世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表した2019年の馬飼養数データによると、1位はアメリカ合衆国（10,338,577頭）、2位はメキシコ（6,396,166頭）、3位はブラジル（5,851,318頭）で、これらの国々が多くの馬を飼養していることが分かります。日本は世界91位で14,652頭と、馬の飼養数が低水準にとどまっています。また、飼養数の分布には国の地理的特徴や経済活動が関係していることがうかがえます。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	10,338,577
2	メキシコ	南アメリカ	6,396,166
3	ブラジル	南アメリカ	5,851,318
4	モンゴル	アジア	4,214,818
5	中国	アジア	3,670,999
6	カザフスタン	アジア	2,852,256
7	アルゼンチン	南アメリカ	2,543,908
8	エチオピア	アフリカ	2,111,134
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,282,964
10	チャド	アフリカ	1,268,660
11	コロンビア	南アメリカ	1,144,651
12	キューバ	南アメリカ	910,500
13	スーダン	アフリカ	792,459
14	ペルー	南アメリカ	748,770
15	マリ	アフリカ	584,184
16	セネガル	アフリカ	572,575
17	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	525,671
18	キルギスタン	アジア	522,611
19	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	504,996
20	ハイチ	南アメリカ	503,874
21	ルーマニア	ヨーロッパ	447,791
22	シエラレオネ	アフリカ	440,170
23	イギリス	ヨーロッパ	412,231
24	ウルグアイ	南アメリカ	409,365
25	カナダ	北アメリカ	399,660
26	インドネシア	アジア	374,566
27	パキスタン	アジア	371,000
28	フランス	ヨーロッパ	367,174
29	ドミニカ共和国	南アメリカ	362,479
30	インド	アジア	342,226
31	南アフリカ	アフリカ	330,851
32	チリ	南アメリカ	303,455
33	ニカラグア	南アメリカ	268,998
34	オーストラリア	オセアニア	260,641
35	ニジェール	アフリカ	255,721
36	フィリピン	アジア	247,973
37	ウズベキスタン	アジア	247,071
38	ウクライナ	ヨーロッパ	244,000
39	パラグアイ	南アメリカ	219,108
40	エクアドル	南アメリカ	196,886
41	モロッコ	アフリカ	191,000
42	ポーランド	ヨーロッパ	185,494
43	ホンジュラス	南アメリカ	182,499
44	グアテマラ	南アメリカ	132,214
45	イラン（イスラム共和国）	アジア	131,013
46	コスタリカ	南アメリカ	117,253
47	ミャンマー	アジア	112,873
48	パナマ	南アメリカ	107,963
49	アフガニスタン	アジア	105,265
50	トルコ	アジア	102,467
51	ナイジェリア	アフリカ	102,319
52	エルサルバドル	南アメリカ	98,273
53	オランダ	ヨーロッパ	87,568
54	ポルトガル	ヨーロッパ	87,000
55	エジプト	アフリカ	83,421
56	アイルランド	ヨーロッパ	82,010
57	タジキスタン	アジア	81,307
58	モーリタニア	アフリカ	67,200
59	アイスランド	ヨーロッパ	67,000
60	アゼルバイジャン	アジア	62,726
61	チュニジア	アフリカ	57,125
62	ハンガリー	ヨーロッパ	52,000
63	ベトナム	アジア	50,692
64	レソト	アフリカ	50,402
65	イラク	アジア	50,084
66	アルジェリア	アフリカ	49,911
67	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	48,400
68	フィジー	オセアニア	47,440
69	スイス	ヨーロッパ	47,076
70	リビア	アフリカ	45,700
71	ナミビア	アフリカ	43,466
72	ブルキナファソ	アフリカ	42,000
73	デンマーク	ヨーロッパ	41,860
74	グルジア	アジア	41,033
75	東ティモール	アジア	39,171
76	ニュージーランド	オセアニア	38,445
77	ベラルーシ	ヨーロッパ	38,100
78	ノルウェー	ヨーロッパ	34,387
79	ラオス人民民主共和国	アジア	32,137
80	チェコ	ヨーロッパ	31,964
81	アルバニア	ヨーロッパ	31,649
82	カンボジア	アジア	31,225
83	モルドバ共和国	ヨーロッパ	29,966
84	ジンバブエ	アフリカ	28,261
85	大韓民国	アジア	26,818
86	トルクメニスタン	アジア	24,384
87	ボツワナ	アフリカ	21,691
88	ガンビア	アフリカ	21,040
89	カメルーン	アフリカ	17,303
90	ブータン	アジア	16,792
91	日本	アジア	14,652
92	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	14,292
93	セルビア	ヨーロッパ	13,721
94	サウジアラビア	アジア	13,255
95	リトアニア	ヨーロッパ	12,934
96	シリア・アラブ共和国	アジア	12,757
97	トンガ	オセアニア	11,840
98	ニューカレドニア	オセアニア	10,854
99	アルメニア	アジア	10,748
100	カタール	アジア	9,731
101	北マケドニア	ヨーロッパ	8,952
102	ラトビア	ヨーロッパ	8,400
103	タイ	アジア	7,202
104	スロバキア	ヨーロッパ	6,960
105	ベリーズ	南アメリカ	6,042
106	ルクセンブルク	ヨーロッパ	4,669
107	バヌアツ	オセアニア	4,474
108	ジャマイカ	南アメリカ	4,009
109	モンテネグロ	ヨーロッパ	4,008
110	イスラエル	アジア	4,000
111	プエルトリコ	南アメリカ	3,888
112	ギニア	アフリカ	3,512
113	レバノン	アジア	3,270
114	ガーナ	アフリカ	3,244
115	マレーシア	アジア	3,095
116	ギニアビサウ	アフリカ	2,408
117	ガイアナ	南アメリカ	2,400
118	ヨルダン	アジア	2,265
119	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,200
120	ケニア	アフリカ	2,128
121	パプアニューギニア	オセアニア	2,037
122	トーゴ	アフリカ	1,978
123	イエメン	アジア	1,965
124	サモア	オセアニア	1,929
125	エスワティニ	アフリカ	1,719
126	中国、香港特別行政区	アジア	1,553
127	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,405
128	スリランカ	アジア	1,288
129	バルバドス	南アメリカ	1,241
130	ベナン	アフリカ	1,163
131	クウェート	アジア	1,160
132	セントルシア	南アメリカ	1,111
133	アンゴラ	アフリカ	1,016
134	ソマリア	アフリカ	890
135	中国、台湾 中国省	アジア	867
136	カーボベルデ	アフリカ	575
137	マダガスカル	アフリカ	508
138	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	491
139	アラブ首長国連邦	アジア	450
140	サントメ・プリンシペ	アフリカ	305
141	クック諸島	オセアニア	302
142	スリナム	南アメリカ	278
143	ソロモン諸島	オセアニア	151
144	モーリシャス	アフリカ	148
145	マラウイ	アフリカ	90
146	コンゴ	アフリカ	77
147	グレナダ	南アメリカ	30
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2019年の馬飼養数ランキングを見ると、アメリカ合衆国、メキシコ、ブラジルといったアメリカ大陸の国々が上位を占めています。アメリカ合衆国は10,338,577頭と圧倒的な数を誇り、これは同国の広大な土地、牧畜業、そしてレジャーや競技などの馬利用文化が重要要因と考えられます。メキシコやブラジルも、農業や牧畜活動と関連が強く、馬飼養が伝統的なライフスタイルや産業に結びついています。これらの国に続くモンゴル（4,214,818頭）やカザフスタン（2,852,256頭）は放牧文化が根付いた地域であり、家畜動物として長い歴史を持つ馬の存在が重要視されていることを示しています。

一方で東アジア、特に日本や韓国では馬の飼養数が他地域と比べて少なく、日本は14,652頭、大韓民国では26,818頭という結果となっています。この要因として、都市化の進展で牧場や農地が減少したこと、馬が生産活動の主役から娯楽や競技の一部へと役割が変化したことが考えられます。たとえば日本では、馬の利用は主に競馬や乗馬といった分野に限られており、農業や牧畜活動ではほとんど用いられていません。

また、アフリカ地域ではエチオピアが2,111,134頭と上位に位置します。この地域で馬が重要なのは、公共交通機関が未発達である地域で主要な移動手段や運搬手段として利用されているためだと推測できます。同様に、中東や中央アジアでは人々の生活や伝統産業に馬が今でも欠かせない存在となっています。

地政学的背景も馬飼養動態に影響を与えています。地域紛争や経済制裁下にある中東の国々やサハラ以南アフリカでは、飼養数が増加傾向にある一方で、飼料不足や疫病による馬の健康問題が深刻化しています。例えば、戦争や経済不安定が物流を妨げ、馬の飼育管理に影響を及ぼしている場合があります。

今後の課題としては、気候変動と資源不足が馬の飼養数に与える長期的影響が挙げられます。例えば、干ばつや洪水といった気象災害による飼料供給の変動や、馬伝染病のリスク増加が懸念されています。また、発展途上国では伝統的利用を維持するために、馬の健康管理や飼料供給網の整備が必要です。

日本や韓国、ヨーロッパ諸国といった飼養数が少ない国々では、馬資源の効率的利用が検討されています。競技や観光産業における馬の需要に注目し、効果的な飼育環境を整えることがポイントです。さらに、学校教育プログラムや地域文化活動に馬と触れ合う機会を増やすことで、動物との共存意識を育みながら馬文化を推進することも考えられます。

全体的に見て、馬の飼養数はその国や地域の文化、経済、地理条件に強く関連しています。国際的課題としては、地政学的リスクや気候変動といった外的要因に対する協調的な対策が求められます。特に国際連合食糧農業機関（FAO）が主導する家畜衛生や災害対応プロジェクトの拡充が、グローバルな課題解決につながる可能性があります。