラピーや乗馬観光をさらに普及させるための教育普及活動や市場の拡大なども有効です。加えて、気候変動への適応策として、持続可能な牧草管理や水資源の利用効率を高める技術開発が必須となります。

結論として、スウェーデンの馬飼養数は過去数十年のうちに著しく減少しましたが、その後の安定期を経て、近年は再び増加傾向にあります。この変化は、経済や社会文化の変遷を反映すると共に、馬文化の多様な発展を示しています。今後は、地球環境を踏まえた持続可能な飼養環境の整備や、レジャー利用拡大のための政策がこの傾向をさらに後押しするでしょう。スウェーデンは、豊かな自然を活かし、馬関連産業のモデル国として国際的な先進事例を提供できる可能性があります。

スウェーデンの統計データ
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