世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2009年度の馬飼養数ランキングによると、世界で最も多くの馬を飼養している国はアメリカ合衆国で約980万頭に達しました。2位はメキシコ（約635万頭）、3位は中国（約562万頭）で続きます。一方で、日本の馬飼養数は1万8000頭で世界103位に位置しており、馬飼養における各国での目的や規模の違いが浮き彫りになっています。東アジアでは日本のほか、中国がトップ10にランクインしており、モンゴルも7位を占めています。これらのデータは、馬が各国で社会・経済・文化的にどのように役立っているかを示しています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	9,800,000
2	メキシコ	南アメリカ	6,350,000
3	中国	アジア	5,622,800
4	ブラジル	南アメリカ	5,496,817
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,680,000
6	コロンビア	南アメリカ	2,505,579
7	モンゴル	アジア	2,221,300
8	エチオピア	アフリカ	1,995,306
9	カザフスタン	アジア	1,370,500
10	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,353,177
11	ルーマニア	ヨーロッパ	820,000
12	ペルー	南アメリカ	732,000
13	インド	アジア	617,000
14	キューバ	南アメリカ	573,800
15	ドイツ	ヨーロッパ	545,000
16	セネガル	アフリカ	517,850
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	510,000
18	ハイチ	南アメリカ	500,000
19	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	475,000
20	ウクライナ	ヨーロッパ	465,800
21	フランス	ヨーロッパ	422,665
22	シエラレオネ	アフリカ	420,000
23	チャド	アフリカ	409,814
24	インドネシア	アジア	398,758
25	マリ	アフリカ	393,834
26	ウルグアイ	南アメリカ	393,000
27	カナダ	北アメリカ	390,000
28	イギリス	ヨーロッパ	387,000
29	キルギスタン	アジア	372,951
30	エクアドル	南アメリカ	360,279
31	パキスタン	アジア	350,000
32	ドミニカ共和国	南アメリカ	350,000
33	チリ	南アメリカ	308,300
34	イタリア	ヨーロッパ	300,000
35	南アフリカ	アフリカ	300,000
36	ポーランド	ヨーロッパ	297,940
37	パラグアイ	南アメリカ	283,119
38	ニカラグア	南アメリカ	268,000
39	オーストラリア	オセアニア	256,413
40	スペイン	ヨーロッパ	250,000
41	フィリピン	アジア	240,000
42	ニジェール	アフリカ	239,522
43	ホンジュラス	南アメリカ	181,100
44	トルコ	アジア	179,855
45	アフガニスタン	アジア	177,000
46	ウズベキスタン	アジア	175,800
47	ブルガリア	ヨーロッパ	175,091
48	モロッコ	アフリカ	147,000
49	オランダ	ヨーロッパ	144,924
50	イラン（イスラム共和国）	アジア	140,000
51	ベラルーシ	ヨーロッパ	137,000
52	グアテマラ	南アメリカ	126,000
53	パナマ	南アメリカ	125,000
54	コスタリカ	南アメリカ	123,000
55	ミャンマー	アジア	120,000
56	ナイジェリア	アフリカ	102,492
57	ベトナム	アジア	102,219
58	アイルランド	ヨーロッパ	98,100
59	ポルトガル	ヨーロッパ	97,000
60	エルサルバドル	南アメリカ	95,900
61	スウェーデン	ヨーロッパ	95,000
62	オーストリア	ヨーロッパ	85,000
63	タジキスタン	アジア	78,828
64	アイスランド	ヨーロッパ	77,158
65	レソト	アフリカ	74,172
66	アゼルバイジャン	アジア	73,494
67	フィンランド	ヨーロッパ	72,300
68	エジプト	アフリカ	66,215
69	東ティモール	アジア	66,124
70	ニュージーランド	オセアニア	65,149
71	モーリタニア	アフリカ	65,000
72	スイス	ヨーロッパ	60,156
73	ハンガリー	ヨーロッパ	58,000
74	デンマーク	ヨーロッパ	57,981
75	チュニジア	アフリカ	57,000
76	モルドバ共和国	ヨーロッパ	55,487
77	リトアニア	ヨーロッパ	54,400
78	イラク	アジア	48,000
79	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,000
80	フィジー	オセアニア	46,000
81	ナミビア	アフリカ	46,000
82	リビア	アフリカ	45,000
83	アルジェリア	アフリカ	44,803
84	ボツワナ	アフリカ	42,208
85	グルジア	アジア	40,000
86	ブルキナファソ	アフリカ	38,168
87	アルバニア	ヨーロッパ	38,000
88	ガンビア	アフリカ	37,000
89	ベルギー	ヨーロッパ	36,535
90	ノルウェー	ヨーロッパ	35,625
91	ラオス人民民主共和国	アジア	31,000
92	北マケドニア	ヨーロッパ	29,418
93	ギリシャ	ヨーロッパ	29,088
94	大韓民国	アジア	28,718
95	チェコ	ヨーロッパ	28,030
96	カンボジア	アジア	28,000
97	ジンバブエ	アフリカ	28,000
98	トルクメニスタン	アジア	24,700
99	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	21,185
100	サウジアラビア	アジア	20,814
101	スロベニア	ヨーロッパ	20,000
102	ブータン	アジア	18,237
103	日本	アジア	18,000
104	カメルーン	アフリカ	17,000
105	クロアチア	ヨーロッパ	17,000
106	シリア・アラブ共和国	アジア	14,699
107	セルビア	ヨーロッパ	14,499
108	ラトビア	ヨーロッパ	13,100
109	ニューカレドニア	オセアニア	12,000
110	トンガ	オセアニア	11,500
111	アルメニア	アジア	11,290
112	プエルトリコ	南アメリカ	9,256
113	スロバキア	ヨーロッパ	8,421
114	カタール	アジア	6,103
115	バヌアツ	オセアニア	5,800
116	ベリーズ	南アメリカ	5,500
117	タイ	アジア	5,443
118	エストニア	ヨーロッパ	5,300
119	モンテネグロ	ヨーロッパ	4,951
120	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,562
121	マレーシア	アジア	4,108
122	イスラエル	アジア	4,000
123	ジャマイカ	南アメリカ	4,000
124	レバノン	アジア	3,580
125	ギニア	アフリカ	3,200
126	ガーナ	アフリカ	2,625
127	ヨルダン	アジア	2,500
128	ガイアナ	南アメリカ	2,400
129	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
130	ギニアビサウ	アフリカ	2,150
131	パプアニューギニア	オセアニア	2,000
132	サモア	オセアニア	1,900
133	ケニア	アフリカ	1,850
134	トーゴ	アフリカ	1,650
135	イエメン	アジア	1,580
136	エスワティニ	アフリカ	1,550
137	スリランカ	アジア	1,500
138	中国、香港特別行政区	アジア	1,500
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,400
140	バルバドス	南アメリカ	1,250
141	クウェート	アジア	1,200
142	ベナン	アフリカ	1,100
143	セントルシア	南アメリカ	1,100
144	マルタ	ヨーロッパ	1,050
145	アンゴラ	アフリカ	1,000
146	中国、台湾 中国省	アジア	860
147	ソマリア	アフリカ	850
148	カーボベルデ	アフリカ	520
149	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	500
150	マダガスカル	アフリカ	485
151	アラブ首長国連邦	アジア	415
152	クック諸島	オセアニア	305
153	サントメ・プリンシペ	アフリカ	270
154	スリナム	南アメリカ	187
155	モーリシャス	アフリカ	150
156	ソロモン諸島	オセアニア	150
157	コンゴ	アフリカ	70
158	グレナダ	南アメリカ	30
159	マラウイ	アフリカ	30
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2009年度の馬飼養数ランキングデータによると、アメリカ合衆国が世界で突出して多くの馬を保有しており、その飼養数は980万頭に達しています。この圧倒的な数値は、アメリカにおける競馬、牧場運営、レクリエーションといった産業の規模の大きさを反映していると考えられます。また、メキシコやブラジルなどの中南米諸国が上位を占めていますが、これらの国では農業や牧畜における馬の労働力としての利用、さらには文化的要素としての役割が重要視されています。

アジア地域では、中国が560万頭以上で3位にランクインしており、とりわけ農村部での農業支援や地域輸送に利用されることが多いとみられます。同じアジア圏ですが、モンゴルが7位にランクインしているのも注目です。モンゴルでは馬は遊牧民の生活を支える根幹的な存在として長きにわたって重要な役割を果たしてきました。他方で日本における馬飼養数は1万8000頭のみであり、順位としては世界103位に位置しています。この背景には、日本の都市化が進む中で馬が農耕や輸送の主要手段でなくなり、主に競馬やペットとして飼育される用途に限られているためと考えられます。

アフリカ大陸ではエチオピアがトップ10に食い込んでおり、約199万5000頭を飼養しています。この地域では馬が広く輸送や農作業に利用されるほか、貧困層の生活の一助としての意味合いも強まっています。一方で、ヨーロッパではルーマニアが1位（11位）、ドイツやフランスなどがそれに続くものの、全体として頭数は少なめであり、馬文化が主にレクリエーションやスポーツ目的にシフトしていることが影響しているといえます。

このデータからも、馬の飼養数が地域の文化、経済、地理的条件によって大きく影響を受けていることがわかります。さらに、地政学的背景も馬の利用に関わりがあります。紛争地域や自然災害に見舞われた場所では、現代的な交通手段が使えないケースがあるため、馬が依然として重要な輸送手段となっている場合があります。例えば、カザフスタンやモンゴルのような広大な草原地帯では、自動車よりも馬が効率的な移動手段となることが多いのです。

また、馬の飼養数の推移と地域課題を深掘りすると、気候変動や土地利用の競合、輸送用自動車普及といった現代の課題も浮かび上がります。例えば、乾燥化が進むエチオピアやカザフスタンなどでは、牧草地の減少により馬の飼養が難しくなる可能性が考えられます。これは、単に馬の頭数への影響にとどまらず、遊牧や伝統的生活に依存している地域社会全体へも影響を及ぼします。

将来的には、こうした地域に対して国際機関や先進国が技術支援や経済支援を行い、例えば持続可能な牧草管理技術や、気候変動の影響を緩和するインフラ整備を提供することが必要です。特に人口が急増している開発途上国では、馬の利用が多様な役割を果たしており、特に貧困層への支援策と結びつけた政策の展開が重要です。

結論として、このランキングは世界各国の文化的・経済的背景の違いを如実に示しています。馬の飼養は単なる産業活動以上に、その国や地域の歴史、文化、そして現在の社会構造を反映する重要な指標となっています。今後、馬の飼養が持続可能な形で行われるためには、各国政府や国際社会が共同で課題に対応し、農村発展や生態系保全を両立できる仕組みを構築していくことが求められます。