世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2010年の世界の馬飼養数ランキングでは、アメリカ合衆国が1,000万頭で首位、次いでメキシコが6,355,000頭、ブラジルが5,514,253頭で続いています。日本は17,000頭で105位に位置し、アジアの他の多くの国に比べると飼養数は少ない状況です。一方で、ランキング上位の国々では農業や運輸、競技など、多様な目的で飼養されている馬が多いことが特徴となっています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,000,000
2	メキシコ	南アメリカ	6,355,000
3	ブラジル	南アメリカ	5,514,253
4	中国	アジア	5,299,500
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,600,000
6	コロンビア	南アメリカ	2,126,109
7	エチオピア	アフリカ	2,028,233
8	モンゴル	アジア	1,920,343
9	カザフスタン	アジア	1,438,700
10	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,374,991
11	ルーマニア	ヨーロッパ	763,988
12	ペルー	南アメリカ	735,000
13	インド	アジア	619,000
14	キューバ	南アメリカ	613,600
15	セネガル	アフリカ	523,005
16	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	515,000
17	ハイチ	南アメリカ	500,000
18	マリ	アフリカ	478,187
19	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	478,000
20	ドイツ	ヨーロッパ	462,000
21	ウクライナ	ヨーロッパ	443,400
22	フランス	ヨーロッパ	422,902
23	シエラレオネ	アフリカ	422,000
24	チャド	アフリカ	420,000
25	インドネシア	アジア	418,618
26	カナダ	北アメリカ	400,000
27	ウルグアイ	南アメリカ	399,000
28	イギリス	ヨーロッパ	390,000
29	キルギスタン	アジア	378,448
30	イタリア	ヨーロッパ	373,324
31	エクアドル	南アメリカ	367,248
32	パキスタン	アジア	352,000
33	ドミニカ共和国	南アメリカ	350,000
34	チリ	南アメリカ	307,560
35	南アフリカ	アフリカ	300,000
36	パラグアイ	南アメリカ	281,621
37	ニカラグア	南アメリカ	268,000
38	オーストラリア	オセアニア	258,000
39	ポーランド	ヨーロッパ	256,693
40	スペイン	ヨーロッパ	250,000
41	フィリピン	アジア	240,000
42	ニジェール	アフリカ	233,816
43	アフガニスタン	アジア	197,000
44	ホンジュラス	南アメリカ	181,100
45	ウズベキスタン	アジア	180,600
46	トルコ	アジア	166,753
47	モロッコ	アフリカ	155,000
48	オランダ	ヨーロッパ	142,531
49	イラン（イスラム共和国）	アジア	140,000
50	グアテマラ	南アメリカ	127,000
51	ベラルーシ	ヨーロッパ	125,600
52	コスタリカ	南アメリカ	124,000
53	パナマ	南アメリカ	120,000
54	ミャンマー	アジア	115,000
55	アイルランド	ヨーロッパ	106,000
56	ナイジェリア	アフリカ	101,509
57	ポルトガル	ヨーロッパ	97,000
58	スウェーデン	ヨーロッパ	96,000
59	エルサルバドル	南アメリカ	96,000
60	ベトナム	アジア	93,125
61	オーストリア	ヨーロッパ	83,000
62	アイスランド	ヨーロッパ	77,164
63	アゼルバイジャン	アジア	76,455
64	タジキスタン	アジア	75,796
65	フィンランド	ヨーロッパ	74,300
66	レソト	アフリカ	69,843
67	ブルガリア	ヨーロッパ	69,374
68	エジプト	アフリカ	65,965
69	モーリタニア	アフリカ	65,000
70	ニュージーランド	オセアニア	64,105
71	スイス	ヨーロッパ	62,113
72	ハンガリー	ヨーロッパ	61,000
73	デンマーク	ヨーロッパ	59,735
74	東ティモール	アジア	57,819
75	チュニジア	アフリカ	57,100
76	モルドバ共和国	ヨーロッパ	54,413
77	リトアニア	ヨーロッパ	49,000
78	イラク	アジア	48,000
79	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,000
80	ナミビア	アフリカ	46,500
81	フィジー	オセアニア	46,000
82	リビア	アフリカ	45,000
83	アルジェリア	アフリカ	43,650
84	ボツワナ	アフリカ	41,169
85	グルジア	アジア	40,000
86	ブルキナファソ	アフリカ	38,531
87	ガンビア	アフリカ	38,000
88	ベルギー	ヨーロッパ	37,000
89	ノルウェー	ヨーロッパ	36,712
90	アルバニア	ヨーロッパ	35,000
91	ラオス人民民主共和国	アジア	31,000
92	大韓民国	アジア	30,402
93	チェコ	ヨーロッパ	29,887
94	ギリシャ	ヨーロッパ	29,801
95	カンボジア	アジア	28,000
96	ジンバブエ	アフリカ	28,000
97	北マケドニア	ヨーロッパ	26,658
98	トルクメニスタン	アジア	24,600
99	サウジアラビア	アジア	22,214
100	スロベニア	ヨーロッパ	20,000
101	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	19,261
102	クロアチア	ヨーロッパ	19,000
103	ブータン	アジア	17,996
104	カメルーン	アフリカ	17,300
105	日本	アジア	17,000
106	シリア・アラブ共和国	アジア	14,165
107	セルビア	ヨーロッパ	13,721
108	ラトビア	ヨーロッパ	12,600
109	ニューカレドニア	オセアニア	12,000
110	トンガ	オセアニア	11,500
111	アルメニア	アジア	10,777
112	プエルトリコ	南アメリカ	9,408
113	スロバキア	ヨーロッパ	7,199
114	カタール	アジア	6,000
115	バヌアツ	オセアニア	6,000
116	ベリーズ	南アメリカ	5,600
117	タイ	アジア	5,525
118	エストニア	ヨーロッパ	5,400
119	モンテネグロ	ヨーロッパ	4,828
120	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,601
121	イスラエル	アジア	4,000
122	ジャマイカ	南アメリカ	4,000
123	マレーシア	アジア	3,706
124	レバノン	アジア	3,580
125	ギニア	アフリカ	3,250
126	ガーナ	アフリカ	2,653
127	ヨルダン	アジア	2,400
128	ガイアナ	南アメリカ	2,400
129	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
130	ギニアビサウ	アフリカ	2,200
131	パプアニューギニア	オセアニア	2,000
132	ケニア	アフリカ	1,900
133	サモア	オセアニア	1,900
134	イエメン	アジア	1,760
135	トーゴ	アフリカ	1,655
136	エスワティニ	アフリカ	1,600
137	スリランカ	アジア	1,500
138	中国、香港特別行政区	アジア	1,500
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,400
140	バルバドス	南アメリカ	1,250
141	クウェート	アジア	1,150
142	ベナン	アフリカ	1,100
143	セントルシア	南アメリカ	1,100
144	マルタ	ヨーロッパ	1,050
145	アンゴラ	アフリカ	1,000
146	中国、台湾 中国省	アジア	850
147	ソマリア	アフリカ	850
148	カーボベルデ	アフリカ	525
149	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	500
150	マダガスカル	アフリカ	485
151	アラブ首長国連邦	アジア	420
152	クック諸島	オセアニア	305
153	サントメ・プリンシペ	アフリカ	280
154	スリナム	南アメリカ	162
155	モーリシャス	アフリカ	150
156	ソロモン諸島	オセアニア	150
157	コンゴ	アフリカ	70
158	マラウイ	アフリカ	61
159	グレナダ	南アメリカ	30
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2010年度の馬飼養数データによると、首位のアメリカ合衆国は1,000万頭もの馬を飼養しており、世界的にも圧倒的な規模を誇っています。アメリカでは競馬をはじめとするエンターテインメント産業や、広大な牧草地を利用した乗用馬や作業用馬の飼育が盛んです。また、メキシコやブラジルといった上位国には、ラテンアメリカの豊かな自然や文化に根付いた馬の活用が見られます。これらの地域では農業や運送、娯楽用途を含む多用途な使用法が馬飼養を支えています。

アジアの視点で見ると、中国が5,299,500頭で4位にランクインしている点が特に注目されます。中国では、遊牧文化の名残や内陸部での労働力としての利用が現在も続いています。モンゴル（1,920,343頭）やカザフスタン（1,438,700頭）のような中央アジアの国々は、馬とともに暮らす遊牧民文化がいまだに強く影響している地域です。一方、日本は17,000頭で105位に留まっています。日本では馬の主要な役割が乗馬や競馬といった娯楽目的に限られるため、他国と比べて飼養数が少ないことが特徴です。

地域特有の課題を見ると、例えば南米諸国では広大な牧草地を生かして多くの馬を飼養していますが、土地利用をめぐる森林破壊とのバランスが課題となっています。同様に、アフリカではエチオピア（2,028,233頭）が農業や輸送手段として馬を広く使っていますが、乾燥した気候条件下で馬の健康を保つことが難しい状況があります。このように馬飼養に伴う自然環境への影響や家畜ケアの問題は、各地域が取り組まなければならない点として挙げられます。

日本を含む多くの国々で馬の飼養数がさほど多くない背景には、都市化の進行や農業技術の機械化、土地不足が挙げられます。特に日本の場合、農村部での人口減少や高齢化の影響も無視できません。一方で、日本競馬が継続して重要な娯楽産業となっていることを考えると、馬飼養のさらなる持続可能性の確保や産業としての競馬の底上げを図る努力が重要です。他国との交流を深め、競馬分野や馬文化を軸とした国際的な協力もひとつの方法と言えるでしょう。

将来的には、気候変動が遊牧文化の影響を受けやすい地域や、乾燥地帯での馬の飼養をさらに困難にする可能性があります。この問題に対しては、地域固有の馬種を保護するとともに、飼料供給や獣医療の充実を国際的な枠組みで支援していくことが求められます。また、地域間での馬文化に関する知識や技術の共有を進めることで、馬の飼養を経済的にも環境的にも持続可能なものにすることが可能です。

データから導き出される結論として、地域ごとの文化や経済、気候条件に応じた馬飼養へのアプローチが必要不可欠であることが浮き彫りになりました。日本も含めた国際社会は持続可能な馬産業を目指し、政策や技術の分野で連携を深めていくべきです。