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アイルランドの馬飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が公開したデータによると、アイルランドの馬飼養数は1961年の207,000頭から2019年の82,010頭まで大きく減少しており、特に1970年代から1980年代にかけて急激な減少が見られました。しかし1990年代以降に一度回復基調を見せたものの、その後再び減少傾向が続いています。データは、アイルランドの畜産業や馬を中心とした文化・経済の変遷を映し出しています。

年度 飼養数(頭) 増減率
2019年 82,010
-2.76% ↓
2018年 84,334
-0.64% ↓
2017年 84,876
-7.94% ↓
2016年 92,200
-0.97% ↓
2015年 93,100
-2% ↓
2014年 95,000
-6.5% ↓
2013年 101,600
-8.55% ↓
2012年 111,100
4.81% ↑
2011年 106,000 -
2010年 106,000
8.05% ↑
2009年 98,100
2.51% ↑
2008年 95,700
7.29% ↑
2007年 89,200
3% ↑
2006年 86,600
8.39% ↑
2005年 79,900
9.75% ↑
2004年 72,800
3.41% ↑
2003年 70,400
-3.03% ↓
2002年 72,600
2.25% ↑
2001年 71,000
1.57% ↑
2000年 69,900
-7.42% ↓
1999年 75,500
3.71% ↑
1998年 72,800
1.25% ↑
1997年 71,900
2.86% ↑
1996年 69,900
2.79% ↑
1995年 68,000
1.49% ↑
1994年 67,000
1.21% ↑
1993年 66,200
1.69% ↑
1992年 65,100
3.17% ↑
1991年 63,100
17.94% ↑
1990年 53,500
3.48% ↑
1989年 51,700
-2.64% ↓
1988年 53,100
-2.57% ↓
1987年 54,500
-2.33% ↓
1986年 55,800
-3.29% ↓
1985年 57,700
0.17% ↑
1984年 57,600
-4.64% ↓
1983年 60,400
-1.79% ↓
1982年 61,500
-4.95% ↓
1981年 64,700
-5.5% ↓
1980年 68,466
-6.21% ↓
1979年 73,000
-3.31% ↓
1978年 75,500
-5.98% ↓
1977年 80,300
-3.49% ↓
1976年 83,200
-6.71% ↓
1975年 89,182
-9.09% ↓
1974年 98,100
-5.03% ↓
1973年 103,300
-7.85% ↓
1972年 112,100
-4.35% ↓
1971年 117,200
-5.71% ↓
1970年 124,300
-0.48% ↓
1969年 124,900
-6.51% ↓
1968年 133,600
-6.38% ↓
1967年 142,700
-9.91% ↓
1966年 158,400
-7.97% ↓
1965年 172,111
-4.54% ↓
1964年 180,300
-5.21% ↓
1963年 190,200
-2.96% ↓
1962年 196,000
-5.31% ↓
1961年 207,000 -
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アイルランドは、馬産業が農業や文化、さらには観光において重要な役割を果たしてきた国です。1961年の時点で207,000頭いた飼養馬は、20世紀後半から急速に減少に転じました。特に1970年代から1980年代にかけて大幅な減少が記録され、1985年には57,700頭まで減少しました。この期間の背景には、農業機械化の進行や都市化、馬を家畜として利用する重要性が低下したことが挙げられます。トラクターなどの機械化が普及したことで、農業での労働馬の需要は大幅に削減され、これが馬飼養数の大幅な減少を招いたと考えられます。

1990年代以降、馬飼養数が一時的に増加した要因として、アイルランド国内で馬術や競馬など、娯楽やスポーツとしての馬利用の需要が高まったことが影響していると言えます。競馬産業が盛んなイギリスやアメリカへの輸出、また国際的な馬の競技会への注目が集まり、これが1995年から2008年までの増加傾向に寄与したと見ることができます。しかし、2008年の金融危機はアイルランド国内の経済に大打撃を与え、馬飼養数にも影響が及びました。この時期、多くの農場や家庭が馬の飼養を断念し、2010年代以降には再び減少に向かっています。

地政学的観点から見ても、アイルランドの馬飼養数の減少は他国の状況と比較しても際立った特徴があります。たとえば、日本では馬の役割が競馬や観光に集中しつつも、馬飼養数が比較的安定した一方、中国やインドなどでは文化的な要素や従来の農業利用の影響が一部残っています。アメリカでは競馬や大規模な牧場が馬産業を支えており、経済的な安定が飼養数を保持する背景にあります。これらの国々と比較して、アイルランドの数値推移は地域的な政策や経済の変動の影響を強く受けていることがわかります。

課題としては、アイルランドの馬産業が不安定である点が挙げられます。馬飼養業者や関連産業が衰退することにより、国の文化的伝統や観光資源も損なわれるリスクが考えられます。さらに、近年の気候変動や経済的課題による農業全体への打撃も馬産業に波及している可能性があります。これに対抗する対策として、馬産業を持続可能にするための政策が必要となります。例えば、馬術や競馬の振興を目的とした国際協力体制の強化、馬の生産者に対する補助金の拡充、さらには成長する観光産業との連携強化などが考えられるでしょう。また、特定の品種や文化的価値の高い馬の保護プログラムを運用することも、馬飼養数の安定化に寄与するはずです。

今後、アイルランド政府や国際機関が馬産業の持続的利用を進めるための具体的な対策を構築することが求められます。馬を利用した農業観光や新たな雇用創出の取り組みを推進し、特に若い世代が馬産業に関心を持つための教育活動の導入が課題になると考えられます。また、ヨーロッパ内の他国と協力し、共通の競馬市場や農業支援政策を構築することで、アイルランドの馬産業が再び世界的な競争力を持つ可能性があるでしょう。

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