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イタリアの馬飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、イタリアの馬飼養数は、1961年の408,300頭をピークとして、その後の数十年間で減少傾向にありました。しかし、1990年代以降は一時的に回復を見せる時期もあり、2010年代には安定した値で推移しています。特に、2010年以降では増減が見られるものの、全体的に約37万から39万頭の間で推移しており、長期的な減少傾向は抑えられているようです。

年度 飼養数(頭) 増減率
2017年 367,561
-5.35% ↓
2016年 388,324
0.92% ↑
2015年 384,767
-1.57% ↓
2014年 390,886
-0.77% ↓
2013年 393,915
-0.5% ↓
2012年 395,913
6.05% ↑
2011年 373,327 -
2010年 373,324
24.44% ↑
2009年 300,000 -
2008年 300,000 -
2007年 300,000
3.45% ↑
2006年 290,000
45% ↑
2005年 200,000
-28% ↓
2004年 277,767
-4.22% ↓
2003年 290,000
1.75% ↑
2002年 285,000 -
2001年 285,000
1.79% ↑
2000年 280,000
-2.78% ↓
1999年 288,000
-0.69% ↓
1998年 290,000
-4.92% ↓
1997年 305,000
-3.17% ↓
1996年 315,000
-2.75% ↓
1995年 323,900
0.18% ↑
1994年 323,305
2.36% ↑
1993年 315,838
-0.19% ↓
1992年 316,425
9.93% ↑
1991年 287,847
6.22% ↑
1990年 271,000
5.86% ↑
1989年 256,000
2.44% ↑
1988年 249,900
-1.38% ↓
1987年 253,400
2.14% ↑
1986年 248,100
0.73% ↑
1985年 246,300
-2.8% ↓
1984年 253,400
-0.94% ↓
1983年 255,800
-6.06% ↓
1982年 272,300
-0.15% ↓
1981年 272,700
-0.24% ↓
1980年 273,350
2.17% ↑
1979年 267,550
1.25% ↑
1978年 264,240
0.17% ↑
1977年 263,800
4.27% ↑
1976年 253,000
1.32% ↑
1975年 249,700
0.32% ↑
1974年 248,900
-3.26% ↓
1973年 257,300
1.11% ↑
1972年 254,480
-6.05% ↓
1971年 270,880
-8.49% ↓
1970年 296,000
-4.58% ↓
1969年 310,200
-3.06% ↓
1968年 320,000
-0.31% ↓
1967年 321,000
-3.02% ↓
1966年 331,000
-2.93% ↓
1965年 341,000
-2.01% ↓
1964年 348,000
-5.37% ↓
1963年 367,750
-5.72% ↓
1962年 390,080
-4.46% ↓
1961年 408,300 -
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イタリアの馬飼養数推移データを見ると、初期の1960年代では40万頭を超える頭数でスタートしました。この時期の馬の利用は、農業や運搬など、主として労働力としての役割が大きかったことが窺えます。しかし、その後10年間で急速に減少し、1971年には27万頭まで減少しました。これは、農業の機械化が進むとともに、馬が従来担っていた役割を自動車や農業機械が代替するようになったことが背景に考えられます。

1970年代中盤から1980年代にかけては、減少傾向が緩やかになりました。この期間においては、競馬や観光業、そしてスポーツ用としての馬の需要が一部で支えになったものと推測されます。しかし、1980年代半ばから再び減少が顕著となり、2005年には20万頭近くまで急落していることが確認されます。この劇的な変化については、経済的な要因や飼養コストの増加、都市化の進行が影響した可能性があります。特に都市部への人口流入と農村部の減少が馬の飼育環境を減らしたことが関連していると考えられます。

ところが、2000年代後半から2010年代初頭にかけて、大きな回復が見られました。2010年には37万頭を超え、2012年には39万頭近くに到達しています。この回復は、おそらく観光業の発展や乗馬競技の人気上昇、さらには農業分野における持続可能性への意識の高まりといった要因が考えられます。観光業では、農村部での乗馬体験や文化的な体験が注目を集めました。また、イタリアにおける伝統的な馬文化の復興が進む中で、地方自治体や企業による助成や補助も一部で影響を与えたと考えられます。

地政学的背景や欧州経済の浮き沈みも、イタリアの馬飼養数に間接的な影響を及ぼしているでしょう。特に、2008年の金融危機の影響が飼育費用や維持コストの負担を増大させた可能性もあります。さらに、気候変動により農業生産性が変化する中、牧草地の利用や飼料価格の変動も注意して見るべき傾向です。

未来に向けては、いくつかの課題と対策が挙げられます。まず、馬文化の持続的発展を進めるためには、農村部の活性化が鍵となります。乗馬観光や馬関連のスポーツ産業を発展させることで、馬飼育への需要を高めると同時に、地域経済の活性化にも寄与できるでしょう。また、若い世代への教育を通じて、馬に関する文化や伝統を継承することも重要です。

加えて、国際協力の枠組みを利用し、気候変動や資源管理問題に対応した形で、餌となる牧草地の管理をすることが必要です。これは、持続可能な農業政策を採用することにより可能となります。その結果、負担の少ない馬飼育が可能となり、頭数の安定化へと寄与するでしょう。

結論として、イタリアの馬飼養数は20世紀を通じて減少していましたが、近年では安定しつつあります。この安定を促進し、さらに馬飼育文化を未来につなげるためには、観光やスポーツ、教育を通じた文化的な側面の発展と、持続可能な資源管理政策の適用が肝要です。馬文化の保護と発展が、イタリアの地域経済や持続的な農村環境にどのように貢献するかを、多面的に考慮した取り組みが期待されます。

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