世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2021年の馬飼養数ランキングによると、アメリカ合衆国が10,305,364頭でトップとなり、メキシコ（6,402,628頭）、ブラジル（5,780,423頭）がそれに続きます。日本は88位で14,345頭となっています。上位国は畜産産業や農業に依存する経済構造を持つ地域が多く、発展途上国でも馬が広く利用されていることがうかがえます。一方で、日本や韓国など先進国では馬の利用が限定されており、順位は低めです。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,305,364
2	メキシコ	南アメリカ	6,402,628
3	ブラジル	南アメリカ	5,780,423
4	モンゴル	アジア	4,324,444
5	中国	アジア	3,724,900
6	カザフスタン	アジア	3,489,777
7	アルゼンチン	南アメリカ	2,500,499
8	エチオピア	アフリカ	2,138,928
9	コロンビア	南アメリカ	1,600,415
10	チャド	アフリカ	1,379,167
11	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,302,916
12	キューバ	南アメリカ	911,900
13	スーダン	アフリカ	794,045
14	ペルー	南アメリカ	750,449
15	マリ	アフリカ	607,786
16	セネガル	アフリカ	582,927
17	キルギスタン	アジア	547,253
18	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	527,826
19	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	511,026
20	ハイチ	南アメリカ	504,385
21	シエラレオネ	アフリカ	444,156
22	イギリス	ヨーロッパ	423,586
23	ウルグアイ	南アメリカ	416,271
24	カナダ	北アメリカ	399,171
25	インドネシア	アジア	382,014
26	パキスタン	アジア	375,000
27	ルーマニア	ヨーロッパ	374,000
28	ドミニカ共和国	南アメリカ	363,944
29	南アフリカ	アフリカ	330,032
30	インド	アジア	328,555
31	チリ	南アメリカ	301,552
32	フランス	ヨーロッパ	291,165
33	ニカラグア	南アメリカ	268,941
34	ニジェール	アフリカ	260,861
35	ウズベキスタン	アジア	260,393
36	オーストラリア	オセアニア	258,256
37	フィリピン	アジア	250,134
38	パラグアイ	南アメリカ	220,083
39	ウクライナ	ヨーロッパ	202,000
40	エクアドル	南アメリカ	192,187
41	ホンジュラス	南アメリカ	182,777
42	モロッコ	アフリカ	173,300
43	ポーランド	ヨーロッパ	156,519
44	グアテマラ	南アメリカ	132,975
45	イラン（イスラム共和国）	アジア	130,956
46	コスタリカ	南アメリカ	117,553
47	ミャンマー	アジア	110,350
48	パナマ	南アメリカ	105,212
49	ナイジェリア	アフリカ	102,631
50	エルサルバドル	南アメリカ	98,561
51	オランダ	ヨーロッパ	97,602
52	ポルトガル	ヨーロッパ	88,000
53	エジプト	アフリカ	83,880
54	トルコ	アジア	83,718
55	タジキスタン	アジア	82,592
56	モーリタニア	アフリカ	67,628
57	アゼルバイジャン	アジア	58,396
58	チュニジア	アフリカ	57,113
59	アイスランド	ヨーロッパ	54,069
60	ベトナム	アジア	51,616
61	イラク	アジア	50,530
62	アルジェリア	アフリカ	50,231
63	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,347
64	リビア	アフリカ	47,965
65	フィジー	オセアニア	47,626
66	スイス	ヨーロッパ	47,121
67	レソト	アフリカ	43,314
68	デンマーク	ヨーロッパ	42,782
69	ナミビア	アフリカ	42,728
70	東ティモール	アジア	40,915
71	グルジア	アジア	40,414
72	ニュージーランド	オセアニア	40,276
73	ノルウェー	ヨーロッパ	36,133
74	ハンガリー	ヨーロッパ	36,000
75	チェコ	ヨーロッパ	33,213
76	ラオス人民民主共和国	アジア	32,405
77	カンボジア	アジア	31,840
78	アルバニア	ヨーロッパ	29,000
79	アフガニスタン	アジア	28,607
80	ジンバブエ	アフリカ	28,252
81	トルクメニスタン	アジア	27,493
82	大韓民国	アジア	26,234
83	ベラルーシ	ヨーロッパ	25,600
84	ガンビア	アフリカ	23,635
85	モルドバ共和国	ヨーロッパ	22,600
86	ボツワナ	アフリカ	17,790
87	カメルーン	アフリカ	16,046
88	日本	アジア	14,345
89	ブルキナファソ	アフリカ	14,229
90	アルメニア	アジア	13,092
91	リトアニア	ヨーロッパ	12,809
92	セルビア	ヨーロッパ	12,725
93	ブータン	アジア	12,418
94	カタール	アジア	11,968
95	トンガ	オセアニア	11,778
96	北マケドニア	ヨーロッパ	11,140
97	ニューカレドニア	オセアニア	10,765
98	シリア・アラブ共和国	アジア	9,460
99	ラトビア	ヨーロッパ	8,400
100	タイ	アジア	7,910
101	ベリーズ	南アメリカ	6,157
102	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,254
103	マレーシア	アジア	4,111
104	ジャマイカ	南アメリカ	4,008
105	イスラエル	アジア	4,000
106	プエルトリコ	南アメリカ	3,981
107	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	3,960
108	レバノン	アジア	3,667
109	モンテネグロ	ヨーロッパ	3,618
110	ギニア	アフリカ	3,571
111	ガーナ	アフリカ	3,314
112	バヌアツ	オセアニア	3,193
113	サウジアラビア	アジア	2,604
114	ギニアビサウ	アフリカ	2,459
115	ガイアナ	南アメリカ	2,400
116	ヨルダン	アジア	2,258
117	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
118	ケニア	アフリカ	2,187
119	トーゴ	アフリカ	2,048
120	パプアニューギニア	オセアニア	2,034
121	イエメン	アジア	2,017
122	サモア	オセアニア	1,942
123	エスワティニ	アフリカ	1,752
124	中国、香港特別行政区	アジア	1,551
125	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,403
126	スリランカ	アジア	1,244
127	バルバドス	南アメリカ	1,237
128	クウェート	アジア	1,197
129	ベナン	アフリカ	1,174
130	セントルシア	南アメリカ	1,111
131	アンゴラ	アフリカ	1,012
132	ソマリア	アフリカ	888
133	中国、台湾 中国省	アジア	869
134	カーボベルデ	アフリカ	582
135	マラウイ	アフリカ	552
136	マダガスカル	アフリカ	509
137	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	493
138	アラブ首長国連邦	アジア	433
139	スリナム	南アメリカ	332
140	サントメ・プリンシペ	アフリカ	310
141	クック諸島	オセアニア	302
142	ソロモン諸島	オセアニア	151
143	モーリシャス	アフリカ	148
144	コンゴ	アフリカ	79
145	グレナダ	南アメリカ	30
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馬飼養数ランキングは農業、運輸、そして文化的利用など、馬が果たす多面的な役割を反映した指標の一つです。2021年のデータによれば、アメリカ合衆国、メキシコ、ブラジルといった中南米地域とアジアのモンゴル、中国、カザフスタンが上位にランクインしました。これらの国々では、伝統的に馬が農業や運搬手段として重要であり、さらに観光や競技にも活用されている点が強調されます。

例えば、アメリカ合衆国では牧場での利用やレクリエーション目的での需要が高く、これが国内における馬の飼育数を押し上げています。一方、メキシコやブラジルでは農耕や運輸の重要資源として馬が今も多く活用されており、特に農村地域でその存在感が大きいです。これらのエリアは広大な土地を持ちながら、機械化が及ばない地域が存在するため、馬への依存が続いています。さらに、モンゴルやカザフスタンといった中央アジア地域は、遊牧文化を背景に馬が生活に直結した役割を果たしています。この点で、地理的環境や文化的要因が馬の飼養数に影響を与えていると考えられます。

一方で、経済が高度に発展している国々では、機械化が進んで馬の利用用途が減少しています。日本（88位、14,345頭）や韓国（82位、26,234頭）がその典型例です。両国では馬は主に競技用や観光資源として活用され、かつての農業や運搬の需要はほぼなくなっています。これに対して、フランスやイギリスなどのヨーロッパ諸国では、乗馬をはじめとするレジャー用途が飼養数に顕著に影響しているといえます。

ただし、国によっては自然災害や地域衝突が馬の飼養環境に影響を与えることも少なくありません。例えば、エチオピアやスーダンでは紛争や干ばつといった地政学的リスクが馬資源の維持を難しくしています。この状況は、農作業や移動手段として馬に依存する地域住民にさらなる困難をもたらしています。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞が、一部の観光業や競馬市場に負の影響を及ぼした可能性もあります。

今後の課題として、まず馬の管理や資源投入における持続可能性の確保が挙げられます。馬の大量飼養が環境やエネルギー資源の消費を伴うケースが見られる一方で、その恩恵を最大化するために効率的な牧草利用法や飼料生産の改革が必要です。また、地域衝突や自然災害が頻発する地域では、馬の利用が生命線となることから、災害対策や国際協力の枠組みで馬文化を守るべきです。さらに、観光や競技目的で馬を飼養する先進国では、福祉や健康管理の向上に努めることが求められます。

結論として、馬飼養数ランキングは各国の社会・経済・文化的背景、加えて地政学的要因まで多くの要素を反映しています。特に中南米や中央アジアでは馬の役割が大きく先進国と対照的と言えます。一方で、地球規模の気候変動や経済の変化により、馬の飼養においても多くの課題が浮き彫りにされています。これらを背景に、国や国際機関が地域特性を考慮した政策を立案し、馬との共存を未来にわたり持続可能な形で進める必要があります。