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ギリシャの馬飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新したデータによると、ギリシャの馬飼養数は1960年代に約32万頭を記録していましたが、以降一貫して減少傾向にあり、2018年には5,902頭まで減少しました。この期間で約98%の著しい減少が見られます。特に2000年代後半から2018年の間に急激な減少が進み、近年では過去の水準を大きく下回る数値となっています。

年度 飼養数(頭) 増減率
2018年 5,902
-31.43% ↓
2017年 8,607
-40.1% ↓
2016年 14,370
-3.47% ↓
2015年 14,887
-38.06% ↓
2014年 24,036
-23.47% ↓
2013年 31,406
-1.2% ↓
2012年 31,786
2.31% ↑
2011年 31,067
4.25% ↑
2010年 29,801
2.45% ↑
2009年 29,088
2.24% ↑
2008年 28,451
2.32% ↑
2007年 27,806
2.92% ↑
2006年 27,016
-0.49% ↓
2005年 27,150
0.44% ↑
2004年 27,031
-2.04% ↓
2003年 27,594
-4.26% ↓
2002年 28,822
-1.32% ↓
2001年 29,208
-1.36% ↓
2000年 29,612
-3.14% ↓
1999年 30,573
-4.14% ↓
1998年 31,895
-3.25% ↓
1997年 32,967
-4.47% ↓
1996年 34,509
-4.48% ↓
1995年 36,126
-4.93% ↓
1994年 37,999
-4.72% ↓
1993年 39,880
-5.27% ↓
1992年 42,098
-7% ↓
1991年 45,266
-8.22% ↓
1990年 49,318
-6.75% ↓
1989年 52,888
-7.17% ↓
1988年 56,970
-22.86% ↓
1987年 73,857
9.84% ↑
1986年 67,241
-8.96% ↓
1985年 73,857
-7.68% ↓
1984年 79,999
-7.46% ↓
1983年 86,448
-9.02% ↓
1982年 95,022
-9.72% ↓
1981年 105,254
-9.04% ↓
1980年 115,711
-7.76% ↓
1979年 125,451
-9.04% ↓
1978年 137,915
-7.4% ↓
1977年 148,941
-5.92% ↓
1976年 158,315
-4.66% ↓
1975年 166,058
-7.75% ↓
1974年 180,000
-7.03% ↓
1973年 193,611
-10.38% ↓
1972年 216,042
-6.93% ↓
1971年 232,133
-8.92% ↓
1970年 254,871
-4.37% ↓
1969年 266,525
0.58% ↑
1968年 264,996
-5.18% ↓
1967年 279,472
-4.86% ↓
1966年 293,746
-4% ↓
1965年 306,000
-3.77% ↓
1964年 318,000
-3.34% ↓
1963年 329,000
-2.37% ↓
1962年 337,000
3.02% ↑
1961年 327,113 -
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ギリシャにおける馬飼養数の推移データを見ると、農業依存度が高かった1960年代には約32万頭の飼養が確認されていました。この時期、馬は農耕や輸送手段として非常に重要な役割を果たしており、国内農村部の経済活動の中心を支えていました。しかし、技術革新や経済のグローバル化、高性能な農機具の普及が進むにつれて、特に1970年代以降、馬の使用需要が急速に減少し、それに伴い飼養数が減少していきました。

また、1980年代以降に進む都市化や労働力構造の変化により、農村人口が減少し、馬を飼養できる環境自体が縮小しました。これが飼養数減少の要因の一つとなっています。さらに、2008年以降には世界的な経済危機がギリシャにも深刻な影響を及ぼし、それにより持続的な馬の飼養が困難な家庭が増加したと考えられます。このように、馬飼養数の減少は農業、経済構造、社会変化など複合的な要因が関わっています。

2014年以降、特に顕著な減少が見られる点は注目すべきです。2014年から2018年のわずか4年間で飼養数は約24,000頭から5,902頭まで減少しています。この急激な変化は、ギリシャの経済危機がさらに深刻化する中で、馬の飼養が一般的に生活に不必要な要素として見られるようになった背景が考えられます。費用を伴う飼料の確保や健康管理の負担の重さ、さらに伝統的な農業の衰退が相まってこのような状況を招いている可能性があります。

一方で、馬は観光産業や競技スポーツ、そして文化資産としての価値を有しています。ギリシャの観光業の中で一部地域では観光客向けの乗馬体験や馬車運行など、馬と人々を結びつける新たな用途が広がっています。このような分野では一部逆風を感じない成長も記録されています。しかし、都市部や観光地に特化した需要では、持続的な全国規模での馬飼養の調整には十分とは言えません。

今後の課題として、ギリシャにおける馬の伝統的・文化的価値をどのように維持しつつ、経済的に持続可能な形で利用できるかが重要です。政策面では、観光やスポーツにおける馬の利用を積極的に支援しながら、農村地域での馬の飼養環境改善に目を向ける必要があります。具体的には、飼料の補助金や馬関連の産業活性化の支援、さらに都市と地方農村部の協力体制を築くための施策が考えられます。

また、地政学的背景を考慮すると、ギリシャのような地中海地域では資源管理が重要な課題となっています。農地利用や飼料生産の分野で他国との協力や知識の共有が進められることで、飼養コストや維持可能性の課題が緩和される可能性もあります。このような広域的な取り組みを通じて、ギリシャの馬飼養文化が消滅することなく、現代社会の中で新たな価値と役割を見いだすことが期待されています。

結論として、このデータは、馬飼養数の減少が単なる経済的な問題だけでなく、社会構造や伝統、そして観光や文化といった多岐にわたる側面が関与していることを示しています。このため、国内外の多角的な協力体制や政策、さらには地元住民の意識改革が必要であり、それによってギリシャの馬文化が未来へと継承される可能性が高まるでしょう。

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