世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（FAO）が発表した最新データによると、1992年の世界の馬飼養数ランキングでは、中国が1,009万4,000頭でトップとなり、続いてブラジルが632万9,213頭、3位はメキシコが618万頭でした。日本は2万5,800頭で92位にランクインしており、上位諸国と比較して小規模の馬飼養国であることが分かります。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	中国	アジア	10,094,000
2	ブラジル	南アメリカ	6,329,213
3	メキシコ	南アメリカ	6,180,000
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	5,121,000
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,300,000
6	ロシア連邦	ヨーロッパ	2,590,000
7	モンゴル	アジア	2,259,300
8	コロンビア	南アメリカ	2,100,000
9	カザフスタン	アジア	1,666,400
10	ポーランド	ヨーロッパ	899,521
11	インド	アジア	817,000
12	ルーマニア	ヨーロッパ	749,000
13	ウクライナ	ヨーロッパ	717,100
14	インドネシア	アジア	678,000
15	ペルー	南アメリカ	665,000
16	キューバ	南アメリカ	606,800
17	エクアドル	南アメリカ	512,000
18	トルコ	アジア	496,000
19	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	495,000
20	ドイツ	ヨーロッパ	491,600
21	ウルグアイ	南アメリカ	475,000
22	ハイチ	南アメリカ	450,000
23	セネガル	アフリカ	430,500
24	パキスタン	アジア	358,000
25	カナダ	北アメリカ	350,000
26	フランス	ヨーロッパ	339,171
27	チリ	南アメリカ	331,010
28	パラグアイ	南アメリカ	327,300
29	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	322,000
30	キルギスタン	アジア	320,500
31	ドミニカ共和国	南アメリカ	320,000
32	イタリア	ヨーロッパ	316,425
33	アフガニスタン	アジア	300,000
34	オーストラリア	オセアニア	289,346
35	シエラレオネ	アフリカ	270,000
36	ニカラグア	南アメリカ	250,000
37	スペイン	ヨーロッパ	248,000
38	南アフリカ	アフリカ	230,000
39	ベラルーシ	ヨーロッパ	211,800
40	フィリピン	アジア	210,000
41	チャド	アフリカ	205,525
42	ナイジェリア	アフリカ	205,000
43	ニジェール	アフリカ	201,984
44	イラン（イスラム共和国）	アジア	200,000
45	モロッコ	アフリカ	185,622
46	イギリス	ヨーロッパ	172,000
47	ホンジュラス	南アメリカ	171,500
48	パナマ	南アメリカ	155,000
49	ベトナム	アジア	133,100
50	ミャンマー	アジア	115,824
51	ブルガリア	ヨーロッパ	114,267
52	コスタリカ	南アメリカ	114,200
53	グアテマラ	南アメリカ	114,000
54	ウズベキスタン	アジア	112,500
55	エルサルバドル	南アメリカ	95,000
56	レソト	アフリカ	88,589
57	ニュージーランド	オセアニア	87,951
58	オランダ	ヨーロッパ	86,000
59	マリ	アフリカ	83,486
60	リトアニア	ヨーロッパ	82,600
61	スウェーデン	ヨーロッパ	77,600
62	アルジェリア	アフリカ	76,940
63	アイスランド	ヨーロッパ	75,171
64	ハンガリー	ヨーロッパ	74,654
65	アイルランド	ヨーロッパ	65,100
66	北マケドニア	ヨーロッパ	64,576
67	オーストリア	ヨーロッパ	57,803
68	チュニジア	アフリカ	56,000
69	ナミビア	アフリカ	54,540
70	タジキスタン	アジア	52,600
71	イラク	アジア	52,000
72	スイス	ヨーロッパ	51,700
73	フィンランド	ヨーロッパ	49,100
74	モルドバ共和国	ヨーロッパ	48,438
75	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	46,000
76	アルバニア	ヨーロッパ	44,100
77	フィジー	オセアニア	43,000
78	ギリシャ	ヨーロッパ	42,098
79	ポルトガル	ヨーロッパ	42,000
80	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	40,000
81	エジプト	アフリカ	37,000
82	シリア・アラブ共和国	アジア	36,747
83	アゼルバイジャン	アジア	34,600
84	ボツワナ	アフリカ	32,000
85	ラトビア	ヨーロッパ	30,000
86	ラオス人民民主共和国	アジア	28,579
87	リビア	アフリカ	28,000
88	デンマーク	ヨーロッパ	28,000
89	ブータン	アジア	28,000
90	東ティモール	アジア	26,523
91	クロアチア	ヨーロッパ	26,000
92	日本	アジア	25,800
93	トルクメニスタン	アジア	25,000
94	ブルキナファソ	アフリカ	24,458
95	ジンバブエ	アフリカ	24,000
96	プエルトリコ	南アメリカ	23,000
97	ノルウェー	ヨーロッパ	20,600
98	カンボジア	アジア	19,000
99	タイ	アジア	18,852
100	モーリタニア	アフリカ	18,100
101	グルジア	アジア	16,800
102	ガンビア	アフリカ	15,684
103	カメルーン	アフリカ	15,000
104	トンガ	オセアニア	11,600
105	ニューカレドニア	オセアニア	11,500
106	スロベニア	ヨーロッパ	10,790
107	レバノン	アジア	9,000
108	エストニア	ヨーロッパ	7,756
109	アルメニア	アジア	6,548
110	大韓民国	アジア	5,474
111	ベリーズ	南アメリカ	5,000
112	イスラエル	アジア	4,000
113	ジャマイカ	南アメリカ	4,000
114	ヨルダン	アジア	4,000
115	イエメン	アジア	3,000
116	サウジアラビア	アジア	3,000
117	バヌアツ	オセアニア	3,000
118	サモア	オセアニア	2,800
119	マレーシア	アジア	2,695
120	ガイアナ	南アメリカ	2,400
121	ギニア	アフリカ	2,200
122	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
123	マルティニーク	南アメリカ	2,120
124	ケニア	アフリカ	2,000
125	ギニアビサウ	アフリカ	1,850
126	ガーナ	アフリカ	1,648
127	トーゴ	アフリカ	1,600
128	スリランカ	アジア	1,500
129	パプアニューギニア	オセアニア	1,500
130	エスワティニ	アフリカ	1,359
131	中国、香港特別行政区	アジア	1,271
132	カタール	アジア	1,150
133	ベナン	アフリカ	1,100
134	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,000
135	マルタ	ヨーロッパ	1,000
136	バルバドス	南アメリカ	1,000
137	グアドループ	南アメリカ	1,000
138	セントルシア	南アメリカ	1,000
139	アンゴラ	アフリカ	900
140	中国、台湾 中国省	アジア	750
141	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	520
142	ソマリア	アフリカ	500
143	マダガスカル	アフリカ	375
144	カーボベルデ	アフリカ	370
145	レユニオン	アフリカ	350
146	スリナム	南アメリカ	330
147	アラブ首長国連邦	アジア	300
148	クック諸島	オセアニア	250
149	フランス領ギアナ	南アメリカ	250
150	サントメ・プリンシペ	アフリカ	230
151	クウェート	アジア	200
152	モーリシャス	アフリカ	150
153	ソロモン諸島	オセアニア	100
154	コンゴ	アフリカ	70
155	マラウイ	アフリカ	45
156	グレナダ	南アメリカ	27
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1992年のデータによると、世界で最も多く馬を飼養している国として中国が際立った存在となっています。中国は馬飼養数で1千万頭を超える唯一の国で、これは農村地域での労働力や輸送手段としての馬の重要性が反映されています。同時に、広大な土地面積と伝統的な牧畜文化が寄与していると考えられます。次いでブラジルおよびメキシコが多く、ラテンアメリカ諸国における馬の需要が高いことが伺えます。これらの国々では、馬は農作業や輸送、さらには観光や競技イベントでも重要な資源として利用されています。

一方で、アメリカ合衆国やアルゼンチンといった農業と畜産が盛んな国々も上位に位置していますが、これらの国では競馬やレクリエーションにおける利用も飼養数の一因となっている点が特徴的です。モンゴルやカザフスタンは、遊牧民の生活と密接に関わっている馬文化が飼養数に反映されており、地理的および経済的背景が明確にデータに影響しています。

一方、日本は92位という下位の位置にあります。日本では産業の高度化と都市化が進み、農業の担い手も減少しているため、実用的な労働力としての馬の重要性は低くなってきました。また、馬の飼養は主に競馬やペット的な目的に絞られており、飼養数の縮小につながっていると考えられます。同様に、大韓民国も日本同様、飼養数の平均的な数値（5,474頭）を下回っています。これらの国々では、限られた土地資源の利用が効率的かつ集約的になる中で、馬の必要性が次第に変化していったことが背景にあると見られます。

地域課題としては、モンゴルやカザフスタンのような広大な土地を有する国々では、気候変動が飼養環境に直接的な影響を与える可能性があります。例えば、異常気象による牧草の減少や水資源の枯渇が予想され、持続可能な飼養モデルの導入が急務となっています。また、ヨーロッパや北米の高所得国では、馬の飼養コストが高騰しており、特に小規模農家が馬を維持することが困難になる状況が指摘されています。そのため、政策としては補助金制度や共同飼養プログラムの導入が求められます。

また、地政学的な側面にも注目すべきです。モンゴルやロシア、カザフスタンといった畜産が盛んな地域では、不安定な国際情勢や交易の制限が馬の輸出入に影響を与え、国内経済にも波及する可能性が考えられます。特に対外貿易に依存する国々は、国際的な紛争や制裁可能性への対策を講じる必要があります。

今後の具体的な施策としては、第一に気候変動や自然災害への対応として、牧草地の管理を効率化するための技術導入が挙げられます。さらに、国際協力の枠組みを構築し、畜産業の知識や技術を共有する新たなプラットフォームを整備することが重要です。日本のように飼養数が限られている国々では、競馬や観光資源といった視点から新たな価値を見出し、国際的な市場を開拓することが持続可能な発展につながるでしょう。

結論として、各国の馬飼養数には経済的背景、地理的条件、文化的要因が明らかに影響しています。そして、未来の課題に対応するためには、地域ごとの課題を的確に把握し、持続可能性と効率性を重視した政策を制定する必要があります。加えて、国際協力や技術共有の促進によって、地球規模での馬飼養の安定を目指す取り組みが求められる時代が到来しているといえるでしょう。